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貴嶋サキは、今の状況を嘆いていた。
自分たちの世界が他の世界とつながってしまったところまでは、まだよかった。
漫画やアニメの中でしか見られなかったものを実際に目にして、大喜びする主の姿が見られたのだから。
ところがその後、バトルロワイアルという理不尽なイベントが開始されてしまった。
これによってサキは主とはぐれ、その上今まさにその命を奪われようとしていた。

「はあ……はあ……」

夜のパリを、サキは殺人者から逃れるために走り続けていた。
しかし、元々彼女は体力に自信があるほうではない。彼女の息はすでに切れ、足も止まりかけていた。

「鬼ごっこはもう終わりですか、お嬢さん」

サキの背後から、殺人者の声が響く。サキを狙っていたのは、頭髪のやや薄い中年の男だった。
一見するとどこにでもいるサラリーマンのような風貌だが、その体から放出される殺気は常人のものではない。

「あなた一人にあまり時間をかけるわけにもいきませんのでね。さっさと死んでもらいます」

男が、右手を大きく振るう。

「鎌田カッター!」

叫び声と共に、男の腕から真空波が放たれた。それはまっすぐに、サキに向かって飛んでいく。

(こ、ここまでなの……? ああ、申し訳ありません、若! 主人より先に天国に旅立つ駄目なメイドをお許しください!)

死を覚悟し、サキは目をつぶる。だがその真空波が、サキに届くことはなかった。

「ひぐちカッター!」
「え?」

突然響いた第三者の声に、サキは驚いて目を開ける。すると彼女の前には、貴族風の服を着たメガネの男が左手をまっすぐに伸ばした姿勢で立っていた。

「お嬢さん、お怪我はありませんか?」
「は、はい……」

状況が飲み込めないながらも、サキは男の問いにうなずく。

「何者だ、貴様!」
「通りすがりのお笑い芸人だ、覚えておけ!」

怒りを覗かせる殺人者の問いに、メガネの男はきっぱりと答えた。

「カッターは人を傷つけるためのものじゃない、笑わせるためのものだ!
 お前のようにカッターを悪用する奴は、この僕が倒してやる!」

いや、それも間違ってるんじゃないかなー、とは思いつつも、助けてもらいたいので黙っているサキであった。


【午前0時20分/フランス・パリ】

【貴嶋サキ@ハヤテのごとく!】
【状態】疲労(大)
【装備】メイド服
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:ひぐち君を応援する
2:若(ワタル)を探す

【ひぐち君@髭男爵】
【状態】健康
【装備】ワイングラス
【道具】支給品一式
【思考】
1:カッターを悪用する奴を倒す
2:男爵様を捜す


【鎌田@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康、人間態
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:人間を皆殺しにし、アンデッドの支配する世界を作る
最終更新:2009年05月17日 09:19