かがみ達が去った後、放置されたみゆきの亡骸を最初に発見したのはピンク色の和服を着た男だった。
「この子は……そんな……」
その唾で汚された顔を見て、その落語家は怒りに打ち震えた。
また救ってやることが出来なかった。自分と同じ、影の薄いピンク色の少女を。
カオスロワ4が終結して5が始まるまでのほんのわずかな安息の時期に、彼ら二人は久しぶりに再会していた。
「私は、はやり今回も漫画ロワと同じように序盤であっさりと死んでしまいました……」
肩を落とす少女に、落語家は勤めて明るく言う。
「まだいいですよ。私なんかは、殺されたわけでもないのにいつの間にかフェードアウトしてしまいましたからね。楽さんはそれなりに目立ってたのに……」
「はあ……やはり影が薄いという立場は辛いものですね」
少女には落語家の慰めもあまり効果はないようだった。
彼のように、いくら影が薄いとはいえ世間に立派な落語家だと認められている人物はまだいい。
しかし、自分は『らき☆すた』の登場人物という点を除けばただの女子高生。
こなたとかがみとつかさはそれぞれファンも多く、グッズも多数展開しているというのに自分は今度発売の「目覚まし時計」でもまた一人ハブられた(本当)。
そんな引け目が、みゆきの心を曇らせていたのだ。
そんな少女に、落語家はなおも力強く言う。
「大丈夫ですよ。私達には私達の役目があるのです。笑点も私がいるからこそ楽さんや木久さんが輝く。
らき☆すただって、あなたのようなサブキャラがあってこそみさおさんやみなみさんたち人気キャラが輝くんです」
「好楽さん……」
みゆきはその言葉にはっとしたように顔を上げる。後発のみさおやみなみよりも格下にされたことはとりあえずスルーする。
「しかし、もしまたこんな殺し合いが起きたら……その時は、私達二人は必ず最後まで生き残ってやりましょう。
私は必ずあなたを守りましょう。
「でも……」
みゆきは諦めが混じった声で言う。
「あなたは、次にあったときにはもう私の名前も覚えていては頂けないでしょう?」
好楽は答える。
「―――忘れません」
(必ず、守ってやると言ったのに……)
落語家の男は、目の前で物言わぬ生首となった少女を見て涙を流した。
絶対に許さない。こんなことをした人間は、絶対に断罪してやる。
「らき☆すたのピンクさん、名前は忘れましたけど、あなたの無念は私が晴らします」
そういうと、決意を込めて自身の『宝具』を展開した。
すでに聖杯戦争は終結しているが、彼は未だに『アサシン』としての気配遮断の能力と、さらに完全に自分の気配を消す宝具
『ピンクの結界』だけは所持し続けていた。
なぜ聖杯戦争が終わってもサーヴァントとしての能力を持ち続けたのか。
それは、彼がもともと最上級クラスの影の薄さを所有していたからに他ならない。
「これなら絶対に他人には見つからない。私は、絶対に―――」
「あの……」
落語家は驚愕して振り向いた。まさか、この状態の自分に声をかけられる人間などいるはずがない。
しかし、振り向いた落語家はさらに驚愕を味わうことになる。
「すみません、ここで私の友人を見なかったかお聞きしたくて……あれ……あの、もしかして、どこかでお会いしませんでしたか?」
【一日目・午後12時/夢の国】
【笑点のピンク@笑点】
[状態]気配遮断S展開中(基本的に他人からは姿が見えません)
[装備]ピンクの結界
[道具]支給品一式
[思考]
1、平行世界のみゆきを見て驚愕している
2、みゆきの仇をとってあげたい
※みゆきの名前は忘れています。
【らき☆すたのピンク@らき☆すた(DS・ドラマCD版)】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]不明
[思考]
1、この人、どこかで見たような……
2、こなたとつかさ(DS・ドラマCD版)を探して保護する
※平行世界の自分と一部記憶を共有してるっぽい
※笑点のピンクの姿が見えたのは同じ空気キャラとしての凄みです
最終更新:2008年09月03日 21:42