「無限の胡桃!!」
「監禁!! 調教!! ビーフシチュー!!」
「無限の胡桃(偽)!!」
11/目掛けて飛んで行く無数の胡桃と、彼女の頭上に出現した、ビーフシチューがなみなみと入った巨大な鍋。
彼女はそれを、微笑んで両手を広げたポーズを取っただけで、わずか一瞬にして『消滅』させた。
「やはり、通用しませんね……」
「こいつ……何が俺のレプリカだよ。かがみ並みの化け物じゃねーか」
流石の6/からも余裕がなくなりかけていた。さっきからこんな展開の繰り返しなのだ。
「おいおいどうした、もう息切れかい? そんなんじゃ私のオリジナルとして、情けないにもほどがある」
11/の露骨な挑発にも、唇を噛んで黙り込むしかない。
「言っておくがね、私と6/君との間には能力的な差など無いんだよ? ただ君は、まだ自分の能力に気付いていないだけだ」
「ああ? なんだよそりゃあ。大体どいつもこいつも俺のことを知り尽くした
みたいなことを言いやがって!!
一体俺は何者だって言うんだよ!!」
「私には答えてあげる義理は無い。もし私に勝てたなら、自分のマスターにでも聞いてみるんだな」
そう言うや否や、11/は再び両手を広げた。
「胡桃投擲!!」
今度は無数のクルミではなく、数個の巨大なクルミが飛んできた。
うち一つはミクの手のネギを弾き飛ばし、残りは無防備だった6/の体に激突した。
「マスター!!」
地面に倒れた6/に駆け寄ろうとするミクの体を、殴られるような痛みが襲う。
全身にクルミの弾を受けたのだと気付いたときには、地面の上に仰向けに倒れていた。
「い……たい……にい、さ……」
骨が折れたかのような痛みにうめき声を上げるミクの目の前に、11/が豊満な胸を揺らしながら歩み寄る。
そして仰向けで喘ぐミクを見て一言。
「……貧乳だな」
「こ、この期に及んで何を……」
ああ、やっぱりこの人はマスターのレプリカだな、と思わずにはいられなかった。
「なんで、マスターに止めを刺さずに私のほうに……?」
「6/君は殺意の対象だがね、その根底にあるのは『羨望』さ。しかしセイバー、私が君に抱く感情は『憎悪』だ。
その理由がわかるか? 君が、君たちボカロ勢が余計なことをしなければ、6/君が聖杯戦争に身を投じることも、
私たちが生まれることも無かった」
11/は仇敵を見下ろすような目でミクの体を嘗め回す。
「そして、彼だって苦しむことも無かったんだ。そうだろ?」
ミクは答えられなかった。彼女の言っていることは全て事実だったからだ。
自分達がしていることは、要するに人を騙して利用すること。
本当は『この世界の』6/には、戦いに身を投じる謂れなど無いのだ。それを自分は……
「そんなわけで、憎さの順に君から殺させてもらうよ。さよなら、セイバー」
11/がミクの首に手をかけようとした時―――
「まったく、人使いの荒いマスター様だ……」
「なっ―――」
彼女の背後には6/が立っていた。
そして11/の胸からは、背中から貫通したネギが突き出ていた。
「あなたは、私がマスターのサーヴァントであると同時に、マスターも私のサーヴァントであることを忘れていたようですね」
ミクはそう言って、自分の右手の甲を見せる。三つの令呪のうち一つが消えていた。
「なるほど……令呪の強制命令で……」
サーヴァントは、令呪によるマスターからの命令には逆らえない。たとえ物理的な制約があろうとも、空間を飛び越えて召還できる。
よってミクは、クルミを受けて動けなくなっていた6/の体を令呪によって動かし、一瞬にして11/の後ろに回り込ませたのだ。
「完敗だよ……所詮、レプリカはレプリカということか」
胸から鮮血を流しながら、11/は自嘲する。
「一つ教えてくれ。俺は一体何者なんだ」
「やなこった。だが、この調子で君たちが聖杯戦争を勝ち残っていけば、嫌でも知ることになるだろう」
「では、あなたを作った存在は誰なんですか? それだけでも教えてください」
ミクの問いに、11/は深いため息を一つ吐いて静かに答えた。
「君の良く知っている者だよ、
初音ミク。君の兄弟だ」
「えっ―――?」
次の瞬間、11/の肉体は消滅した。
「クソッ、もう負けちまいやがったか。せっかく俺もマスターになって聖杯戦争に参加できたってのに……」
三人の戦いを近くのビルの上で見ていた男が、地団太を踏んで悔しがっていた。
しかし次の瞬間、男の体はどこからともなく飛んできた弾幕に貫かれて四散した。
「サーヴァントだけを戦わせて自分は高見の見物とは、マスターの風上にも置けぬな」
「同感ね」
男がいたビルの隣にあるビルの屋上には、漁師の格好をした男と赤鬼、少女、そして
ちょっと変わった医者のような姿をした女性の四人の姿があった。
バーサーカーの主従とアーチャーの主従である。
「ともあれ、これでチャレンジャー、サイエンティスト、ユダ、偽ライターの四人が脱落しました。
サイエンティストについては何回も死んでるようですが……聖杯戦争の局面は急速に加速しているといっていいでしょう」
偽ライターのマスターを始末したアーチャーが、三人を振り返って言う。
「ふむ、しかしそなたの言った通りの場所に偽ライターとセイバー、ライターがいたということは、そなたの情報の精度はかなり高いようだな。
それでこそ休戦協定を結んだ意義があったというものだ」
浦島太郎が満足そうに頷く。
「して、これからどうされる? やはりランサーと合流するか?」
「いえ……」
永琳は近くの漫画喫茶の前に倒れている一組の主従の姿を見て言った。
「あのお二人の手当てを優先しましょう。性質から考えて手は組みにくいかもしれませんが、情報ぐらいは引き出せるはずです」
【一日目・15時30分/日本・蒲田】
【11/@現実? 死亡確認】
【偽アカギ@アカギ 死亡確認】
【偽ライター組 脱落】
【◆6/WWxs901s氏@書き手】(マスター、クラス・ライター)
【状態】満身創痍
SOS団臨時団員 称号『人間失格』
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】SS用万年筆
【思考】
1:俺は何者だ?
2:死にたくない
※6期までの6/氏とは別人です
※ミクのマスターであり、同時にミクのサーヴァントです
※人間失格です
【初音ミク@ボーカロイド】(マスター、クラス・セイバー)
【状態】満身創痍 SOS団臨時団員 称号『人間失格』
【装備】伝説の首領パッチソード@ボボボーボ・ボーボボ
【道具】支給品一式
【宝具】電子の歌声
【思考】
1:うそ……
2:マスターに従う
※6/のマスターであり、同時に6/のサーヴァントです
※人間失格です。あともうちょっとでボカロ失格です
【八意永琳@東方project】 (クラス・アーチャー)
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】不明
【思考】 基本::マスター(輝夜)に絶対の忠誠
1:セイバー、ライターを手当てする
2:バーサーカー達と協力する
3:ライダーとも再会したい
4:アーチャー(エミヤ)に助けた理由を聞く
【蓬莱山輝夜@東方project】 (マスター)
【状態】健康
【装備】ジャージ@現実
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:カオスロワ、聖杯戦争の優勝を目指す。
【赤鬼@泣いた赤鬼】 (クラス・バーサーカー)
[状態]健康
[装備]なし
[道具]きびだんご(桃太郎から奪った)
[宝具]不明
[思考]基本:マスターに従う
1:アーチャー達と協力する
【浦島太郎@童話】 (マスター)
[状態]健康
[装備]釣竿、亀
[道具]支給品一式
[思考]基本:優勝して、自分の失われた時間を取り戻す
1:アーチャー達と協力する
最終更新:2009年07月06日 09:53