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「う~~メンバーアドレスメンバーアドレス」

今、友人を求めて全力疾走している僕は、予備校に通うごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば男とネトゲに興味があるってとこかナー。
名前は道下正樹。

そんなわけで今話題のネトゲThe World R:2にやって来たのだ。


ふと見ると、グリーマレーヴ大聖堂のベンチに一人の若い男が座っていた。
(ウホッ!いい男…)
そう思っていると突然その男は僕の見ている目の前で左腕の拘束具をはずしはじめたのだ…!

ガシャン

「Welcome To The World」

そういえばこのTheWorldというネトゲは、昨今、PKが横行していることで有名なゲームだった。
イイ男に弱い僕は、彼の左腕からそそり立つ雄雄しい触手に見とれていてホイホイとPKされてしまったのだ。

彼―――ちょっと妖しいガン黒グラサンのギルドマスターでオーヴァンと名乗った(やられてしまったのでまたゲームに入り直した)
新人教育もやりなれてるらしく、彼のギルド『黄昏の旅団』にはいるなり、
僕は素裸にむかれ装備をギルドショップで売られてしまった。

「真実を知りたいとは思わないか」

「いいんです…僕…オーヴァンさんみたいな人好きですから…」

「君には資質がある」

このとおり、彼の言動は基本的に意味不明だった。
僕はというと、彼に与えられる無茶苦茶な指令に振り回されることに、快感をおぼえるようになっていた。

「あると仮定し、このゲームを遊ぶ。それが俺たち、黄昏の旅団だ」

「うっ…! で、出そう…」

「確証?そんなものを悠長に待てる状況かい?」

「ち、ちがう…実はさっきからメンバーアドレスが欲しかったんです
 The Worldに来たのもそのためで…」

「仕込みがあるので先に行く…」

「えーっ!? 向こうで合流するんですかァ?」

「もう時間がないんだ…!」

彼はそういうとあっという間に転送ゲートから消えてしまった。

まだレベル一桁台の僕に、伝説のNPC『三爪痕』とのタイマンを強いるなんてなんて人なんだろう…
しかし彼のやりなれた放置プレイのような突き放しっぷりを見ているうちに、そんな変態じみたことをためしてみたい欲望が……

「それじゃ…やります…」

ジャキンッ
シュバッ
カンカンカンカン!!! バキィンッ!!!!

「こ、攻撃が効きません…」

「愛し方を知らないからさ。頭でっかちの坊や」

「それじゃ(アーツを)出します…」

「ャ、ヤメロ…ヤメロ…」

「くうっ! 気持ちいい…!」

この初めての経験は、コンシューマゲームでは知ることのなかった絶頂感を僕にもたらした。
あまりに激しい暗黒吸魂輪掌波に、PKされると同時に僕のレベルはあっけなく1に戻ってしまった。

「ああ――っ!!」

ドピュッ
チャッ
シャ――ッ

「……昔、この場所には女神の像があった。The Worldにまします、神だ」



「はっはっ」

「比喩的な言い回しさ…」

「あんまり気持ちよくて…こんなことしたの初めてだから…」

「怯えなくていい。その目に焼き付けろ!」

「すごく…大きいです…」

「これが―――お前の欲した真実だっ!!」

「ああっ!!」

「いくらハッカーの私でも君の心のプロテクトは外せないようだ」

「出…出る…」

「覗き合って見るかい…互いの秘部を」

「ちっ、ちがう…!!」

「誠意を否定されるのは辛いな…」

「しーましェーん!!」

「最後の手段……いや、はじめから、これしかなかったのか……!!!」

「え―――っ!?」


――と
こんなわけで
僕の初めてのThe World体験は、クソミソな結果に終わったのでした……。






【リアルの位置は不明 2日目:23時】
【オーヴァン@.hack//G.U.】
[状態]:健康
[装備]:冥銃剣・逢魔ヶ刻
[道具]:不明
[思考]
1:アイナ…!


【道下正樹@くそみそテクニック 意識不明のち衰弱死確認】




最終更新:2006年12月20日 22:29