日本脱出のタイムリミットが迫る中、咲夜と先生はヘリポートに向かって走っていた。
ヘリポートには、先程咲夜が電話で手配しておいたヘリとパイロットが待っている。
そこまで行けば日本を脱出できる。2人は間に合わせるために懸命に走る。
そんな彼女たちの前に、ふらりと怪しい男が現れた。つばの広い帽子をかぶり、仮面をまとった小柄な男だ。
「そこのお二方、このドットーレのお手玉を見ていきませんかね?」
「ああ? 何言っとんねん、おっちゃん。そんなもん見てる暇は……」
容赦なく断ろうとした咲夜だが、その言葉が途中で止まる。
ドットーレと名乗った道化師がお手玉しているものが、人間の生首だと気づいたからだ。
そのグロテスクな光景に、咲夜は気を失ってしまう。
「おやおや、失礼。お嬢さんには刺激が強すぎたかな?」
「君は……何が目的だ!」
自らも強い嫌悪感を覚えつつも、先生は気丈に振る舞う。
「たいしたことじゃない。我々には人間の血が必要でね……。日本を出る前に君たちからもらっておこうかと」
「ふざけるな!」
ドットーレに対し、先生は
金属バットを振り下ろす。だがそのバットはあっさり空を切り、直後に先生の体を激痛が襲った。
「馬鹿が! 自動人形は武器を持った人間相手なら本気が出せるのよ!」
文字通りに目にも止まらぬ速さで動きながら、ドットーレは帽子に仕込んだ刃物で先生を切り刻んでいく。
先生は闇雲にバットを振り回すが、まったく当たる気配がない。
「わからんな……。そんなボロボロになってまで、なぜ戦う、人間」
「教育者として……私には若者を守る義務があるからだ!」
全身をズタズタにされ、背広を血に染めながらも先生は力強く叫ぶ。
「私には理解できない理由だよ。まあいい、そろそろとどめだ!」
先生の首を切り落とすべく、帽子を構えるドットーレ。だがその刃が先生の喉を切り裂く前に、彼の体は巨大な拳型のオーラに飲み込まれた。
◇ ◇ ◇
江田島平八が騒ぎを聞きつけて駆けつけた時、そこには中年の男を一方的になぶる道化師の姿があった。
どう考えても、道化師のほうが殺人者にしか見えない。しかも、やられている方の男は自分と同じ教育者らしい。
どちらを助けるべきは、自ずと明らかだ。
だが問題は、放送で定められた「戦闘への介入禁止」という忌々しいルール。
中年の男が抵抗を続けている以上、これは戦闘ということになってしまう。
最初は彼に呼びかけて抵抗をやめさせれば、戦闘は終わると考えた。
だがよく考えてみれば、呼びかけた時点で戦闘への介入となり禁止行為に抵触してしまう。
ならばこのまま見過ごすしかないのか。否。男塾塾長である自分が、あれほどの熱意に満ちた教育者を見捨てることなど出来ない。
彼を救うために、この命捨ててやろう!
「千歩気功拳!!」
右の拳から、必殺の一撃を飛ばす。そのオーラがドットーレに命中した瞬間、江田島の首は吹き飛んだ。
だがその顔は、満足そうに笑っていた。
◇ ◇ ◇
先生は、何が起きたのか理解できていなかった。
わかるのは自分を襲っていた道化師が木っ端微塵になったことと、その後ろで誰かが首輪の爆発により死んだことだけだ。
(ひょっとして……。誰かが自分の命を犠牲にして私を助けてくれたのか……?
だとしたら、なんとありがたいことか……。助けられたこの命、無駄には出来ない。
必ず、彼女を日本から脱出させてみせる!)
まだ目を覚まさない咲夜を抱え上げ、先生は再び走り始めた。
【一日目・20時30分/日本・東京】
【愛沢咲夜@ハヤテのごとく】
[状態]失神
[装備]キーボード
[道具]ハリセン、支給品一式
[思考]日本を脱出する。
【
先生@ドラえもん】
[状態]全身に無数の切り傷、出血多量
[装備]金属バット
[道具]支給品一式×2
[思考]未来ある若者(マーダー及び外道以外)を日本から脱出させる。
1:出来れば自分も日本から脱出する。
【ドットーレ@からくりサーカス 死亡】
死因:千歩気功拳
【江田島平八@魁!!男塾 死亡】
死因:禁止行為抵触による首輪爆発
最終更新:2008年12月31日 18:39