アットウィキロゴ
カオスロワ7期が開始されてから半時間が経った。
真夜中とはいえいつもは騒がしい東京が剣呑な静寂に包まれる中、ニュー速・デ・やる夫はある場所を目指して半泣きしながら走っていた。
「やる夫はカオスロワに巻き込まれてしまったお・・・」
「殺されるのも、人を殺して生き残るのもいやだお・・・」
「だからネカフェに引きこもるお!」
いきなり泣き顔からウザイ笑顔になりながらやる夫はネカフェの入り口のドアの持ち手に手をかける。
もはやその顔には欠片の緊張感も見られない。彼は安全な場所を確保した(と当人はゆるい頭で考えていた)筈だったから。

だから彼は頭を砕かれて死ぬことになる。

「えへへっ、遊びに来t」
やる夫がドアを開け(聖水という名の排泄物をお粗末な息子から店内に放出しようとし)た刹那、轟音とともに彼の頭部は何もかもをぶちまけながら四散した。
「動かず、闘わず、ただネカフェに籠もるだけですか?
 何もせずに生き残れる程このゲームは甘くは無いのですよ
 これがバトルロワイアルというものです、やる夫さん」
無残な、しかし殺し合いの場では悲しいほどありふれた出来立ての屍の前に、一人の青年が立っている。
「ここが『やる夫スレ』なら貴方も簡単にズガンされたりはしないのでしょうが・・・流石にカオスロワでは貴方の主人公補正も通用しないようですね」
最早永遠に返事をすることのない屍に、青年は淡々と話しかける。
「やる夫さん、貴方は知らないでしょうが……私は貴方がずっと憎かった」
狂気を巧妙に包み隠した笑顔を、己の顔に張り付かせたまま。
「私は貴方より何もかも優れているはずだ。顔も、学校の成績も、性格も、入った大学や就職先も……なのに人気者は何時も貴方だ。
 長所は一点も無く、努力もせず、いつも周りに迷惑ばかりかけている貴方が……
 私は何時も日陰者だ。貴方の様なクズの影に隠れて、私は何時も脇役に追いやられてきたんだ!」
青年は上辺の冷静さすらかなぐり捨て、憎悪をこめて、胴体だけになったやる夫の屍を何度も踏みにじる。
何の抵抗も示さない屍体の、皮膚や肉が潰れ、血が飛び散るほど暴力的に。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。

「だがそれも今日でお仕舞いだ。やる夫スレの主人公として真に相応しいのは、この私だ!
 ……私が主人公になることによって、最近マンネリ気味と言われてきたやる夫スレ、いや『できる夫スレ』は新たな時代を迎えるのですよ、やる夫さん」
青年は紳士的な態度に戻った。しかし、体のあちこちに浴びた返り血の飛沫と、脇に抱えられ煙を吐き出すバズーカ砲は、彼が冷酷な殺人者であるという事実を隠さず物語っていた。
「さて、『できる夫スレ』の主人公としての地位は、これで安泰です
 これからどうするか…マーダーとして優勝を狙うのも一興ですが、対主催として活躍し、主人公としての株を上げるのもいいかも知れません
 問題は、旧やる夫スレの面々に対する処遇ですが…私を主人公として認めるならば、彼らの今までの立ち位置も保障してあげましょう
 しかし、もし逆らうならばーーー」
青年の口元が怪しく歪む。
青年は気づいていなかった。出来杉がのび太を殺しても、出来杉が主人公になることは出来ないということに。
もしのび太が何らかの要因で命を落としても、『ドラえもん』は最終回を迎えるのが関の山だろう
ましてのび太を自らの手にかけ、凶悪な殺人者と化した出来杉を、一体誰が主人公として認めるだろうか?
しかし青年の長年に渡り蓄積された狂気は、そのような冷静な思考を奪い去ってしまっていた。
青年ーーパー速・デ・できる夫は、武器をデイパックにしまいこみ、ネカフェを後にした。
やる夫のような人気者になりたい、誰かに認めてもらいたいーーー彼の望みは、そんな他愛の無い、かわいい物のはずだった。
しかしその望みは歪んだ成長を遂げ、中国の説話にある妄執から虎と化した詩人よろしく、できる夫を一匹の飢えた獣に変貌させてしまっていた。

【午前0時30分/日本・東京】
【パー速・デ・できる夫@2ch】
[状態]健康 狂気
[装備]なし
[道具]バズーカ砲、他支給品一式(自分のとやる夫から奪ったの二袋) その他不明
[思考]基本:『できる夫スレ』の主人公は私です
  1:マーダーになるか対主催になるか思案中
  2:やらない夫らやる夫スレの面々は自分を主人公と認めれば生かす、そうでなければ殺す
  3:やってられっか夫と南鮮石は守る

【ニュー速・デ・やる夫@2ch 死亡確認】
ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】死因:たまたまやる夫の50メートル後ろにいてバズーカ砲の砲撃に巻き込まれる
最終更新:2009年05月18日 11:38