千葉県、某ネズミの王国。
そこには世界的に有名なネズミとその仲間達の影は無く、ただ、黒いトドが居た。
「キャーッ!何するのよ!」
「ねんがんの アイスソードをぬすまれたぞ!」
「あっ!じっちゃんの形見が!」
「俺のブルーアイズを!」
トド達は、まるでそれが存在意義であるかのごとくにただひたすらに園内の人間に所持品を盗んでいた。
もちろん、盗みを働かれた人間も黙ってはいない。
「この野郎!」
「セイセイセイセーイ!」
「ヒャダイン!」
「俺のターン!リバースカードオープン!」
数が居すぎて自分の所持品を盗んだのがどれかは分からないが、とりあえず怒りにまかせて攻撃をする。
しかし、中々にトド達は頑丈だ。しかも。
「うわっ!コイツ等分裂するぞ!」
「げっ!また盗まれた!」
「俺の核がn…ゴパァッ!(吐血)」
「さらに俺はここで融合のカードを使用する!」
攻撃を加えられ、ダメージを受けたトド達は分裂する。
どうやらアシカ亜科の哺乳類のトドとは違うようだ。
しかも分裂したトドはさらに盗みを働いている。
トドに盗まれ、トドを殴り、トドを増やし、トドを殺し、道具を手に入れ、またトドに盗まれる。
園内には既に身ぐるみ剥かれて素っ裸で放置されている人間も居る。
中にはドサクサに紛れて人を殺す輩や、ここは楽園とばかりに自ら素っ裸になる人間も居る。
こんな姿も見られた。
「黒竜王、その哮りを嵐となせ 天下無双の破邪の印!裏天鼓雷音!」
絶叫に近い詠唱が園内を駆け抜け、雷鳴と共に天から降り注ぐ数多の稲妻の柱が
辺りを埋め尽すトド達に次々と命中していく。
「ああ!当たってる……!当たってよ俺の裏真言!!」
術を発動した男、マラークは泣いていた。
彼の頭に横切る悲しい思い出。
それは、遠い昔のことだった。
「なんだよ、ヒット数もヒットの位置もランダムかよ。使えねーな。除名。
え、妹?ラファは連れてくよ。可愛いから」
そう言われて装備を取られて彼はとある部隊から排斥された。
その部隊に編入した直後の話だった。
「ここなら経験値もJPも無限に稼げる!何より裏真言が絶対当たる!(重要)
見てろよラファ!兄さん頑張るからな」
もちろん彼の放った術では威力が足らず、徒にトドを増やすだけである。
だが、装備も仲間もはや無い彼には関係なかった。
周りにはひたすらに迷惑だが。
そんな思惑も飛び交ったりするネズミの王国改めトドの楽園。
始まりには三度笠の男が姿があった。
「さて、と。始めるか」
北海道からバネの罠で千葉に跳んできた
シレンは、本格的にダンジョンの攻略を始めることにした。
「まずはアイテムの調査かな」
ダンジョンを攻略するに当たってどんなアイテムが手に入るかのデータは重要だ。
アイテムを持ち込んでいるとは言え、手に入るアイテムの内容は攻略の指針に重大な影響を与える。
「アイアントドの肉~!」
シレンが取り出したのは何の変哲も無い骨付きの肉だった。
それを焼いて食べる。ではなく。
「そこのぉ~……メガネのぉ~……オバサンにぃ~……ン投げるッ!!」
「え、アタシ!?何?何な……」
シレンの別に強靭ではないそこそこの肩から直線的に撃ち出された肉は、吸い込まれるように
エプロン姿に錆びた鉈を持った女性へと飛んでいった。
そして、命中。
次の瞬間には女性の姿は無く、手拭いを頭に巻いた黒いトドがいた。
「さあ、トド狩りの始まりだ」
シレンは毒の染み込んだ矢をつがえた弓を構えると、黒いトドに向けて矢を放った。
徒導狩り(とどうがり)
秦朝の隆盛期に盛んに活動していた密教の徒導(とどう)が不老長寿の法を秘匿としているという噂から
国家を上げての徒導狩りが始まった。
実際に不老長寿の法が存在していたかは定かではないが、多くの教徒が隠し財産を持っており、
それを兵士が自分の懐に納めていたため執拗なまでの探索が行われたという。
それにも関わらず徒導は異常なまでなしぶとさで秦朝末期まで根絶することは無かった。
現在では
ゲームで確実に道具を落とすトドにわざと弱めの攻撃を加え、
分裂させてから道具を回収する様が見られるが、これが徒導狩りを揶揄してのことであることは言うまでもない。
(民明書房刊『秦の宗教百選』より抜粋)
シレンはアイテムを20個までしか持てない。
何故かは知らないが、そういう決まりなのだ。
しかし、20個までなら大小軽重に関係無く何でも持てる。
さて、ここでシレンの現在の所持品である。
01:E ★秘剣カブラステギ
02:E ★ラセン風魔の盾
03:E ★
罠師の腕輪
04: 復活の草
05: 復活の草
06: 復活の草
07: 復活の草
08: 復活の草
09: 転ばぬ先の杖
10: デイパック
11: デイパック
12: [空欄](以下20まで)
(E は装備、★はメッキまたは壊れない加工)
「こいつはスゴイな」
シレンは感嘆の息を漏らした。
トドが落とす見たことも無いアイテム群もそうだが、何よりもデイパックに向けてだ。
「いくらでもアイテムが入る上に壺まで収納出来る。最高だ」
シレンはトドを狩って手に入れたデイパックからアイテムを取りだし、
淀み無い動作で自分のデイパックに移していく。
彼の盾には盗みを防止する「トドの盾」が合成されていたため、
近くに溢れたトドは何も出来ずにそれを見守ってにいる。
やがて、アイテムを移し終えるとシレンは一回伸びをして剣を構えた。
彼のトド狩りはまだまだ始まったばかりだ。
【千葉県某ネズミの王国
二日目23:00】
【シレン@風来のシレンシリーズ】
[状態]:LV99 HP999/999 力99/99 満腹度103/200
[装備]:秘剣カブラステギ+99(金、三)、ラセン風魔の盾+99(金、と)(それぞれ追加効果の全容不明)、
罠師の腕輪、転ばぬ先の杖
[道具]:荷物一式(所持品、支給品不明)、大量の復活の草
[思考]
1:トド狩りをする
2:適当にアイテムを集める
3:デイパックを手に入れた場合は中身を自分のデイパックに移して空は捨てる
4:デイパックの便利さには脱帽
【マラーク@ファイナルファンタジータクティクス】
[状態]:絶好調
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
1:強くなって妹の元へ戻る
2:裏真言を存分に当てる
【アイアントド1~?@風来のシレンシリーズ】
[状態]:様々
[装備]:手拭い
[道具]:盗んだ物品or元からの所持品
[思考]
1:盗む
2:逃げる
3:増える
[備考]:某ネズミの王国で一区切りのマップとなっているためトドはそこから溢れません
【武藤カズキ@武装錬金 死亡確認】
最終更新:2007年01月03日 15:39