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「おい、ぼのぼの、見るなよ!! 」
「う、うん、アライグマくん」
ぼのぼのは目をつぶり、アライグマは呆然とその光景を見ていた。
目の前には、首の無い四つの死体。学校の校庭らしいそこには、血の匂いが満ちていた。
(オヤジ……人間って、仲間でも平気で殺せるのかよ? )
かつて父親に聞いた街のようすとはあまりにかけ離れた目の前の状況に、アライグマは言葉を失った。
「ねえアライグマくん、もしかしてシマリスくんももうこんな風に」
「馬鹿野郎!! くだんねえこと言ったらぶん殴るぞ!! 」
この殺し合いが始まったその日に、シマリスは森から姿を消した。
彼を探すために、危険を承知で森を出た。
しかし、人間の世界で行われていたのは予想以上のことだった。たかが森の餓鬼大将だったアライグマには、
到底理解し得ないような。
とにかく、いつまでもここにいるわけにはいかない。朝までには、どこかで休憩を取らなくては。
「ア、アライグマくん、あれ……」
「な……」
そして、アライグマは見た。
それは、彼がよく見慣れているもの。でも、それがここにあるはずが無い。
だってそれは、あいつがいつも持っていたもので、今回の殺し合いであいつに支給された武器。
「あれって、シマリスくんのクルミ……」
「馬、馬鹿いってんじゃねえ!! ぶっとばすぞ!! 」
アライグマは、血にまみれて真っ赤になったそれを凝視した。
四人の少女は、いずれもクルミで首を刈り取られている。
そんな芸当が出来るのは、よほどクルミの扱いに精通したもの。
「まさか……あいつに、人殺しなんか出来るわけが……」
「そこのお二方」
「ひいいっ!! 」
突然の声に、ぼのぼのは大仰な仕草で飛びのいた。
アライグマが振り返ると、そこには鎧に身を包んだ金髪の少女がいた。
ぼのぼのを背中にかばいながら、アライグマはスペツナズナイフを構える。
「な、なんだあんた!! 」
「突然驚かせたことは謝罪します。しかし、私はあなた方に敵対する者ではありません。
どうか武器を納めていただきたい」
「あ、あんたがこれをやったのか? 」
アライグマは、目の前に転がる四つの死体を指差した。
「いいえ。この四人を殺した犯人はまだ側にいるはずです。あなた方は大声で喋っていたので、
危険だと思い警戒を促すために声をかけました」
「そ、そっか」
「おねえさん、どうもありがとう」
素直に頭を下げたぼのぼのに倣って、アライグマも礼を言う。
「あ、あんたは知ってんのか? これをやった奴を」
「ええ。私が駆けつけた時には、ちょうど彼は逃げるところでした。
彼の名はシマリス。小動物ながら、残忍かつ狡猾な殺人犯で、これまでにも幾度か人を殺しています。
あなた方も十分に注意を……」
どすん、と。
スペツナズナイフを落とした音に続いて、アライグマが尻餅をつく音。
ぼのぼのは、まるで肉親の死を聞いたかのように呆然としていた。
その様子を見て、少女、セイバーも事情を察したようだった。
風が血の匂いを運ぶ校庭で、二匹の動物は目尻から涙をこぼした。




「そっか、あいつ……俺たちを守ろうとして」
セイバーから聞かされた話は、アライグマにとってはあまりに酷な話だった。
あいつは結局、自分たちの身代わりに殺人鬼なんかになってしまったのか。
「アライグマくん、行こう」
先にそう言ったのは、ぼのぼののほうだった。

「ぼのぼの……? 」
「僕、シマリス君と会わなくちゃ行けない。会って、いっぱい話したいことがあるんだ」
涙で塗れた顔で、彼はそう告げた。その決意に、アライグマも
「そうだな。俺もあいつに会って、三百回ほど殴ってならねえと気が済まない。
あいつに、自分がやったことを後悔させてやるんだ。だから、」

だから、会いに行こう。

「それが、あなた方の結論ですね? 」
セイバーは、二匹の動物に問う。
「ああ。あいつは、俺たちの友達だ。絶対に目を覚まさせてやる」
「いいでしょう。その結論は、きっと是非を問えるようなものではありません。
しかし、この誰が誰を殺すかもわからない状況下であなた方動物たちだけで行動するのは危険です。
私ごときでよければ、探し人ついでに同行いたしますが」
「ああ、そりゃ有り難いけどよ、俺たちなら大丈夫だぜ? 俺にはこのナイフがあるし、ぼのぼのだって、な」
アライグマは、ぼのぼのの脇の下の皮膚をひっぱって見せた。
いつもは貝が仕舞われているそこには、スタンガンが仕込まれていた。接近戦では意外と有効かもしれない。
「だからよ、あんたも自分の探している奴を一人で探したほうがいいぜ」
「……わかりました。どうか、ご武運を」
「あんたもな」

そして、二匹は歩き始めた。
もう泣きはしない。
会わなくてはいけない者がいる。止めなくてはいけない者がいる。
友達との再会を目指して、二人の苦難の旅が始まった。



【東京都郊外 某高校 二日目 23:00】
【アライグマ@ぼのぼの】
[状態]:健康
[装備]:スペツナズナイフ
[道具]:支給品一式
[思考]
1:シマリスを探し出して、どつく。
基本方針:殺し合いには乗らないが、攻撃されれば反撃する。

【ぼのぼの@ぼのぼの】
[状態]:健康
[装備]:スタンガン
[道具]:支給品一式
[思考]
1:シマリスを探し出す
基本方針:殺し合いには乗らないが、攻撃されれば説得する。

【セイバー@Fate/stay night】
[状態]:被爆
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]
1:知り合いを探す
基本方針:殺し合いに乗る気は無いが、攻撃されれば反撃する

【滝野智@あずまんが大王 死亡確認】
【水原暦@あずまんが大王 死亡確認】
【榊@あずまんが大王 死亡確認】
【神楽@あずまんが大王 死亡確認】



最終更新:2006年12月28日 21:44