アットウィキロゴ
「……ラ、おき……、キラ」
「う、うう……」
震動と、誰かの声で目が覚めた。
ゼストとデビルガンダムに、特攻を掛けて僕は死んだんじゃないのか――と朧な意識で考えた。
「キラ・ヤマト、早く起きるんだ。我々はまだ死んではいないようだ」
「……え?」
段々とはっきりしてきた意識。視界いっぱいに広がる、計器や操縦桿の置かれた機械の空間。
キラは身体を起こす。とたん全身に寒気が走り、身を震わせる。
「ここは……」
キラは突然視界に現れた見慣れない空間に、キョロキョロと目を配る。
Jアークの、キングジェイダーのコックピットではない。
戦艦のブリッジのような広い空間ではないし、メガフュージョンの時に感じたあの不思議な空間でもない。
MSより少し広いとはいえ、明らかに少人数で動かす機動兵器のコックピットだ。
コックピットシートには、悠然と全裸で膝を組み、ティーカップに口を付けるシャギアがいる。
雄々しくそそり立つ自らの分身を隠そうともせず、優雅に、華麗に湯気の立つ黒い液体を飲んでいる。
「なんだ、夢か」
そう、これは夢。の今際の際に見た儚い夢。
キラはそう結論付けると地面に横たわり目を閉じた。金属のひんやりとした感触が肌に冷たい。
――なんだ、僕も全裸じゃないか。なんて夢だ――
世界がゆっくりと揺れ、回り、白らむ。思考がどこか宙に浮いていくのを感じ……
「起きろと言ったのだ、キラ・ヤマト」
「ッッ熱っヅい!?!?!?」
キラは、コーヒーをかけられた。

「気持ちは分かる。私とて、あの時重傷を負い助からんと思ったのだからな」
「はい……」
「しかし、助かってしまった以上それは受け入れねばならん。私達にはその義務がある。分かるな。」
「はい……」
「しかし君は目を覚ました瞬間それを放棄した。それがどういう意味か……クドクド……」
「はい……」
全裸で大真面目に説教をするシャギア。
全裸で正座しながらそれを聞くキラ。
シャギアから目を逸らすように俯き、気の無い返事を繰り返している。
「そこで私はオルバと叫ぶのだ! サァテラィトゥオ! ランッ! チャアアアアッッ!!」
一方ヒートアップの一路を辿るシャギアの説教はあらぬ方向へ飛び火していた。

『ヤカマシイナ、起キタノカ?』
突如シャギアの力説を遮るようにコックピット内に声が響いた。
キラにとってはあの濃密な2日間によく聞き親しんだ、愛着のある声。
シャギアにとっては一緒にいた時間は少ないとはいえ、最後を共にした戦友の声。
「トモロ!?」
『ハ? ともろ? 誰ソレ?』
によく似た声。
「あ、いや……」
戸惑いを隠せないキラ。よく聞けば、確かに全く別の声だ。
発音は無機質で、喋り方は非常に馬鹿っぽい。トモロには似ても似つかない。
「トモロ、じゃない……?」
『ダカラ誰ソレ?』
「トモロは……」
「なに、きっとまた会える。我々が生きていたのだからな」
動揺が隠せず、肩を落とし落胆するキラの肩に後ろから手を乗せ、シャギアが励ます。
(希望的観測は好きではないのだがな。とは言え、このままでは話が進まん)

「それで、だ」
一息を入れ、コーヒーカップを置き、シャギアは疑問を口にした。
「君は一体何者なのかね。そしてここは一体どこだ」
『俺カ?俺ハメカ6/。ソシテソコハ俺ノこっくぴっとノ中デ……外ハ地球? 多分』
「地球!? それじゃあ僕達は!」
キラが地球という単語を聞き、激しく同様する。
それもその筈。彼等は先程まで、地球とは遠く離れた異空間にいたのだから。
一方、シャギアは何か思う所があるのか落ち着いてコーヒーにまた口を付けている。
「多分って何ですか! 君は一体何を知ってるんだ!」
『イヤ、ソノダナ』
落ち着きを失ったキラは激しい口調でメカ6/をまくし立てる。
(サッキマデめかカガミノ内部ラシキ所ヲサマヨッテタハズナンダケド……地球ダヨナ、ココ)
しかしそんな事いくら聞かれてもメカ6/は何も知らない。
実はメカかがみが破壊された際に内部の隔離空間と外部の通常空間が接触した際の歪みで吹き飛ばされ、
その際に地球を覆うように広がったイナバパワーにメカ6/が引っ掛かり地球に運良く戻れたのだが、
それも知る筈もなければ分かる筈もない。
しかも今の金星に移った地球は、メカ6/内部に記録された地球のマップと少しずれていた。
頭脳がメガドライブであるメカ6/に何が起きているのか理解しろという方が無理である。
「落ち着きたまえ、キラ・ヤマト」
見かねたのか、シャギアがキラを制する。
シャギアに対しての信頼からだろう、不承不承ながらもキラはそれに応じた。
シャギアは頷き、さらに続ける。
「地球と言っても果たして私の地球か、君の地球か……。
 いや、どちらでもないだろうな」
『イヤ、ナニ言ッテンダオ前?』

シャギアがカオスロワにくる前に巻きこまれた戦いの参加者は、彼の知らない歴史の流れにいた。
「我々のいた地球に、少なくとも私が知る地球にはこのようなコックピットの兵器もAIもありはしないのだからな」
ならば、彼が今いる地球は、地球とは言え彼の地球であるとは限らない。
「そう……ですね……。僕も、そうです」
キラの声のトーンが下がる。落ち着いた、というよりは落胆した、という表情。
それは決して、元の世界に帰れなかった事に対してだけではないだろう。
しかし、蚊帳の外のメカ6/からすれば意味の分からない会話には間違いない。
『二人デ納得シテナイデ俺ニモワカルヨウニ説明シロ』
なので、当然のように彼は聞いた。
聞いた所でサターン未満の演算能力の彼に分かるわけないのだが。
「ふむ、いいだろう。しかし少し長い話になるからな。その前に……」
『ナンダ?』
「服が欲しいです……切実に……」

ここはテラカオスバトルロワイアル。
ようこそ全裸の園へ。

【18時30分/東京近郊】
【メカ6/@◆6/WWxs9O1s】
【状態】型式番号KKT‐6/WWxs9O1s ネオクルミウム合金製 体長60m 重量600t
【装備】絶対要議論剣ズガンソード、稲葉頑強無敵防護システムイナバリアー他
【道具】支給品一式  
【思考】
1:コイツラ(キラ、シャギア)ノタメ服ヲ探シニ行クカ

【キラ=ヤマト@二次スパ】
【状態】勇者、全裸
【装備】勇気
【道具】なし
【思考】
1:服が欲しい。切実に。
2:みんなは、トモロはどうなったんだろう……
【シャギア=フロスト@二次スパ】
【状態】ニュータイプ能力覚醒、勇者、全裸
【装備】勇気、コーヒー
【道具】なし
【思考】
1:服が欲しい。まあ全裸でも構わんが。
2:情報を得て状況を把握する。ついでにできればメカ6/を説得し協力者にする。
3:どうにかして戦いの結果(二次スパ)を知らねばな。
4:2人はシャギ☆キラ☆というのは……いや、そんな場合ではないか。
最終更新:2009年07月09日 00:37