「ルドルフより各機へ、北海道上空に乱気流が発生中。注意せよ」
「ダッシャー、了解」
「ダンサー、了解」
「プランサー、了解」
「ヴィクセン、了解」
「コメット、了解」
「ドンダー、了解」
「ブリッツェン、了解」
猛吹雪の中、六台のソリが北海道本島に向かって飛行していた。
彼らはサンタのソリを引くために集められた選りすぐりの精鋭トナカイ部隊である。
赤鼻のルドルフを隊長とし、幾度となくクリスマスミッションを成功させてきたのだった。
なお彼らの配置は
一番機 ルドルフ:サンタクロース村村長
二番機 ダッシャー:サンタA
三番機 ダンサー:サンタB
四番機 プランサー:サンタC
五番機 ヴィクセン、コメット:サンタD
六番機 ドンダー、ブリッツェン:サンタE
である。
「今年のミッションは例年とは何かが違う」
「大丈夫だぜ隊長! 冷戦時代に比べたらこの程度」
「あの時は領空侵犯した戦闘機に間違えられ、追いかけられるなんてザラでしたもんね」
「ドンダー、追いかけられるなんてまだマシだ。俺なんかミサイル撃たれたんだぞ!」
「ダッシャー、ドンダー、過信は己の死を招く。油断は禁物だ」
「すみません隊長」
もうすぐ自衛隊のレーダー網に差し掛かる頃だ。ルドルフは部下に高度を下げるように指示する。
「……おかしい、自衛隊のレーダーが稼動していない
トナカイ達は人語が理解できないので日本がバトルロワイアル法案によって地獄と化していることがわからなかったのだ。
「各機、状況を報告せよ」
隊員達は自らの状況を報告する。すべて異常なし……のはずだった。
「二番機、応答せよ。ダッシャー?」
ダッシャーの応答が無い。まさか彼の身に何かが?
「ダッシャーよりルドルフへ、すまないトラブル発生だ」
「どうしたダッシャー?」
「俺のソリの防寒装置が故障していた。そのせいでサンタAが凍死しやがった」
「任務への影響は?」
「大丈夫だ隊長」
「そうか、任務を続行する」
早くも死亡者を出してしまった。
さっきまで軽口を叩いていたトナカイ達も今は得体の知れない異常さを感じていた。
ルドルフは思う、今年のクリスマスは全員生還できるのだろうか。
【北海道上空
二日目 20:30】
【トナカイ隊@フィンランド】
〔状態〕:ダッシャー機に不具合発生
〔装備〕:ソリ
〔道具〕:サンタクロース、プレゼント
〔思考〕:各機警戒を怠るな
【サンタA@フィンランド 死亡確認】
最終更新:2006年12月24日 17:55