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「とほほ…わしゃあ情けない…」
デラックスファイター襲来から数分、新生鷹の爪団総統は早くもなみだ目モードになっていた。
「ま、まあまあ総統さん…デラックスファイターさんももうどこかに行かれた様子ですし…」
「そうですよ、怪我もなかったんだからいいじゃないですか。」
あの後、、風花がペルソナ”ユノ”を召還、デラックスボンバーをガード後、各自のポケットマネー15万円
(風花1万2千円、スペランカー13万6千円、総統2000円)を支払い、その場は丸く収まった。
「う…ううっ…ワシは…ワシは女子高生の風花君よりも財布の中身がロンリーなんじゃぁ~…ううっ…」
「まあそんな事気にしているときじゃありませんよ。それより、先ほど放送がありましたが…」
スペランカーが難しそうな顔をする。
「…幸か不幸か、私には知り合いの名前は呼ばれませんでしたが、お二人の知り合いは…」
スペランカーはこれ以上続けられなかった。もし仮に知り合いの名前が先ほどの放送で呼ばれたとすれば、私はどんな顔をすればいい?
そういう思考がスペランカーを支配していた。
「う~ん、ワシは誰も呼ばれておらんな、吉田くんもフィリップも博士も菩薩峠君も無事でいるといいのだが…」
「それはよかった…と、言うべきなのでしょうか。風花さんは?」
その問いに風花は押し黙る。
「…私は…一人、いました…」
「…そうか…」
ただ、そうつぶやいて押し黙る。
長い、長い沈黙。
そして、再びスペランカーの口が動いた。
「…風花君の知り合いということはまだ若いんだろう…どんな人だった?」
その問いに、ゆっくりと口を動かす。
「物静かで…料理がうまくて…一見近寄りがたいけど、本当は優しい人で…」
ひとつひとつ、ゆっくりと、ゆっくりと語り始める。
「お~ん!風花君!!もう、もういいんじゃ~!」
その一つ一つの重みに耐え切れないかの如く、号泣する総統。
そんな総統を無視し、その言葉一つ一つを噛み締めて聞くスペランカー。
「私と同じ、ペルソナ使いで…とても強くて…そして…そして…」
「…そして…?」
そしての後に続く言葉、友人だった、片思いだった。恋人だった。愛し合った仲だった。
どの言葉が続いたとしても、彼女にとっては辛い言葉になるだろう。無論、聞いている自分に対しても辛い言葉だろう。
ただ、最後まで聞いてやらなければならない。それが、自分にできる彼女への最大限の励ましとなろうから。
スペランカーはそう、心に決めた。

「そして…彼は…」
「彼は…?」


「…昨年の8月、亡くなりました…」


「そうか…それは辛…えええええ!?」


予想外の答えにスペランカーはずっこける。
テッテテッテテッテテッテテッテッテ~
「スペランカー君!また死によって!しっかりするんじゃ!」
「え、ええ、あまりの衝撃にまた一機無駄にしてしまいました、すみません。」
「あ、いや、こ、こちらこそ。だからたぶん同姓同名の方なんじゃないかなと…」
スペランカーが自分の話で死んでしまったことに風花がおろおろしている。
「い、いや。ならいいんだ。は、話を変えよう。今後の事なんだが…ん!?」
話の途中で彼の顔つきが変わる。
デレデレデレデレデレデレデレ…
彼の脳内に禍々しい音楽が流れてくる。
虚弱体質の彼には、残機がある限り復活を遂げると言う特殊能力のほかに、もう一つの特殊能力がある。
それは彼に危害を加えんとする何かが近寄づいてきたとき、彼の脳内に音楽が流れてくるというものだ。
「…何か来る!!風花君!アナライズを!!」
「り、了解しました!」
返事と共に早速”ユノ”を召還、周囲をアナライズする。
「わ、ワシは何をすればんだろう?」
「総統はそこら辺で隠れていてください!」
スペランカーは自分の背中に嫌な汗が流れるのを感じる。
この感触、自分のカンに間違いがなければ…
「アナライズ完了!こ…これは!?──



──数キロ離れた荒地。そこに彼いた。
「俺は地上最強だ!どんな奴がきても0,2秒であの世に送ることができるんだ!!!!武器は持たない!カラテだ!!」
彼はスペランカーたちの元へと走り行く、一度は見逃した彼らを、何故!?
「俺があっちに向かう理由なんて決まってる!さっきもの凄い衝撃波があったからだ!憎い!この俺の力が!この俺の恐ろしい力が!!」
つまり、デラックスボンバーの閃光が気になった、ただそれだけの理由である。
それだけの理由で、彼はスペランカー達の下へ走り行く──

「──そ、そんな…うそ…ゆ、ユノの装甲すら砕く彼が…いや…いや…!!」
「…大丈夫だ、風花君、落ち着いて。」
ガクガクと震えが止まらなくなる風花、それをなだめるスペランカー
「ひ、ひえええええ!こ、こんな事になるんじゃったらデラックスファイター何ぞに金を支払うんじゃなかったわい!」
「総統は黙ってください!何とかしますから!」
オロオロ慌てふためく総統を一括するスペランカー。
『…何とかすると言ったものの、どうすればいい?
相手は自分とタンスを一瞬で倒したデラックスボンバーすら無傷で防げる風花君のユノの装甲をぶち抜く程の強さの持ち主だ…
逃げる…?しかし仮に相手の目的が自分達だとすると、3人全員生還するのは難しい…どうすれば…』

頭をフル回転させるスペランカー。

そして、一つの答えにたどり着く。

「…風花君、確か君の支給品は44マグナムだったよね、それを貸してくれないか?」
「え、ええ…いいですけど…何をするつもりなんですか…?」
少しだけの沈黙、そしてスペランカーの笑顔。
「時間稼ぎだよ、君達は先に逃げてくれないか?」
「そ、そんな!スペランカーさん!」
「まさか…お主死ぬ気か!?」
「大丈夫ですよ、僕はまだ残機がありますからね。」
「え、で、でも…」
「大丈夫、後で追いつくから、さあ、総統の腰が抜けない内に早く!!」




先に逃げることにためらう風花と総統を半ば無理やり追い出して、一人になるスペランカー。


『…44マグナム…一発打てば反動で一回しぬな…弾丸は…20発……後はあまった残機でダイナマイトで自爆すれば…何とか…!!』

────彼は


死を、覚悟していた──


【島根県宍道湖畔 2日目 13時30分】

【総統@秘密結社鷹の爪】
[状態]:健康
[装備]:2000円 桐箪笥(中身無し)
[思考] スペランカー君!スペランカーくーん!!


【スペランカー@スペランカー】
[状態]:残機25
[装備]:ソニックガン ダイナマイト10本
[思考]:…せめて、時間稼ぎくらいは…


【山岸風花@ペルソナ3】
[状態]:健康
[装備]:召還用銃
[思考] スペランカーさん、必ず生きて帰ってきてください!!


【雷音竜@地上最強の男 竜】
[状態]:地上最強
[装備]:武器は持たない!カラテだ!
[思考]:俺があっちに向かう理由なんて決まってる!さっきもの凄い衝撃波があったからだ!




最終更新:2006年12月19日 16:27