秋葉原各地でほぼ同時に開始されたいくつかの激戦。
その中でも、ある意味もっとも嫌な相手と戦っているのがこの二人だった。
「ふっぐう!!」
ミクに蹴っ飛ばされて、同人ショップの本棚に背中をうちつけるでぶみんことかがみ。
彼女と対峙しているミクと6/は、心中で同じことを呟いていた。
(よ、弱い……)
実際かがみは弱かった。攻撃パターンと言えばその脂肪がふんだんについた体で体当たりすることくらい。
宝具を出すまでも無く、ネギで殴ったり素足で蹴ったりするだけで吹っ飛んでいくのだ。
さっき出会ったライダーどころか、サーヴァントではない長宗我部にすら劣る。
だが、厄介なことに何度退けてもへこたれずにすぐに立ち上がってまた向かってくるのだ。
その打たれ強さはともすれば賞賛されるべきだろうが、今の容姿ではうざいだけだ。
「ちょっと何やってんのよイーター!! 全然弱いじゃない!! さっきの強さはどこ行ったの!?」
マスターであるもう一人のかがみに責められて、イーターであるかがみは顔を真っ赤にして怒鳴る。
「仕方ないじゃない!! こんな体になったせいで、思うように動けないんだブー!!」
(ぶー、とか言った……)
(太ってるからって、本当に語尾にブとかつける人初めて見ました……)
二人とも、もはやgdgd感すら漂ってきたこの戦闘をさっさと終わらせようと思い始めた。
「なあ、そろそろ宝具を出して一思いに倒さないか?」
「そうですね。何か情報を聞き出せるかとも思いましたけど、どうもそれも望み薄ですし……」
ミクの返事を聞いて、ポケットから万年筆を取り出す6/。
「うがー、もうこうなったらパワーアップよ!!」
かがみはそう叫ぶと、床に散乱していた同人誌を手に取るとそれを次々に口の中に入れていった。
まるで菓子のようにばりばりと齧り、どんどん喉の奥へ飲み込んでいく。
その姿は、まさに食欲と性欲の両方に飢えた獣であった。
「こいつ……とんでもねえな」
「はい、サーヴァントにしても常軌を逸してますね」
「せっかくのレア物のみなみの同人誌を……こいつ、絶対に許さねえ!!」
「マスター、しばらく黙っててください」
そんな会話をしていたミクたちの目の前で、かがみはみるみる急激にさらに太っていった。
同人誌から得たカロリーを即座に脂肪にしているらしい。
もちろんこれもグリマスの『肥満の呪い』の効果であるが、かがみはそんなことは気に留めない。
「ふー、腹ごしらえも終わったし、今度こそあんた達を性的な意味で喰ってやるわよ!!」
そう言って、まさに変質者そのものの目で二人を睨んで突進していくかがみ。
……が、その大きくなりすぎた体は、同人誌の飾ってある棚の間に挟まって動けなくなった。
(やっぱり……)
期待を裏切らないかがみの姿に、ため息すら出ないミクと6/であった。
「ちょっと、早く助けなさいよー!!」
じたばたと暴れるかがみを棚の間から引っ張りだそうと駆け寄るかがみ(マスター)。
しかし、彼女に助け出されたかがみは思わぬ行動に出る。
自らのマスターの肩に手を置くと、その臭い口を彼女の顔に思いっきり近づけて喘ぎ出したのだ。
「ハアハアハアハア……」
「ひ、ひいい!! な、何よ急に!!」
「こうしてみると、私もなかなかかわいいわよね……もうこの際別世界の自分でもいいわ。きっといい栄養になるだろうから」
その言葉の意味に気付いたミクと6/が止める間もなく、かがみは大きな口を開けてマスターの右腕に齧り付いた。
「ひ、ひぎいいいいいいいいい!! いやああああああああ!!」
少女の凄惨な悲鳴が店内に響き渡る。
その間にも、イーターのサーヴァントはぼりぼりとマスターの腕を、足を、一本ずつ咀嚼していく。
薄れゆく記憶の中で、かがみはここ半日間ほどのことを思い出していた。
いきなり殺し合いなんていうわけのわからないものが起きたと思ったら、いきなり目の前に青い髪の青年が現れ、
そしていきなり『別世界の自分』に引き合わされ、そいつの『マスター』とかいうのになるように言われた。
それからの起きたことは、はっきり言って地獄だ。
だが、これも全ては自分の大切な人を守ることに繋がると青年に聞かされて、必死に耐えて従っていた。
なのに、なぜこんな結果に……
「つかさ……こなた……たすけ、て、……」
ばり。
イーターのサーヴァント、
柊かがみはこうして自らのマスターを平らげた。
そしてその直後から、かがみの体に変化が起こる。
水を吸った乾燥ワカメの如く、みるみるうちに巨大化していくその体。
あっという間にその身長は天井にまで達した。
「!! マスター、逃げますよ!!」
ミクは6/の手を引いて、窓からビルの外へと飛び降りた。
その次の瞬間、ビルは瞬く間に崩壊した。
その代わりにビルのあった場所に立っていたのは、ビルと同じくらい巨大化した醜い太った女。
「はあはあはあはあはあはあ……まだ足りないわ!! もっと、もっとよ!! 男も女も、もっともっと食べたい!!」
果たして、女子高生が、いや人間が、ここまで醜くなれるものだろうか……
その巨体を見上げながら、ミクと6/は息を呑んだ。
この秋葉原から生きて脱出するには、この化け物を倒さなくてはならない―――
「よしミク、お前も気合で巨大化しろ!!」
「いや、どう考えても冗談言ってる場合じゃないでしょ!!」
【一日目・午前八時/日本・秋葉原】
【柊かがみ@らき☆すた 死亡】
【柊かがみ@らき☆すた】 (クラス・イーター)
【状態】でぶみん、全裸、巨大化
【装備】無し
【道具】無し
【宝具】変態的性欲
【思考】 基本:いつも通り、本能に従う。
1:セイバーとライターを「二つの意味で」食う
【◆6/WWxs9O1s氏@書き手】(マスター、クラス・ライター)
【状態】健康
SOS団臨時団員
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】SS用万年筆
【思考】
1:なにこいつ……気持ち悪い……
2:死にたくない
※6期までの6/氏とは別人です
※ミクのマスターであり、同時にミクのサーヴァントです
【
初音ミク@ボーカロイド】(マスター、クラス・セイバー)
【状態】健康 SOS団臨時団員
【装備】伝説の首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ
【道具】支給品一式
【宝具】電子の歌声
【思考】
1:なにこの人……気持ち悪い……
2:マスターに従う
※ 6/のサーヴァントであり、同時に6/のマスターです
※柊かがみ(イーターのマスター)が、聖杯戦争から脱落しました
※巨大化したイーター(かがみ)の姿は、秋葉原全域から視認できる可能性があります
最終更新:2009年06月06日 00:14