「あーうー、何やってるのよあいつったら……」
日本が秋葉原に、地面に座り込んでだだをこねる少女が一人。
ジュースを買いに行ったはずの6/がいつまでも帰ってこないと喚くのは、言わずと知れた
涼宮ハルヒである。
「まさか……殺られちゃったんじゃ無いでしょうね」
ふと、ハルヒはその可能性に思い至る。
ひよりを殺した男のように、危険人物はあちらこちらに跳梁跋扈している。
もしかしたら、6/は運悪くそんな奴に出会って殺されてしまったのかもしれない。
「ああ……いつ殺されるかも分からない状況で、
キョンと×××……やべ、超燃えるわこれ」
しかし6/の心配をするでも無く、ハルヒはマイペースに妄想にふける。駄目だこいつ。早くなんとかしないと。
「んっ……ダメぇ……キョン、こんな場所で……」
しまいには、6/が戻ってくる可能性も考慮せずに、野外で始めてしまう始末。
もう駄目ねこのハルヒ。
そんなハルヒを離れた場所から見つめる、一つの影があった。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □
「こんな状況でもマクドナルドを利用してくれるなんて……嬉しいなあ☆」
マクドナルドランドの道化師、ドナルド・マクドナルドは、ハルヒがベンチの上に置いていたマクドナルドの袋を見て感激する。
もしかしたらこれが最後の食事になるかもしれないものに、あの少女はマクドナルドのハンバーガーを選んでくれたのだ。
マクドナルドのマスコットとして、こんなに嬉しいことはない。
だから。
「ドナルドは嬉しくなると、ついやっちゃうんだ☆」
ドナルドの言葉に呼応して、何処からともなく揚げたてのフライドポテトが空中に現れる。
鉄パイプ程度の大きさのそれらは、人体程度ならば易々と貫けそうな程にカリカリと揚げられていて。
「マックフライポテト、LLサイズ。マクドナルドが大好きな君へ、ドナルドからのサービスさ☆」
ドナルドはそう言って笑うと、何の躊躇いも無く。
宙に浮かぶポテトを、未だこちらに気付かないハルヒに向けて――射出した。
唸りを上げながら、ポテト達は急速にハルヒとの距離を縮めていく。
たかがポテトとはいえ、大きさが大きさである。
たとえ軽くかすった程度でも、スペック的には一般人と大して差のないハルヒでは、大惨事は免れないだろう。
しかし、ハルヒにとっては幸運なことに。
彼女の体に、ポテトが突き刺さることはなかった。
「――八葉六式、撃破滅却」
突然建物の陰から現れた和服姿の少女が、ハルヒに飛来する数十本のフライドポテトを、全てまとめて消滅させたからである。
「……うん?」
「……妙な魂の波動を感じて来てみれば、どうやらギリギリだったようですね」
目の前の道化師を見ながら、少女は――鷺ノ宮伊澄は、後方のハルヒが無事であることを確認し、ほっと一息を吐く。
「マサキ様やゾロ様とはぐれた時はどうなるかと思いましたが、何とか間に合ってよかったです」
「君は……お客様かな?」
お客様ならば、サービスしなくてはならない。
クォーターパウンダーで叩き潰すか、マックフライポテトで串刺しにするか……それとも。
どんなメニューを繰り出そうか悩む道化師に、新たな札を突き出しながら伊澄は静かに笑みを浮かべる。
「……通りすがりの、光の巫女です。貴方の狂気、どーまんせーまんな感じで退治させてもらいます」
【1日目07時15分/日本・秋葉原】
【鷺ノ宮伊澄@ハヤテのごとく!】
【状態】健康
【装備】札
【道具】支給品一式
【思考】
1:
織田信長を倒す
2:ドナルドを滅する
3:ナギなどの知人を捜す
【ドナルド・マクドナルド@マクドナルド】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、ハンバーガー×50、
金属バット
【思考】
1:自然に体が動いちゃうんだ☆
「キョン、もっとぉ……」
一方、ハルヒは近くで始まろうとする激戦にも気付かず、相変わらず妄想に耽っていた。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】健康(性的な意味で)、絶頂寸前
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品、大量のハルヒ×キョン同人誌
【思考】
1(建前):
SOS団を再結集、平行世界について調べる
1(本音):キョンを見つけて○○とか××とかする
2:キョン、ダメぇ……
最終更新:2009年05月28日 00:18