「む、掛かった。フィィィィィィッシュ!!」
ふむ、また半魚人か。コイツはマーマンだな。
コイツに手足はないが、尾びれで器用にバランスをとり陸上でも攻撃を仕掛けてくる。
速攻でぶつ切りにして更なる大物を釣るための餌にする。
……しかし、因果なものだ。何故毎回毎回大物以外の魚は皆半魚人なのだろうか?
「アカン、この下は半魚人が仰山居って他の魚が寄り付かんで。どうするんや?」
優が海から上がるなり、そう報告する。背中には、3体のマーマンが吊るされていた。
そうか、今下にはマーマンの大群が居るのか。
……はて、前にも似たような事があったような?
そうだ、これはインドネシアでクロノサウルスを釣った時と同じ状況だ。
と言うことは……大物が近くに居る?
「優!! 少し退いてくれ!!」
「な、何や、いきなり!?」
視力を強化して海流を見る。近きも遠きも浅きも深きもだ。
すぐ近くの影は恐らくマーマンの群れであろう。
また、遠くに巨大な魚影が2つ。あれがマーマン達を此処まで追い込んだ張本人だろう。
そして、その魚影はゆっくりと此方に近づいてきた。
その体長30mは優に超えるであろう巨大な魚影は見覚えのあるものだった。
「おい、アーチャー!! あの魚影は……」
「ああ、実に懐かしい魚影だ……ガノトトス……!!」
ガノトトスはまだ此方に気付いては居ない。マーマンは海の底の方で息を潜めて通り過ぎるのを待っているようだ。
「優、しばらく離れていろ。私が1匹釣り上げたら、お前は海に潜ってもう1匹を仕留めてくれ。」
「わかった。ほな、任せたで!!」
「ああ、仕留めた後で首を長くして優の帰りを待とう。」
そう言うと、優は私から離れた待機場所に移動した。
さて、大物釣りは久々だ。デイバッグの中から、長らく使われていなかった釣りカエルを取り出す。
針に餌をつけ、私は海に投げた。
……ああ、実に心地の良い高揚感だ。やはり、大物との対決は心が躍る。
ガノトトスはゆっくりと餌に近づいてくる。
現在、私とガノトトスは一騎打ちの状態だ。邪魔をするものは何も無い。
次の瞬間、浮が勢い良く海の中に沈み込んだ。
「掛かったな!! ぐっ、相変わらず滅茶苦茶な引きの強さだ……!!」
クラス別スキルで身体能力を強化しているにも関わらず、強化魔術を使わなければならないほど相手の力は強かった。
これは、前と同じなどと思わないほうが良い様だな。
最大限まで筋力を強化し、一気に引き上げる!!
「うおおおおお!! フィィィィィィッシュッッッ!! 行け、優!!」
「おっしゃあ!! 勝負や、ガノトトス!!」
そう言って、優は勢いよく海に飛び込んだ。
その瞬間、海の中の1頭が勢いよく優に向かって行った。
一方、私が釣り上げたガノトトスは私の知っているものとは少し違った。
瑠璃色であるはずの鱗が翡翠のような翠色をしていたのだ。
そうか、これが前に調べた文献にあった亜種と言う奴か。……面白い。
と、見惚れてたのが拙かった。ガノトトスは私の頭上に振ってきた。
「げ。ぐああああっ!!」
……全く、とんでもない大間抜けだな。本当にこのうっかりを何とか治したいものだ。
私の上で奴が静止しなかったのが不幸中の幸いだ。
干将・莫耶を投影し、釣り上げたばかりで上手く動けない相手の腹に切りかかる。
しかし、すぐに起き上がり、此方に相対した。息は荒く、かなり怒っているようだった。
突如、ガノトトスは仰け反り、ブレスの体勢に出た。
「シャアアアアアアア!!!」
超高圧の水ブレスが辺りを薙ぎ払う。
それは近くにあった建物を綺麗に両断し、倒壊させた。
チッ、前の時と行動が違う。コイツは前の個体よりもずっと高度な動きをしてくる。
「ガアアアアアアア!!!!」
今度は這いずり回って突っ込んでくる。
この大きさだ、喰らったらタダでは済むまい。
そこで私は回避した。横ではなく、上へ。
ガノトトスの背を蹴り更に高く飛び、干将・莫耶を投げつけ、爆破する。
「―壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)」
「ギャアアアアアアア!!!」
……駄目か。やはり前より大きい分、鱗も分厚くなっているようだ。
クッ、こうなっては仕方があるまい。手札を一枚切るとしよう。
懐の中に手を入れ、詠唱する。
「―投影、開始(トレース・オン)」
作り出すのは雷神・インドラが悪神・ヴリドラを倒すために仙人から授かった、雷を操る戦杵。
本来、使えるのは一度きりの武器だが、私は何度でも使う事が出来る。
……だが、恐らく策に使えるのは今回と次だけだ。
大事な一撃だが、コイツにはそれだけの価値があるだろう。
それを、さっきの爆発で鱗の薄くなった首筋に叩き込む!!
「喰らえ!! 金剛杵(ヴァジュラ)!!!!」
「ガアッ!?」
延髄に宝具を叩き込まれ、その場に倒れ付すガノトトス。
どうやら倒したようだ。宝具を1つ曝してしまったのは痛いが、その分の価値はあった。
さて、私は優の帰りを待つとしようか。
* * * * * * * * * * * * * *
その頃、海の中では濱口優とガノトトスが激闘を繰り広げていた。
ガノトトスは地上に居た時とは比べ物にならない速度で泳ぎ、濱口に攻撃を仕掛けていた。
(おわあっ!? あ、危ないやんか、ボケェ!!)
噛み付き攻撃を寸での所で躱し、腹に銛を突き立てる。
その技量は流石と言えるが、決定打にはなり得なかった。
更に悪いことに、マーマン達がこの戦闘に介入を始めてきている。
目的は、ガノトトスの討伐と、濱口優の殺害だ。
この場は現在、濱口優、ガノトトス、そしてマーマン達の3つ巴の戦闘に発展していた。
「ギャオオオ!!」
ガノトトスは襲い掛かってくるマーマン達を次から次へと蹴散らし、噛み砕いていく。
だが、ガノトトスの狙いは濱口だった。彼を強敵とみなし、先に排除しようと言うのだ。
マーマン達も優の方向にも向かっていているが、彼等が優のところに着くこと出来たのは少なかった。
何故なら優に近づいた瞬間に、何かに引っ張られるように上へと飛んでいくからだ。
アーチャーの援護である。
(おおきにアーチャー。助かるで、ホンマ。)
しかし、ガノトトスはそのようなことは気にもかけずに優に向かってくる。
今のガノトトスには優しか見えていないようだった。
(このままじゃアカン。どないしよか?)
ガノトトスの攻撃を躱し、マーマンを突きながら濱口は考える。
このままでは言うまでも無くジリ貧だ。銛で突いた所で決定打にはなりえない。
だが、此方の武器が銛しかないのも事実だ。
さらには、マーマンの群れにも対処しなければ、ガノトトスを倒したところで持って帰る事が出来ない。
考えている間にもガノトトスはマーマン達を次々に喰らいながら優の居るほうへ向かう。
ふと、優は妙なことを思いついた。銛を構えてガノトトスが来るのを待ち受ける。
そして、ガノトトスは口をあけて勝るに襲い掛かってきた。
(上手くいってくれよ、頼むでー!!)
優はあろう事かガノトトスに向かって泳ぎ、攻撃の瞬間に身体を丸めガノトトスの口の中に飛び込んだ。
そして、口の中から喉に銛を刺し、高圧電流を流し続けた。
相手が巨大であることを逆手にとって、無傷で体内に侵入しようという普通なら狂っているとしか思えない作戦だった。
……まあ、バカだから仕方が無いのかも知れないが。
「ガッ!? ガアアアアアアア!!!」
突然の出来事に反応できなかったガノトトスは全身を流れる高圧電流に耐え切れず、仰向けになって浮上を始めた。
優はガノトトスを討ち果たしたのだ。
マーマン達は優に攻撃を加えようとするが、ガノトトスの口の中に居る優には上手く攻撃が出来ず、そのまま水面へと上がっていった。
* * * * * * * * * * * * * *
「ヒャッホゥ!! 通算14匹目フィィィィィィィッシュッッッッ!!!」
ククク、大漁だ大漁だ!!
しかし、優の帰りが遅いので見てみれば、マーマンにも襲われているとはな。
援護のつもりで優に近寄る奴を引っ掛けていったのだが、これが面白いほど引っかかる。
釣られた連中はこっちに向かって襲い掛かってくるが、今の私には何の問題にもならない。
干将・莫耶で生鮮食品へと早変わりだ。
しばらく続けていると、水中のガノトトスが仰向けになって浮かび上がってきた。
ふむ、どうやら向こうも終わったようだな。
ガノトトスにマーマンが群がっているが、優の姿は見当たらない。
どういうことか考えていると、突如頭の辺りに居たマーマンから銛が生えてきた。
……なるほど、そう言うことか。
私は三度釣竿を手に取り、ガノトトスの口に引っ掛け、一気に釣り上げた。
「ハッハァ!! フィィィィィィィッシュッッッッ!!!」
「のわああああああああああ!!! もうちょい静かに下ろさんかい!!」
「まあ、無事だったのだから良いのではないか?」
「……まあ、そやな。ほな、いつもの行くで~!!」
「「ガノトトス、獲ったどぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」
しかし、ガノトトスとその亜種、並べて見ると壮観だ。
どちらも前の物とは比べ物にならない大きさと強さを持っていた。
……今回の海は一筋縄では行かないようだ。
「ところでアーチャー。この銛はもう先が欠けて使い物にならへんで。どないしよか?」
「そうか。ならばこれを渡しておこう。」
デイバッグの中に手を突っ込んで投影をする。
中から出てきたのは真紅に染まった槍だった。
「何やこれ?」
「なに、私の知り合いのものだ。それならば余程の事が無い限り刃こぼれすることは無いだろう。」
「わかった。なら、使わせてもらうで。」
それから、ガノトトスの解体に取り掛かろうとしたその時だった。
ドーン!! ドーン!!
遠方から地響きが聞こえてきた。
見ると、遠くで何やら巨大で醜悪な生物が暴れまわっていた。
その生物、サーヴァント・イーターが動くたびに地鳴りが起き、先程まであれほど大量に居たマーマンが沿岸に居なくなっていた。
「な、何やあれは!?」
「くそ、これでは魚が逃げてしまって漁にならんでは無いか!!」
「ど、どうするんや!?」
「あのようなものが居ると我々の漁だけではなく、他の必要なものすらも脅かしかねん。優、どうにかして奴を静めに行くぞ。」
「……それは俺等の漁のためか?」
「ああ。それに、ガルタイトが使えない今、公共の交通機関を使って河岸を代えることになるのだが、あれでは恐らく止まってしまう。」
「そうか。なら、何とかせにゃならんな。協力するで、アーチャー!!」
「済まん。では、我々の漁のために!!」
「「ウラーラーラーラーラーラー!!!!!!」」
* * * * * * * * * * * * *
【午後12時00分/お台場】
【濱口優@現実】 (マスター)
【状態】健康、パワー全開 、アーチャーのマスター
【装備】ゲイボルグ@Fate/stay night、ゴーグル、ウェットスーツ
【道具】木の実5種(それぞれ少量) 、魔石リヴァイアサン@FF6
【思考】基本:アーチャーと共に世界中の魚を獲る
1:ウラーラーラーラーラーラー!!!!!!!
2:獲ったどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
3:漁の邪魔する奴は何とかせな
【アーチャー@Fate/stay night】 (クラス:アングラー)
【状態】やけっぱち精神崩壊、凛のうっかり伝染
【装備】釣竿、最新式リール、釣り針、頑丈な釣り糸、三つ編みにしたピアノ線
【道具】釣りミミズ×6、釣りバッタ×5、釣りホタル×17、釣りカエル×8、ガルタイト、ノート
【宝具】無限の剣製
【思考】基本:濱口優と共に世界中の魚を釣る
1:ウラーラーラーラーラーラー!!!!!!!
2:そろそろゴールしてm(ry
3:イーターを排除する
4:新聞屋についても手が空いたら調べる
【ガノトトス×2@モンスターハンター 水揚確認】
死因:ヴァジュラ、高圧電流
【マーマン@DQ 水揚確認】
死因:干将莫耶による斬殺×14、銛による刺殺×8、ガノトトスによる捕食×12
【
ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
死因:ガノトトスの水ブレスを喰らう
最終更新:2009年06月19日 00:47