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いった~…一体何ですの? 全く、何でいつもいつもこんな目に…」
ドスファンゴの上から放り出された少女はそう一人ごちた。
幸いにして落ち葉等がクッションになってくれたお陰で服が少し汚れた程度で済んだ。
「あ~っと、とりあえず無事か? 派手にぶっ飛んでいたけどな。」
漸く我に返ったカエルは少女に声を掛けた。
「え、ええ。とりあえずは怪我もありませんわ。ありがとう。」
それに対しカエルが喋ったことに若干引きつつも少女は返事をした。
「ふん、興醒めだな。おい、そこのカエル、勝負は預けたぞ。」
一方、セイバーオルタ(以下オルタとさせてもらう)はやや不機嫌気味にそう答え、立ち去ろうとした。
が、しかし、

ぐ~きゅるるるる~

少女はカエルを見て、カエルは首を横に振った。
そして、二人同時にオルタを見やった。
「…腹が減った。何か食わせろ。」
…何処と無く歯切れの悪い返事だった。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

「さて、一体どうしてお二人は決闘をなさっていたのですか?」
とりあえず、先ほどのドスファンゴを捌いて食事にすることにした三人はお互いの状況を話すことにした。
既にドスファンゴは骨と化している。
まあ、誰がこんなになるまで食べたかは言わずもがなであるが。
「俺はさっぱりだな。仲間を捜して歩いていたら突然襲ってきやがったんだよ、そいつが。」
カエルがじと目でオルタを見る。すると、オルタは悪びれもせずに、
「腹が減っていて、目の前を食料が通りかかったから獲ろうとした。当然のことであろう?」
などとのたまった。

んだと!? 貴様、人のことを食料扱いしてたのか!?」
「何を言っている? 貴様は蛙であろう? 十分食料たり得るではないか。」
「ふざけんな、大体支給品にあった食料はどうした!? あれだって結構量あったんだぞ!?」
「あの程度の量で足りるわけないであろう。それよりも煩い。そろそろ食料は黙れ。」
「この…言わせておけば…」
「ほう、この場でやるか? そのときはこの場に一品目食事が増えることになるがな。」
そうしてお互いに武器を持とうとした瞬間、
「いい加減になさい!! そのような低レベルな喧嘩はおやめなさい!!」
スパーン、スパーンと快音を響かせて「ぐらんどりおん」が二人の後頭部を直撃した。

「それで、食事はこれで終わったのですが、この後お二人はどうするのですか?」
「ぐらんどりおん」を持ちながらイライラした様子で少女は質問する。
因みに叩かれた二人は、正座をさせられている。
「俺は仲間と、自分の剣を探す。何よりもこんな殺し合いなんてさっさと終わりにしたいものだ。」
「私は剣を探して帰る。元よりこんな戯言に付き合う気は無い。」
二人はそれぞれの方針を少女に告げた。
「で、質問に答えたからにはこちらからも聞かせてもらう。貴様はどうするつもりだ?」
オルタは少女に問う。
「そうですわね…家に帰るのも良いですけど、折角外に出てきたのですし、美味しいものを沢山食べる事にしてますの。」
「何だと?…それは本当か?」
「え、ええ、野生の生物を狩猟してそのお肉を焼いて食べたりしてますの。このマントも獲った獣の毛皮のものですわ。」

少女の返答に必要以上に食いつくオルタ。
カエルが「…この暴食魔神が。」とぼやいたがそれもスルーしている。
「…そう言うことなら手伝ってやるのも吝かではない。感謝するがいい。」
「いえ、ですが…ワカリマシタ、オ願イ致シマス。」
「何をやってるんだ、お前ら…」
断ろうとした少女を戦闘時よりも殺気を込めた睨みで黙らせるオルタ。隣で呆れ果てるカエル。
「はぁ…付き合いきれん。俺は行くぜ。」
そうしてカエルは立ち去ろうとしたが、
「何処へ行く? 貴様には獲物を狩る役目と非常食として来てもらう。反論は認めん。」
「ハァ!?!? ふざけんな、俺は貴様と馴れ合う気はない!! っていうか人のことを何だと思ってやがる!!」
「でも、一緒に来るメリットはありますわよ? 私には「足」がありますから。」
「やっと見つけた! お怪我はありませんか?」
三人で話していると、ラーミアが少女のすぐ横に降りてきた。
「紹介しますわ。私を乗せて頂いているラーミアですわ。」
「ほう? 幻想種か。確かに足には丁度良いな。」
「…鳥が喋った? どうなってんだ?」
「ラーミア、これから彼らも同行することになりますわ。よろしくて?」
「わかりました。今すぐ出発いたしますか?」
「ええ、そうして頂戴。」
「おい、俺の意思はどうなってるんだ!?」
「そんなもの肥溜めにでも捨てておくが良い。さっさと行くぞ。」
オルタはカエルを引き摺ってラーミアの所に行こうとするが、カエルは舌を樹に巻きつけ抵抗している。

すると、少女がカエルの元に歩いてきて、
「おじ様、どうしても付いて来ては下さらないのですか…?」
と、斜め45度上目遣いで、涙目で頼み込んだ。
「ああ、もうわかった!! 付いて行ってやるから泣くんじゃない!!」
カエルはそっぽを向いて半ばヤケになって答えた。すると、
「ふふっ、感謝いたしますわ、おじ様。」
と、一転して意地の悪い笑みで返された。おまけに、
「…貴様、ロリコンの気でもあるのか?」
「断じて違う!!! ああ、くそ、何でこうなるんだ!! 教えてくれサイラス!!」
と、きつい精神攻撃を喰らう羽目になった。
「それじゃ、火を消して…って水がありませんわね。貴方達は持っていらして?」
「いや、水は全部飲んだ。私は持っていない。」
「…ったく、しゃあねぇな。俺が消してやるよ。」
そうしてカエルは両腕を空に掲げ、何やら呪文を唱えだした。
すると、カエルの周囲に水が発生して、巨大な水泡を形成した。
水泡はゆっくりと焚き火の上に近づいて、

パァァァァァァン!!

高い音を立てて破裂した。
すると、破裂した勢いで薪がはじけ飛び、大量の水が降り注いだ。
本来、敵を倒すための魔法なのでかなりの威力があるの言うまでも無い。
「終わったぜ。ん? どうしたお前ら?」
少女とオルタは顔を見合わせ、
「…もう水汲みは要らないな。」
「そのときはお願いしますわ。」
とのたまった。
「俺は便利屋じゃねぇんだぞ、コノヤロー!!!」
カエルの叫びは虚しく響いた。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


ラーミアに乗り込んだ三人は今後どうするかを話し合うことにした。
因みにオルタは少女の持ち物に色違いの黒いゴスロリドレスを見つけ、それに着替えている。
少女と並ぶと傍から見れば姉妹に見えなくも無い。
「そういえば、まだ名前を聞いていない。呼ぶのに不便だ、教えろ。私はセイバーだ。」
「…俺の名は「貴様はカエルで充分だ」ふざけんな!!」
少女は考え込んでいた。
此処で名前を言って、もし家元に連絡が行けば、強制的に連れ戻されるだろう。
ならば、此処で名乗るべきではないが、確かにこうなった以上、呼び名が必要だ。
「私は事情があって名前を名乗ることができませんの。ハンターに依頼をする時の通り名で宜しければ言いますわよ?」
「ああ、それでいい。で、何ていうのだ?」
「「食道楽を究めた貴婦人」と言うのが通り名でしたわ。」
「長い。…仕方が無い、呼び名はこちらで考えることにしよう。」
オルタはそう言うなり考え始めた。
「…さっき邪魔が入ったが、俺の名前はグレンだ。まあ、好きに呼んでくれ。」
「安心しろ、どうせカエルとしか呼ばん。」
「テメェは黙ってろ!!」
「二人とも、そんなに暴れるとはじき飛ばしますわよ? 狭いんですから大人しくしてくださいます?」
再び「ぐらんどりおん」を取り出す少女。黙り込む二人。
「それから、お二人は料理はお出来になって? 今まで焼く一方だったのでそろそろ普通の料理が食べたいですわ。」
少女がそう言うと二人は首を振って、
「悪い、俺は料理はからきしだ。」
「料理は他に任せていた。私には作れない。」
「そうですか…では、知り合いに料理を作れる方は?」
「マールは無理だろ…ルッカもできねぇだろうな、多分。重ねて悪い、知り合いにも居ない。」
「ふむ、料理を作っていたのはシロウ、リン、サクラ、アーチャーの四人だ。」

オルタが衛宮家関連の料理人集団の名前を挙げると、少女の目が光った。
「その中で誰の料理が一番おいしいのです!?」
「私が好きなのはシロウのだが、確か死んでいたな。と、すると次はアーチャーか。」
「アーチャーさんですわね。では彼を捜しに行くということで宜しいですわね?」
「良い判断だ。あれは剣を投影できる上に、弓も上手い。戦力にもなる。」
「その方の特徴は?」
「紅い外套に白い短髪、褐色の肌で長身だ。見れば大体は分かるはずだ。」
「分かりましたわ。ラーミア、まずはアーチャーを探しに行きましょう!! 私たちの食事のために!!」
「わかりました。では速度を上げます!」
拳を上げて時の声を上げる少女。それに腕を組んで頷くオルタ。割とノリノリのラーミア、そして、
「こんの似たもの暴食シスターズが…」
かなりやさぐれたカエルは一路西へと飛んでいった。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

「ああ、そうだ。良い呼び名を考え付いた。」
「あら、どういう呼び名ですの?」
「ユエル。綴りはYUELだ。」
「…確かに良い名前ですけど、何か含みが、しかも貴女にだけは言われたくないものがあるのは気のせいかしら?」
「気のせいだ。」
「良かったではありませんか。これで漸く私も名を呼べます。ユエルさん。」
「ユエル、か。憶えておく。」

此処で読者に種明かしをしよう。
少女――ユエルが感じ取った含みがあると言うのは正しい。
何故ならYUELとは、

You are Ultimate Eater Lady(あなたは究極の食婦人)

と言う造語の大文字に当たるアルファベットを取ったものである。
そりゃ、セイバーやオルタには言われたくないですな。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


二日目 午後12時45分/ドイツ】


【ユエル(元:食道楽を究めた貴婦人)@モンスターハンター ポータブル 2ndG(以下MHP2G)】
[状態]健康、腹八分目、見た目9歳
[装備]シエロツール、覇滅弓クーネレラカム@MHP2G、
   ムックルの毛皮で作ったマント、白ゴスロリドレス
[道具]肉焼きセット、桃太郎印きび団子、その他
[思考]基本:様々な肉を食べる
     1:次の得物を捜す
     2:アーチャーを捜す


【ラーミア@ドラゴンクエストⅢ】
[状態]洗脳、健康
[装備]無し
[道具]不明
[思考]基本:ユエルに従う
     1:アーチャーを捜す
     2:主人の名前を呼べてうれしい
     3:…?何かおかしいような気がする??

【セイバーオルタ@Fate/stay night】
[状態]健康、意気揚々
[装備]金属バット「えくすかりばぁ」
[道具]支給品一式
[思考]基本:本物のエクスカリバーを探す、ユエルに協力する
     1:アーチャーを捜す
     2:カエルをしっかりとこき使ってやる


【カエル@クロノトリガー】
[状態]健康、やさぐれ
[装備]ハリセン「ぐらんどりおん」
[道具]支給品一式
[思考]基本:他の仲間を捜す、本物のグランドリオンを探す、ユエルに一応協力
     1:アーチャーを捜す
     2:テメェらいい加減にしやがれ!!
     3:何でこんなことに…教えてくれサイラス…
最終更新:2009年02月26日 01:46