此処は漫画喫茶の屋上。
屋上には黒ずくめの男と、烏天狗が1人ずつ。
そこに一羽のカラスがやってきて、黒ずくめの男の前に下りた。
男はつけているブレスレットからコードを引き出し、そのカラスに刺した。
「どうですか、黒桐さん?」
「……どうやら、僕達が休んでる間に色々あったみたいだ。掻い摘んで説明すると、まず、雄介さん達がアーカードナルドを退けた。
けど駄目だ、首を飛ばした位じゃ彼は死なない。でも、雄介さん達は無事みたいだし、此処は喜ぶべきだろうね。
あと、アーカードナルドがイーターを退けて、新しいマスターを手に入れた。
マスターはイーターの前マスター、
柊かがみ。彼らはどう動くかわからないから引き続き様子を見ておいたほうが良さそうだ。
次にイーターだけど、進路上に書き手3人組が居るね。それから、アングラーがイーターの居る方角に向かってる。
理由は……彼ららしいや、釣りを邪魔されたからだって。」
「そう……それじゃあ、肝心の私達の周りの状況に関する情報は?」
「良い知らせと悪い知らせがあるんだ。まず良い知らせは、ライター同士の戦闘が終わったって事。ライター・セイバー組が店の前に倒れてるよ。
それから悪い知らせは……彼らを治療しにアーチャー組とバーサーカー組がこっちに向かっている。
この様子じゃ、間違いなくこの建物の中に入ってくる。」
「で、でも見つかってもアーチャー組は私の知り合いですし、話し合いで何とかなるんじゃないんですか?」
「確かに何とかなるかもしれない。だけど、バーサーカー組は、アーチャー組が持っている情報を目当てに休戦してるんだ。
そんな所にその情報の提供主である僕達が見つかったらどうなると思う?
そうなると、アーチャー組の身の安全は保障されなくなるし、仮に僕達が保護されるにしても、最終的な身の安全は保障出来ないよ。」
「あやや……それじゃ、隠れる場所か逃げ場を探さないと……」
「駄目だ。今彼らは別のビルの屋上に居るんだ。此処からはこの入り口で丁度影になって見えないけどね。
彼らが僕達と全く無関係な人物なら良かったんだけど、アーチャーは君の知り合いでしょ?
だったら、下手に動いて見つかるよりはここでじっとしていたほうが良い。彼らがこの建物に入るまではね。」
幹也は説明の最中にも数羽のカラスの眼を通して永琳たちや周囲を確認している。
彼女達は今6/達の怪我の状態を確認している。
「それじゃあ、此処でじっとしてやり過ごすんですね?」
「ううん、それは無理だと思う。もし、僕がアーチャーなら絶対にビルの屋上に出て周囲を目視確認する。
だから、恐らくアーチャーが此処に来る可能性はほぼ100%だと思う。」
「じゃあどうするんですか!? 私は飛べるから良いですけど、黒桐さんは飛べないんですよ!?」
その言葉に幹也は考える。
そして周囲を見回して、幹也は結論を出した。
「うん、大丈夫そうだ。これなら、僕でもとべる。ちょっと疲れるけどね。」
「え? そんな方法あるんですか?」
「あるよ。けど、それは今は内緒。他の情報を確認してみよう?」
「そうですね。これまでに、ライター(偽)、チャレンジャー、ユダ、サイエンティストが脱落。
でも、サイエンティストは特殊な状況にあるみたいでその後、生存が確認されてますね。」
「これで、僕達を狙う追跡者が消えたことになる。
ただ、ユダを脱落させたバッターの情報が何故か分からないんだ。カラスの記憶を辿っても輪郭すらぼやけてるし、幾ら調べても分からない。」
「まあ、それはとりあえず置いておきましょう。他に何か分かってることは……キャスターの工房の位置ですか。一人増えてますが……」
「う~ん、橙子さんの性格から言って、多分聖杯戦争の勝敗は気にしてないと思う。
会話から考えると、妹さんと組まされたのが嫌だから、この戦いを仕組んだ人を殺す方向で考えてるみたいだね。」
「それじゃあ、増えているのは誰なんです?」
「様子を見ていたカラスの話だと、あれはキャスターが召喚したサーヴァントみたいだ。」
「と、言うことはサーヴァントが2人キャスター組に居るんですか?」
「そうなるね、ただ、彼が何者なのかもいまいち良く分からない。そもそも、何だか情報自体が存在していないって言うべきかな?」
「う~ん、新聞に書くには少し手間が掛かりそうですね、彼のことは。」
「ちょっと待って。キャスター関連の深い所、例えばもう1人のサーヴァントとかについては書かないほうが良いと思う。
もし、橙子さん達がこの戦いを根底から壊そうとしてるんだったら、此処は少し橙子さんのことは触れないほうが後々楽になるんじゃないかな。」
文は手帳を開いて今までの情報を確認しながら新聞記事の現行の見出しを考える。
幹也も幹也で、頭の中で情報を整理して見出しを考える。
まず、最初の見出しは秋葉原周辺のサーヴァント達。
それから、その周囲の危険人物及び有力者の情報だ。
下では、永琳による応急処置が気絶している2人に施されている。
「っと、もうすぐ中に入ってくるみたいだ。準備して。」
「本当に大丈夫なんですか?」
そう言っている間に幹也は自分にエーテライトを刺す。
そして、リミッターを外す準備をした。
「大丈夫だって。行き先はあのビル。それじゃ、行くよ!!」
「え、ええ!?」
文は慌てた。何しろ、突然手すりを飛び越えてビルの屋上から飛び出したのだから。
慌てる文を尻目に、幹也は向かいにあるビルの屋上にギリギリ着地した。
「だ、大丈夫ですか!?」
「……はぁ、怖かった。けど、やれば何とかなるんだな。」
「全く、もう少しで落ちるところだったんですよ?
それに黒桐さんが指定したビルはあそこですからあと幾つもビルを越えるんです。
本当に大丈夫なんですか?」
軽くジト眼で幹也を見る文。
「あ、あははは……ま、まあ何とかなると思うよ……?」
幹也の額には大量の冷や汗が浮かんでいた。
はあ……と文は1つ溜息を吐いて、
「そうですか。まあ、いいです。とりあえず先に行ってください。」
「え、あ、うん、分かった。」
そして、幹也がビルの手すりに足をかけ、跳躍した瞬間、
「それっ!!」
「う、うわぁぁぁあ!?」
文は突風を起こして幹也を目的地の方向に吹き飛ばした。
その後、自分も全力で飛んで幹也に追いついて、空中でキャッチした。
そして、目的地のビルにゆっくり着地した。
「び、びっくりした……」
「全く、幹也さんが跳ぶの危なっかしくて見てられませんでしたよ。
だから、手伝わせてもらいました。」
「あ、ありがとう……で、でも何をするか教えるくらいはしてくれても良いんじゃない? びっくりしたじゃないか。
あ。そういえば、雄介さん達に移動したことを伝えないと……」
「それなら、カラスを迎えに出せばいいです。っと、まずはこっちに呼ばないといけませんね。」
文が合図を出すと、カラスは一斉に此方に飛んできた。
それから、幹也と一緒にまた新聞作りに取り掛かることにした。
元居た屋上には、沢山のカラスの羽が落ちていた。
【一日目・15時40分/日本・蒲田】
【射命丸文@東方project】(マスター)
【状態】健康、多少の怪我
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:どうしよう……
2:この聖杯戦争を生き延びる
3:元の世界に皆で帰る方法を探す
4:雄介達に迎えを寄越す
【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】やや疲労 、多少の怪我
【装備】エーテライト
【道具】不明
【宝具】不明
【思考】
1:どうしよう……
2:式やその他の知り合いを捜す
3:文を手伝う
* * * * * * * * * * * * * *
その頃、此処はとある工房の中。中では、
「…………」
「…………」
殺伐とした雰囲気を醸し出す姉妹と、
「こんなことをしている間にも人が死んでるのか。……オラ、少し運動してくる。」
今すぐにでも飛び出したいのを我慢してそのストレスを運動で発散する英雄が居た。
「おい、外には出るな。それから、くれぐれも建物を破壊するんじゃないぞ。」
「ああ、分かってる。」
そう言うと、悟空は階段を下りていった。
橙子は煙草を吹かしながらそれを見送ると、窓の外を見やった。
そこには一羽のカラスが居て、眼を合わせた瞬間飛び去っていった。
カラスが飛び去ったのを確認するや否や橙子は、翡翠で出来た鳥を取り出した。
橙子が一言告げると、鳥は空へと飛んでいった。
「……どうかしたの、姉貴?」
「何、どこぞの何者かが私達を趣味悪く観察していたんでね。そいつが誰なのか突き止めるところだ。」
翡翠の鳥は橙子と知覚共有されており、鳥が見たものは全て橙子の眼にも入る。
鳥が追うのは先程のカラス。カラスは寄り道することなく、真っ直ぐ飛んでいく。
しばらくすると、カラスはビルの屋上に止まって鳴き始めた。
あたりには似たような形で多くのカラスが鳴いていた。
(どういうことだ? 主の元へ行かない? もしこれが連絡だとすれば……何処かに中継が居るな。)
すると、帰ってきた鳴き声で、追っていたカラスがまた動き出した。
カラスは、その鳴き声がした方向に一直線に向かっていく。
(さて、いよいよ私達に覗きを働いた不届き者の顔を拝見するとしよう。)
「あ、新しい情報が来ましたね。今呼んできますから待ってて下さいね。」
(この女か。しかし、呼んでくると言ったということは、もう1人……何だと?)
橙子は、女が呼んできた人間を見て絶句した。
女が連れてきた男にはあまりにも見覚えが有り過ぎたからだ。
「ご苦労さん。それじゃ、少し失礼するよ。」
(こ、黒桐!? 何故お前が!?)
橙子が多少なりとも狼狽している間、幹也はカラスから着々と情報を集めている。
カラスからの情報を集め終わると、今度は様々な文献から情報を探すと言う作業を行っていた。
そして、橙子はある違和感を覚えた。
(何だ? 黒桐から魔力を感じる? どう言うことだ?)
少し考えた橙子は、結論を叩き出した。
(そう、か。お前も聖杯戦争に参加してるんだな。いや、巻き込まれたのか。)
そして、使い魔を自分の手元に戻す。
「……どうだった?」
「くくく……誰が覗き見をしているかと思えば、まさか知り合いとはな。さて、位置は分かった。後はどうするべきか……」
橙子にとって、幹也の諜報能力は工房からあまり出られない以上、必須とも言えるものだ。
しかし、此処を動けない以上、接触するのは不可能だ。
橙子は、如何にして幹也を取り込もうか考えることにした。
【一日目・15時40分/日本・工房内】
【蒼崎橙子@空の境界】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、人形の入ったホイポイカプセル、人形創りの道具、煙草(この二つは支給品ではありません。)
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に青子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:この聖杯戦争について調べるがチャンスが来るまで動かない
2: 何とかして幹也を仲間に引き込む
3:式たちも一応探す(ただしあくまでついで)
【蒼崎青子@月姫】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式 、その他不明
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に橙子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:この聖杯戦争について調べるがチャンスが来るまで動かない
2:とりあえず襲ってき奴は軽く蹴散らす
※サーヴァントです(クラス:キャスター)。しかし橙子の令呪は効きません(意地)。
孫悟空のマスターです。
【孫悟空@ドラゴンボールZ】
【状態】健康、首輪無し
【装備】無し
【道具】無し
【思考】
基本: 主催者を倒し、元の世界に戻る。
1:青子と橙子を手伝う。
2:サーヴァントは腹へらねぇのかぁ。
※サーヴァントです(クラス:ヒーロー)。
主催者に存在を気づかれていないようです。そのため首輪と支給品はありません。
この世界の人間ではないので宝具は持っておりません。
参戦時期は本編終了後です。
* * * * * * * * * * * * * *
「さて、私はセイバーとライターが目を覚ますまで上で見張りをしています。起きたら呼んでください。」
「うむ、任せてくれ。」
永琳は漫画喫茶の一画に6/とミクを寝かせると、屋上に上がった。
そして、屋上に出ると、沢山のカラスの羽が落ちているのを見つけた。
「これは……カラスの羽? しかもこんなに沢山……」
その時、永琳の中にかつて抱いた疑惑が再浮上してきた。
それは、自分の武器である新聞の記者、文が敵に回ったらというものだった。
(偶然? それにしてはおかしい。カラスがこんな何も無い所に集まるはずは無い。
と言うことはやっぱり、彼女が使役していたと考えるのが普通。
そして、状況から考えて、彼女はわざわざ此処から飛び去った?
だとしたら何故私達に気が付いて、何故逃げる必要が有ったのだろう?
……どうやら、これは少し注意しておく必要が有りそうですね……)
永琳は、新聞屋について調査が必要かもしれない、そう思い始めた。
【一日目・15時40分/日本・蒲田】
【八意永琳@東方project】 (クラス・アーチャー)
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】不明
【思考】 基本::マスター(輝夜)に絶対の忠誠
1:セイバー、ライターを手当てする
2:バーサーカー達と協力する
3:ライダーとも再会したい
4:アーチャー(エミヤ)に助けた理由を聞く
5:新聞屋についてやや警戒
※他のメンバーは前回と同様です
最終更新:2009年07月08日 00:24