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ここは北朝鮮の病院。愛沢咲夜と十六夜咲夜の二人の咲夜は、重傷を負った先生をここに運び込んでいた。
先生の負傷はかなりひどいものだったが、メイドとして完璧な能力を持つ十六夜咲夜の治療によって一命は取り留めていた。

「なにからなにまですまなかったな、咲夜くん。君がいてくれて本当に助かった」
「礼ならいらないわ。気まぐれでやったことだから」

深々と頭を下げる先生に対し、咲夜は素っ気なく答える。そして先生に背を向けると、病室のドアに向かって歩き出した。

「あの……もう行ってしまうん?」

咲夜の背中に、もう一人の咲夜が語りかける。だが、咲夜の足は止まらない。

「私には、お嬢様を捜すという目的があるの。悪いけど、いつまでもあなた達にかまってはいられないわ」
「せやったら、うちらもそのお嬢様を捜すの手伝うから……」
「気持ちはありがたいけど……。なんの能力もない人間と怪我人なんて、足手まといにしかならないわ。申し訳ないけど、ここでお別れよ」

なおも何か言おうとする愛沢咲夜だったが、それすら許さず十六夜咲夜は病室を出て行った。


◇ ◇ ◇


「さて、そろそろ出てきたらどう?」

病院を出た直後、咲夜はおもむろに振り返ってそう言った。
すると、物陰から咲夜と同じくメイド服を身につけた女性が姿を現す。

「気づいていましたか、さすがですね」

姿を見せたメイドは、額に汗を浮かべつつも不敵な笑みで言い放つ。

「そりゃあ、あれだけ敵意をぶつけられたらね。
 別れたあと怪我人じゃなくて私を狙ってきたところを見ると、単純に殺し合いに乗っているわけじゃなさそうだけど……。
 何か私に恨みでもあるわけ?」
「いえ。私は至高のメイドを目指す者。あなたを一流のメイドと見込み、ぜひお手合わせをと……」
「へえ、面白いこと考えているのね。あなた、名前は?」
「森です」
「私は十六夜咲夜。あなたの挑戦、受けて立つわ」

にらみ合う両者。そして次の瞬間、彼女たちはお互いの拳をぶつけ合っていた。
もう一人の咲夜がこの場にいれば「なんでメイドが格闘で勝負するねーん!」などとツッコミを入れてくれただろうが、あいにく彼女はまだ病院の中である。

(この子……強いわね)

森の攻撃を捌きながら、咲夜は心の中で呟く。さすがに門番の中華娘ほどではないが、十分に達人と言える実力だ。
咲夜も決して格闘戦の素人ではないが、まともにやればかなり手こずることになりそうだ。
そう、あくまで「まともにやれば」だが。

「森、と言ったわね。認めましょう、あなたは強い」
「光栄……ですね!」

叫びながら、森は渾身の力を込めて右の拳を繰り出す。だがその刹那、拳をぶつけるべき咲夜の姿は森の前から消えてしまった。

(えっ!?)
「だからこそ言うわ。上を知りなさい」

消えた咲夜の声が、背後から響く。次の瞬間、森は首に強い衝撃を感じると同時に意識を失った。


◇ ◇ ◇


森が目を覚ました時、そこに咲夜の姿はなかった。

「止めは刺されませんでしたか……。いやはや、それにしても完敗でしたねえ」

苦笑いを浮かべながら、森はメイド服の汚れを払う。いかなる時も、身だしなみは清潔に。メイドとしての基本である。

「しかし、いつまでもくよくよしているわけにはいきませんね……。
 十六夜咲夜さん、必ず超えてみせます! そのためには、もっとメイドとして実力を磨かないと!」

熱き思いを胸に、森は当てもなく歩き出した。ただひたすら、メイドの道を進むために。


二日目・3時30分/北朝鮮】

【愛沢咲夜@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]キーボード
[道具]ハリセン、支給品一式
[思考]基本:これからどうしよう


先生@ドラえもん
[状態]全身に無数の切り傷(治療済み)
[装備]金属バット
[道具]支給品一式×2
[思考]基本:助けを求めている若者は助け、間違っている若者は叱って正す


【十六夜咲夜@東方project】
[状態]健康
[装備]不明
[道具]支給品一式 その他不明
[思考]基本:レミリアお嬢様を探して保護
      1:レミリアお嬢様に危害を加えそうな奴は殺す


【森さん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】ダメージ(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】基本:至高のメイドを目指す
    1:十六夜咲夜を超えるべく、実力を磨く
最終更新:2009年03月11日 00:10