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今は灼熱の海と化したメキシコの街で闘士と魔術士が交差する。
闘士は魔術士の放つ火の球を己の脚を使って次々と弾き、無造作に蹴られた火球は灼熱に混じって新たな火柱をあげていく。

(冬馬、今行くからなっ!)
トウマは焦っていた。 己が逃がした少女の行方を。
目の前のゲマの足止めをしてもう何時間か経ったが、彼女は今安全なところに避難したのだろうか。
どこかで殺戮者に捕まって殺されていないのだろうか・・・・・・いや今はそれはないはずだ。
さっきの放送で殺人禁止というルールが流されたから殺される心配はないだろう。
それよりも放送で見知った人の名前が流れてしまった。
南夏奈、すい数時間ほど前まで助けようとしていた少女の名前だ。 会ったときは死にそうにもないぐらいに元気だった少女が今はすでにこの世の者ではなくなってしまった。
頼れる人、知っている人、次々と死んでしまって彼女は膝小僧を抱えて泣いていないだろうか、今はそれだけが心配だ。
だからゲマを一刻も早く倒さねばならないのに、彼は一向に疲れを見せる様子もなく不気味に笑いながら詠唱を続けている。
灼熱地獄の中に次々と生まれる火柱が周囲の景色を閉ざし、彼の焦燥を増大させていた。


「そのまま防戦を続けているだけですか? まあ今死なれちゃ困りますから精々楽しませてください」
「舐めるな!」
ゲマの挑発を聞いたトウマは溜まっていた怒りが一気に爆発した。再び放たれたメラゾーマの間をかいくぐってゲマに一気に距離をつめる。そして拳をゲマに向かって振り上げた。
「甘いですよ」
火球が放たれるかと思えば彼の口から高密度の火炎が放たれたのだ。 周囲の灼熱にも引けをとらない激しい炎がゲマの眼前に生まれた。
しかしそれがトウマを包み込むことはない。
「? 何処にいったのでしょうかね」
「ここだぁぁぁぁぁぁ!!!」
怒号の響くところはゲマの頭上。 顔を上げたときにはもう遅い、トウマの脚がゲマの視界を覆いつくしていたのだ。
炎がゲマの口から吐き出される瞬間トウマは振り上げた拳をそのまま地面に叩きつけ、その反動で大ジャンプして今度は脚を上げる。
宙を舞った身体は慣性の法則により落下し、それによって発生したエネルギーを相乗させた踵落としが容赦なくゲマの顔面にぶち当たり、蹴った反動を使って飛び、ゲマの後方に着地する。
完全に予想外の不意打ちと頭部の激痛に悶えるゲマにトウマは更に腰を捻ってゲマの後頭部に強烈な回し蹴りを放った。
無防備となった魔術士の身体が宙を舞い、受身も取れないまま炎の中に放り込まれていった。


「やった・・・・・・か?」
「ゲマ様、言われてたガキ捕まえてきましたぜ・・・・・・ってありゃ?」
「いなくなっているぞ」
「!?」




突然の野太い声に振り向いた先を見てトウマは驚愕する。
そこには白馬がそのまま二足歩行したような風貌の獣人と鎧を纏った河馬のような剣士がいた。
一見シュールにも見える外見だが、彼が驚いた理由は別にある。 彼らが自分が今までずっと気にかけていた少女が確かにそこにいたからだ。

ごめん、捕まっちまった・・・・・・」

少女の小柄な肉体が馬の獣人の太すぎる腕に包まれている。 今にも冬馬の細い身体をへし折ってしまいそうで、
それを知ってか知らずか彼の筋肉は伸縮を繰り返して彼女を適度に締め付けていた。
「外道、冬馬を離せっ!」
「離せといって離す馬鹿がどこにいるんだよ」
トウマは馬面の頭部に向かって蹴りを放つも、それは河馬の騎士、ゴンズの盾に容易く受け止められてしまう。
受け止められた脚は反動で逆方向に飛び、トウマを転倒させた。
彼は立ち上がろうと両腕を地面に当てて起き上がろうとしたが、不意にかかった重量によって再び地面に叩きつけられてしまう。
「ほっほっほ、よくやりましたよお前達」
「「ゲマ様!」」
トウマを踏みつけるローブの魔術士、否、光の教団の神官ゲマが姿を現し、配下の二匹の魔物に命令する。
「お前達、この身の程知らずの人間を痛めつけなさい。 死なない程度にね」


★ ★ ★


どの程度の時間が経ったのだろうか。
あれから殴られ蹴られ、あるいは燃やされ、獣人共の罵声と冬馬の悲鳴が交互に響き渡っていた。
解放はされたものの、全身が悲鳴を上げ続けていてしばらくは立てそうにもない。
そんな中、見知った少女が心配そうに覗き込んでくる。
「トウマ!大丈夫か!」
俺達をいきなり解放して何のつもりかと思ったが、気づくのは早かった。
自分達の周囲を炎の海が囲っているのだ。 先ほどまでの戦闘の影響だろう。
このまま炎が燃え広がって俺達を包み込んでしまえば、やつらが手を汚す必要はない、つまり禁止事項に触れずに俺と冬馬を殺すことができてしまうのだ。 だからこそ俺は彼女に言い放った。
「大丈夫・・・・・・だと言いたいところだが・・・・・・お前は逃げろ・・・・・・」
「何言ってるんだよ!」
案の定彼女は反対する。 似たような会話が数時間前にもあったっけ。
「いいかよく聞け・・・・・・今俺達の周りにある炎は近いうちにこの街全体を燃やし尽くす。 はっきり言ってお前じゃ俺を抱えて逃げるなんてことは無理だ、だからこれを持って逃げろ・・・・・・」
俺は力を振り絞って自分のデイパックを彼女に差し出した。 彼女は無言でそれを受け取ったが、動く様子はない。
「冬馬・・・・・・」
「・・・・・・」


住人が消えた代わりに熱の亡者が巣食ったメキシコの都市。
そこにいるのは傷つき倒れた青年と無力な少女。
彼らの運命に待ち受けているのは死か、それとも・・・・・・




【一日目・午前10時30分/メキシコ】
【南冬馬@みなみけ】
[状態]健康、少年物の服
[装備]不明
[道具]食料一式、その他不明、トウマのデイパック
[思考]基本:南家の人と合流する
   1:・・・・・・

【トウマ=カノウ@スーパーロボット対戦シリーズ】
[状態]鉄腕アルバイター、重度の全身打撲と火傷
[装備]己の肉体
[道具]無し
[思考]基本:ミナキを助けて主催を倒す
   1:冬馬にはここから逃げてほしい
※現在彼らのいる街は、1時間もすれば完全に火に包まれます






「ゲマ様~あの小僧共あれでよかったんですか?」
「ほっほっほ、奴隷にしてもよかったのですがそれだと面白みにかけましてね。 あの少女が困るところを想像し

たかったんですよ」
「流石ゲマ様」


【一日目・午前10時30分/ホンジュラス】
【ゲマ@ドラゴンクエスト5】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]不明
[思考]基本:光の教団の再興、そのための参加者の皆殺し

【ジャミ@ドラゴンクエスト5】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]不明
[思考]基本:光の教団の再興、そのための参加者の皆殺し

【ゴンズ@ドラゴンクエスト5】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]不明
[思考]基本:光の教団の再興、そのための参加者の皆殺し
最終更新:2008年11月15日 12:28