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「殺し合いなんて狂ってる……! 織田信長、俺達は絶対にお前なんかに屈しない!」

とあるビルの屋上。
このカオスロワの主催者織田信長に向けて、宣戦布告の叫びを上げる少年、前原圭一。
数多くの悲劇を経験し、そして乗り越えてきた圭一にとっては、今回のカオスロワも新たな越えるべき壁に他ならない。
故に彼は今回も仲間達と力を合わせて、そして誰一人として欠けることなく、信長を倒し雛見沢へと帰る決意を固めた……のだが。

「で、皆はどこにいるんだよ……」

運の悪いことに、圭一は他の部活メンバーとはぐれてしまっていた。
このビルの屋上にいるのも、高所から仲間達の姿を見つけようとして、なのだ。

「まあ、皆ならそう簡単にやられないとは思うけど、心配だしな……」

言いながら、拾った双眼鏡で街を見回す圭一。
しかし、已然として見知った彼女達の姿は見当たらない。
しかたないのでここはもう諦めて、別の場所へ移動しようかと、圭一が考えはじめたその時。

「ん?」

圭一の瞳が、市街地に一人の少女を捉えた。
美少女揃いの部活メンバーに匹敵するだろう、どこぞのWAWAWAならばAランクプラスとでも評しそうな、よく整った顔立ち。
だが、圭一にとってはそんなことよりもさらに重要な事実があった。
その少女は……メイド服を着ていたのだ。

メイド服を着ていた。
メイド服を着ていた。
メイド服を着ていた!



「イイィィィヤッホオォォォオォォォォォウッッッ!!!」

奇声を上げながら、圭一はビル脇の非常階段を全力疾走で降りていく。

「違うぞ!? この行動は断じてメイドさんに対する邪な想いによるものじゃない!
 バトルロワイアルの真っ只中にあんなところに女の子が一人でいるなんて危険すぎるから守ってあげるだけだ!
 そう、俺は極めて健全な青少年! あの子にご主人様と呼ばれたいなんて、これっっっぽっちも思ってない!!!」

そんなことを叫びがら、まどろっこしいとばかりに最後の十数段を飛び下りて省略し、地上に着地する。
もっとも、血走った眼でそんな台詞を吐いたところで説得力は皆無だったが、
元より誰が聞いているわけでも無いので、気にせずに少女へと走る。
いつの間にか少女の方も圭一に気付いていたらしく、その瞳を圭一に向けている。
心なしか、何かに怯えているようなその目付きに、保護欲を刺激された圭一はさらに速度を上げる。
それはどう見ても鬼気迫る表情で走ってくる圭一に対しての怯えだったが、当の圭一は気付かない。ますます怯える少女の前に到着すると、少女を安心させようと彼は一方的に会話を始め、

「君、俺が来たからにはもう大丈夫だ! 君のことは絶対に守ってあげるからその代わり俺を呼ぶときはご主人様って……」
「ふむ……どうやら、随分と活きのいい下僕が釣れたようだ」
「…………へ?」

背後から、男の声。
何かがおかしいと、圭一が異変に気付いた時。
圭一は背後より首ねっこをつままれて……吊られていた。

「でかしたぞ、ハーマイオニー」
「勿体無きお言葉です、ご主人様」
「え……なにこれ?」

笑顔で言葉を交わす、ハーマイオニーと呼ばれたメイド服の少女と背後の男。
一人だけ何が起きているのか解らず、吊られたまま混乱する圭一。
そんな少年に、男……脳噛ネウロは説明を始める。

「我輩はネウロ。脳噛ネウロ。貴様ら人間が生み出す謎を主食とする、魔界から来た魔人だ。
 このバトルロワイアルとやらを始めた織田信長なる者を粛清したいのだが、生憎世界が混ざった際に下僕がいなくなったのでな。
 ちょっと釣りでもして……新しい下僕を集めようとしたのだ」
「つ、釣り?」
「うむ、人間が主にインターネット上でする遊技を、先程奴隷にしたそこの新たな下僕一号、綾崎ハーマイオニーを餌にしてやってみた。
 殺し合いの場に少女が一人とくれば、さぞかし下僕として使えそうな輩がホイホイ釣られてやってくるだろうと思ったのだ」
「……って、そっちの釣りかよ!!」

スナップをきかせた右手で勢いよくつっこもうとしたところで、首ねっこから手を放されて圭一は尻からアスファルトの地面へと落下。
いててと腰をさすりながら立ち上がる圭一を後目に、ネウロは歩き出す。

「では行くぞ、下僕一号二号。下僕集めと平行して、信長の居城の情報も集めなければならないのだ。無駄にしていい時間などない」
「ま、待てよ! 俺は下僕になんか……」

圭一の文句を、ハーマイオニーが制止する。

「圭一君も、目的は僕やご主人様と同じ、織田信長の打倒なんですよね?
 なら、ご主人様に従った方がいいと思うんです……性格は兎も角、ご主人様の力は圧倒的ですから」
「う……」
「こんな殺し合いは、一秒でも早く終わらせたい。
 だから僕は、ご主人様に従っているんです。……まあ、ご主人様に惹かれているってのも多少はありますけど」

そう言って、ハーマイオニーは圭一に笑いかける。

「一緒に下僕、やりませんか?」




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三十分後。

市中を進む、三人の人影があった。

並んで歩く男とメイドから少し離れて、少々ふてくされつつも二人の後を歩く一人の少年。

彼らの運命は……ただ、神のみぞ知る。






「そういえばご主人様、僕が男だってこと圭一君に言い忘れてましたけど、いいんでしょうか?」
「構わん。……その方が、面白い」

【06時30分/日本】

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:織田信長を倒す
2:下僕を集める
3:基本、人間は守る

※六期の脳噛ネウロと同一人物です

【綾崎ハーマイオニー@ハヤテのごとく!】
【状態】健康
【装備】メイド服
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:ネウロに従い、織田信長を倒す

【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品、双眼鏡
【思考】
1:ネウロに従い、織田信長を倒す
最終更新:2009年06月01日 00:17