「ゆっくりわかった!」
「えっ!?なんですか?」
突然聞こえた子供の声にみくる達は思わず振り返る。
そこには一匹の黒い帽子を被った饅頭
みたいな生物がいた。
その生物、ゆっくり魔理沙は春香の亡骸を噛んだのだ。
「お前一体何を・・・・・・」
「任天堂ではないなら容赦はしないぞ!」
ゆっくりの行動に対し殺意をあらわにするオメガモンと
マリオ。
無理もないだろう、ゆっくりが今していることは、
これから弔うという死者に対しての侮蔑であるのだから。
「落ち着きなよ二人とも、ちゃんと見て」
そんな二人をマリオの弟であるルイージが宥める。
するとゆっくりは春香の体からもう一人の南春香を引き抜いたのだ。
とは言ってもその春香は彼女の亡骸よりも色が薄く、今にも消えてしまいそうだ。
そしてゆっくり魔理沙は透明である南春香を引っ張って、空の彼方へと飛び去ってしまった。
後に残ったのは南春香の遺体・・・・・・ではなく一本の剣だった。
「これは水竜剣か・・・・・・彼女の力の欠片だろう。 これはみくるさん、貴女が持っていてほしい」
「わかりました!」
「ということはまさか」
「スクエアエニックスの株はすでに買収しているよ」
「マンマミーア」
「でもなんだったのでしょうか今のは・・・・・・」
「ゆっくりというのは個体名じゃない、ゆっくりという種族の名前なんだ。
彼女達の中には誰かに飼われているものもいるんだ」
「それはわかった、だがそれと今の出来事の何が関係しているんだ?」
やけに説明的な口調のルイージに対し疑問の意を示すマリオ。
次に彼から返ってきた返事はやけにそっけなく、それでいて突拍子もない内容だった。
「だから閻魔様にでも飼われてたんじゃないの?」
薄暗い、永遠に光が差すことのない空、そこに一人の少女が立っていた。
自分が何故こんなところにいるのか、そんなことを考えながら彼女は黄泉の景色を眺める。
「この景色、まるで地獄ね・・・・・・」
まるでとは言っても彼女のイメージ的なことでしかないのだが、この場所は彼女のそれにあまりにも当てはまりすぎていた。
前に広がる景色は黒く濁った空に荒廃した荒地が広がっているだけ。
背後にはローブを纏った骸骨がボートの先頭に立っていて、
そこから少し太めの一家の大黒柱のような男や、白髪だが筋骨隆々の男、
ツルっぱげでいて袴を羽織ったこれまた筋骨隆々の大男がいるではないか。
他にも様々な人がいるが皆、顔色は良くない。
「私もあそこから来たのね・・・・・・ん?」
己の死を確信した少女はボートから降りる人々の群れの中に群を抜いて小さな影を発見する。
その影は大柄の男、今頃の女子校生、ボートへ逆走している糸目の男や中年の主婦、
実に様々な人々の後ろ、横に隠れるようにして進んでいた。
「ちょっと君」
気になってしまった少女は次の瞬間小さな影、いや少年の腕を引っ張っていたのだ。
その齢、僅か5,6といったところか。 少女にも二人の妹がいるのだが、その小さい方よりもずっと幼い。
少年は自分を引っ張った少女の顔を見るなり涙に濡らしていた顔を文字通り蒼白に染める。
今の彼の表情ほどこの黄泉の旅路に相応しいものは存在しないだろう。
「どうしたの? お母さんとはぐれてしまったの・・・・・・?」
そんな少年を少女が心配にならないはずがなかった。
腕を振り切ろうとして少女から離れようとするがそこは体格差、
いくら男とはいえ5歳の園児に17、18になろうとする女子高生に勝てるはずもない。
観念したのか、少年は少女に全ての事情を話し始めた。
「実は僕、貴女を殺してしまったんです」
まるでテープレコーダーかのように話される内容に一瞬驚く少女であったが、
弱々しい少年の表情を見るなりすぐさま真剣にその話を聞く。
「本当は・・・・・・あんなことするつもりなんてなかった・・・・・・あのロボットに乗ってからおかしくなっちゃったんです・・・・・・」
「もういいのよ、きみが反省しているなら私、もう怒ってないから」
「
ごめんなさい、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!」
己の犯した過ちの全てを告白した少年は少女の胸の中で泣き始める。
そんな少年を母のごとく優しい微笑みで抱きしめていた。
「気は済んだか?」
「え?」
上方から放たれる野太い声に思わず少女達は振り返る。
そこには彼女達の想像を絶する存在がいた。
己の身の丈を遥かに凌ぐほどの巨体で、全身が骨でできており、
右腕には巨大な鎌を持ち、下半身は馬のような四本足をしている。
ボートにいた骸骨などとは格が違う、地獄の王が立ちふさがっていたのだ。
骨の奥から光る眼光に少年は完全に怯えてしまい、少女の彼を抱きしめる力を強めた。
「そこまで警戒しなくともよい。 ただ貴様らがあまりにももたもたしているからな、部下達に運んでもらった」
「「「「「「ゆっくり運んだんだからね!」」」」」」
「ゆっくり魔理沙!」
自分達を運んだというファンシーな物体達に思わず少女は感動の声を上げる。
憎くも愛らしくもしている饅頭だが、少年のほうは後ろめたいようだが。
そして辺りを眺めると屋敷の大広間みたいな空間になっているではないか。
さしずめここはこの死神、と形容するしかない骸骨の部屋なのだろう。
「さて貴様ら・・・・・・と思えばそこの娘、よく見れば水竜の力を継ぎし人間ではないか」
「それがどうしたの?」
存在するだけで発される絶対的な威圧感に耐えて少女はできるだけ強く言い返す。
死神は深くため息をついていた。
「お前のようなものまで死ぬとなるとな・・・・・・これは現世において想像以上に異変が起きてるということか」
まるで残業が増えるサラリーマンのごとく肩を落とす死神。
突然だがこの死神、冥府の王であり、死を司る邪神、デスというものである。
かつては弟であるサルーイン、妹のシェラハとともに世界を荒らしまわったが、光の神とは和解した。
故に邪神といっても悪ではなく、神々に置いては中立の立場をとっており死んだ魂の後始末をしている神なのだ。
「「「「「「デス様の代わりに私達が話すよ! ここは死んだ魂が来る場所なんだよ!
だからデス様は魂を管理しているんだよ! デス様は最近仕事が増えて少しダルくなったんだって!
ちなみにさっきのボートから現世に戻れるよ!」」」」」」
「現世に・・・・・・戻れる・・・・・・?」
「生き返れるの? 僕達・・・・・・」
大量のゆっくりの台詞の最後部分だけ敏感に反応する少女達。
無理もないだろう、彼女達には遣り残したことがあるのだ。
あの人に会いたい、あの人を助けたい、あの人に謝りたい・・・・・・
生への執着が人と人を結び、それが物語を作ってきた。
死の王デスは、その物語の中で散っていった数多の魂を見てきたので、彼女達の気持ちを察することは容易である。
だが死んだ者は精霊となって草木、人、動物、あらゆる生命へと生まれ変わる、それが輪廻転生。
それを美学としているデスは、一度命の灯火を消した魂が同じままで蘇るという自然の摂理に大きく反した行為をあまり好かないのだ。
だからデスは生き返れるとはいえ、生き返っていった魂をただ見送るだけ。
そして今も摂理を破ったものが一人。
「ぼく謝ってくるよ! ママに、ともだちたちに!」
「あ、トオル君!」
幼き少年は無垢な心であるが故に迷いがなく、ただ己の欲望のまま現世の道へと向かって走り始める。
後に残されたのは竜の力を受け継いだ少女だけ。
「私も千秋や朝比奈さん達に・・・・・・」
「待て」
死の王は一言そう放つ。
それだけだが声は威厳に満ちており、少女を黙らせた。
それに負けずと少女は自分を止めたデスを軽く睨み、空気が凍りつく。
沈黙が支配するのも一瞬、デスは言葉を紡ぐ。
「生ある者に会いに行くことを止めはせん。 だが既に貴様は死んだ身、同じ境遇の者達に会いに行ってみたらどうだ?」
黄泉還るのはそれからでも遅くはない。 デスはそう付け加えた。
「君もここにきちゃったんだね」
「武藤くん!」
扉を開けた少女、南春香は歓喜した。 なんかどっかから『春香姉さまが死んでしまっただとぉぉぉぉ!!??』
という男の声が聞こえてくるけど気にしない。 その直後銃声が聞こえたけど気にしない。
何故なら春香の心は喜びに満ちており、他のことに構う余裕などなかったからだ。
「あまり単独で頑張っちゃ駄目・・・・・・」
「一人で抱え込んじゃ駄目だって。 私みたいに信頼できる人生のパートナーと一緒じゃなきゃ」
「長門さん!朝倉さん!」
「よう! それよりかがみ見なかったか? お前が来たと聞いて『レイ○してくる』って言って飛び出していったんだが・・・・・・」
「6/さん! いえ、柊さんとは会わなかったわ。 ほとんどゆっくり達に乗ってきたから・・・・・・」
「なんじゃそりゃ。 まあもしかしたら復活しているかもな、
アナゴのやつも現世を魂の状態で彷徨ってるらしいし」
「そうなんだ・・・・・・」
死んでも相変わらず変わってないことに半分あきれてしまう春香。 そこに一つの足音が聞こえてきたのだ。
「本命が来たようだぜ?」
「え?」
足音が近くなり、春香達に近づいてきた人影がはっきりとする。
そこに見えた長身の男をみるなり彼女は目を見開いた。
重力を明らかに無視した白い服を纏い、デュエルモンスターズのカードを象ったペンダントをつけ、
傍若無人な面構えで大地を踏みしめる青年、
海馬瀬人である。
海馬は春香の顔を見てふぅんと笑った。
「俺が渡したブルーアイズと貴様の竜の力を使えばあの程度の餓鬼が乗ったポンコツ如きどうにでもなるものを・・・・・・おい、何をする」
海馬が最後まで言葉を続けることはなかった。
何故なら彼が話している最中に南春香が胸に飛び込んできたからである。
「海馬くん・・・・・・会いたかったよぉ・・・・・・」
海馬が目下の少女に目を向けると彼女のすすり泣く声が聞こえてくる。
服が涙で濡らされて肌まで浸透してゆく。 なのにも関わらず彼の胸の中の少女は激流のごとく涙を流し続けていったのだ。
「ふぅん、好きにするがいい」
「すげぇ・・・・・・あの春香があそこまでデレるなんて・・・・・・」
「だから言ったでしょ、あーいう一家の長女ってのは甘えを求めているんだって」
「そっかー、春香のやつ結構大変だったんだな。 うちは両親が外で働いて家に帰ってないからな」
物陰からニヤニヤと傍観しているツインテールの少女とアホ毛の青髪の少女がいたのだった。
「そういえばさ、あんたは行かなくていいの?」
「あーいいのいいの。 もうちょっと春香のデレ顔見たいから」
「以上が実験結果よ、アカギ」
「そうかご苦労」
シックスから受け取った書類を眺めながらモニターを見る。
そこには見覚えのある剣と化したかつての仲間と彼女の知り合い達がいた。
それは置いといて少年の方だ。
彼はシックスの作った装置のとおり狂ってくれた。
シックスの作った装置というのは参加者の思考をマーダー化するものであり、
殺し合いを避けてるだけのつまらない一般人程度ならあの小僧みたいにマーダーの出来上がりだ。
もっともこの装置は強い意志を持つ者には効果がないらしく、千秋もマーダーキラー化するだけに留まった。
その千秋も子供である影響の受けやすさとアンデルセンの教えも重なってのことだ。
まともな対主催にかけたって意味はないだろう。
「ねえアカギィ・・・・・・いつまでもそんなの見てないでみんなとショッピングに出かけましょ」
「あぁそうだな・・・・・・」
彼女に適当に返事をして立ち上がる。
そしてモニターの奥で物と化したかつての仲間に対してせめてもの黙祷を捧げる。
(お前は中々愉しませてくれたよ・・・・・・退場してしまったなら死者スレとかいう見学席で・・・・・・あの饅頭なりに言うならゆっくりしていってね!・・・・・・柄でもない)
【一日目・21時10分/スウェーデン】
【マリオ@スーパーマリオ】
[状態]健康
[装備]ニンテンドー64(こなたの支給武器)、スーパーマント
[道具]ゲームボーイカラー、支給品一式×2
[思考]基本:マンマミーアァァァァァァァァァァ!!!!!!
1:殺し合いを終わらす
【オメガモン@デジモンクロニクル】
【状態】X抗体、中程度のダメージ
【装備】ガルルキャノン、グレイソード
【道具】不明
【思考】基本:みくるは俺の嫁、みくるを守る
1:殺し合いに乗ったもの(=秩序を乱す者)をデリートする
2:助けを求めているものを助ける
※本家島根のオメガモン(アドベンチャーのやつ)とは別個体です。
【ルイージ@スーパーマリオ】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】バンダイの株券、マリオの預金通帳、その他不明
【思考】基本:他会社を買収して任天堂キャラを増やしてついでに殺し合いを終わらす
【
朝比奈みくる@ハルヒ】
[状態]健康、オメガモンに拉致られた
[装備]水竜剣@ロマンシングサガMS
[道具]不明
[思考]基本:殺し合いには乗らない
1:春香の意思を継ぐ
最終更新:2009年01月02日 00:37