今更あえて説明するまでも無く、時空振動弾が世界に与えた影響は絶大である。
かつては色彩豊かな草花が咲き誇ったその場所は、よりによって地獄と混ざり、骸の山を築いていた。
山の頂上には、全身を包帯で包んだ男のシルエットが。
山の麓には、その男を見上げる、低い背丈の少女のシルエットが。
二人は名を、志々雄真実と四季映姫・ヤマザナドゥと言った。
地獄へ堕ちた大罪人、志々雄真実と、いわゆる閻魔大王である四季映姫。
彼らもまた、時空振動弾の暴発により、テラカオスバトルロワイアルに参加させられた被害者である。
「……つまりは、俺に
織田信長討伐の手伝いをしろってことか。
そして見事俺が信長を討ち取った曉には、生前俺が犯した罪を帳消しにし、俺に日本の舵取りを任せると。
そんなナリして、意外と無茶言うじゃねえか」
「別に無茶ではありませんよ。この状況において最なる愚は、誰よりも危険な存在である貴方を、野放しにしておくこと。
ならば、無理矢理にでも味方に引き入れ、手綱を握っておく方が、幾分マシというものです。
……それに、貴方は狂人ではあれど愚者では無い。
例え貴方が日本を牛耳ったとしても、今回の織田信長のような愚行を始めるとは思いません」
「……『しょせんこの世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ』。
俺の言葉だが、これは今の世界の有り様、そのままじゃねえのか?」
「少なくとも貴方の支配下ならば、恐怖と暴力による支配とはいえど、日本そのものの滅亡という結末は無いはず。
対して、このまま織田信長が支配を続ければ、日本はおろか世界全体の滅亡すら有り得ます。
……ならば、織田信長の支配よりは貴方の支配の方が『幾分』かマシということです」
映姫のその答えに、初めて志々雄はニィと笑みを浮かべる。
「そんな貧相なナリでも、流石は閻魔。中々エグい事を平然と言いやがるじゃねえか」
「ひんそ……っ! 失礼ですね貴方は!」
「煩えな。一つ忠告しておくが……その程度で、俺を掌握したと勘違いするんじゃねえぞ」
「……では、せいぜい後ろから刺されぬよう、気を付けさせてもらうとしましょう」
そして。
志々雄は骸の山より飛び降りると、映姫に肩を並べ、歩き出す。
地獄史上類を見ぬ極悪人と、地獄を統べる裁判長。
決して重ならぬはずだった両者の歩む道は、今この瞬間、僅かながら重なったのだった。
「さあ……魔王相手に混沌の国盗りだ」
「鬼と閻魔が組んでいるのです、第六天魔王と言えど恐るるに足らず。今宵もまた、白黒付けて差し上げましょう」
【午前2時00分】
【志々雄真実@るろうに剣心】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:織田信長を討ち、日本を手中に。
【四季映姫・ヤマザナドゥ@東方project】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:織田信長を討つ。
2:志々雄から目を離さない。
最終更新:2009年05月24日 00:36