「ふう、とりあえずはこんなところかな。一旦帰って報告しないとね。」
「そうですね。……それにしても、まさか地球が無くなってるなんて夢にも思いませんでしたよ……」
工房内が静寂に包まれている時、2人は情報収集をしていた。
幹也の異常な情報処理能力のお陰で情報自体はすぐに集まった。
今は無人の廃ビルの中で情報の整理をしているところだ。
「えっと、各惑星間が連絡通路で繋がっていて、小惑星帯はそれぞれの間をジャンプできるみたいですね。」
「それから、地球の地形が各惑星にランダムに散らばっています。……何てことキャスター達は信じてくれるんでしょうか?」
「まあ、仕方がないよ。本当のことなんだし、それこそ今後に関わる重大な事件なんだ。伝えないわけには行かないよ。」
幹也がそうやって話しているとき、文は気付いてしまった。
幹也の足元が消えかかっていることに。
「こ、黒桐さん!! あ、足元が!!」
「え? え、ええっ!?」
顔を蒼くして叫ぶ文の声で幹也も漸く事の重大さに気が付いた。
「な、何でこんなことに!?」
「ちょ、ちょっと待って、えっと……大変だ、魔力がなくなってきてる!!」
既に幹也の魔力は尽きかかっていた。
聖杯戦争が始まって以来、正規の魔術師ではないマスターの元で常に能力を使い続けていたのだから当然である。
「ど、どうすれば良いんですか!? 聖杯から基本的な知識は貰えてるんでしょう!?」
「う~んと……ええええええ~!?」
その知識に触れた瞬間幹也は赤くなってフリーズした。
文は、突如固まった幹也を心配して、顔を覗き込んだ。
「ど、どうしたんですか? 方法はあったんですか!?」
「あ、あったよ……で、でもね……」
「もったいぶってないで教えてください!!」
「そ、それがね……た、体液の交換って……」
「……どういうことですか?」
「うう……
ごめん、ちょっと耳かして。」
幹也は文にどういうことかを小声で説明した。
「え、ええええ~!? それ本当なんですか!?」
「う、うん……」
文はそういう幹也の顔を窺うが、さっきの反応からしてどうやら嘘ではないと判断したらしい。
2人とも顔を真っ赤にして俯いた。
「あ、あの……さ。む、無理はしなくていいよ? 何か別の方法を探してみるから、さ?」
「……その方法に心当たりはあるんですか?」
「えっと……ご、ごめん、見当たらないや。」
その言葉を聞いて文は大きく深呼吸をした。
そして、意を決して言い放った。
「わ、わかりました……今此処で貴方を失うわけには行きません……だから……ふ、不束者ですが、よろしくお願いします!!」
「ちょ、ちょっと、文さん!?」
「き、拒否は許しません!! 拒否するんだったら令呪を使ってでも貴方を繋ぎとめます!!」
勢いよくまくし立てると、文はまた黙って俯いた。
幹也はというと、どうすればいいのか分からずうろたえている。
「……黒桐さん。ひょっとして、自分が助かるかもしれなくても、私じゃ駄目なんですか? 私を抱くのがそんなに嫌なんですか?」
「あ、う、ううん、そんな事は無い、けど……その……良いの?」
「な、何度も同じ事言わせないで下さい……」
その言葉を聞くと幹也は少し天を仰いだ後、深呼吸をして言った。
「ありがとう。そ、それじゃあ、お、お願いします。」
「い、いえ、こちらこそお願いします。」
2人して思いっきり頭を下げる。
しばらくして、2人の間で静かな笑いが起きた。
「くすくすくす……何だかおかしいですね。」
「ふふふ……そうだね。僕達は何をやってるんだろうね。」
しばらく2人は笑いあう。
すると、文はゆっくりと幹也に近づいて、そっと抱きしめた。
「あ、文さん?」
「こういうのは雰囲気が大事だと思うんです。
私だって女の子ですから、ロマンチックな恋に憧れたりもするんです。
折角抱いてもらうんですから、少し付き合ってもらいますよ、幹也さん?」
「うん、分かったよ。えっと、じゃあどうすればいいかな?」
「まずはキスからお願いします。」
「うん、それじゃあ、失礼します。」
そう言って、幹也と文は瞳を閉じ、唇が触れ合う程度のキスをした。
お互いに眼を開き、ゆっくりと顔を離す。
「えっと、どうだったかな? 上手く出来たかどうか……」
「あの、私は初めてだったのでよく分からないんですが……その、キスって気持ちのいいものなんですね……」
「それじゃあ、上手くできたってことで大丈夫かな?」
「そうみたいです。……何だか両儀さんには悪いですけどね。」
「そうだね。僕も今度あったら謝らないとね。」
「ところで、もう一度良いですか? 今度はこっちからもしてみたいです。」
「うん、どうぞ。」
「そ、それじゃあお言葉に甘えて……」
2度目のキスはお互いの唇を吸いあうような長いキスだった。
途中、息継ぎをしようとして、お互いの舌が触れ合うこともあった。
「ふわぁ……幹也さん……やっぱり良いものですね~……キスって……」
「ふぅ、そうだね、文さん……」
2度目が終わる頃には2人ともかなり顔が上気していて、頭もぼんやりとしている。
それから、2人は何度も何度もキスを繰り返し、それは回を追うごとに情熱的になっていた。
そして、何度したか分からなくなった頃、
「はぁ……はぁ……み、幹也さん……そ、そろそろ……」
「う……うん……分かったよ……それじゃあ……」
そうして、2人はビルのソファに倒れこんだ。
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しばらくして、魔力の回復が終わった。
2人は今、リネン室から持ってきたシーツに抱き合ったまま包まっている。
「体の調子はどうですか、幹也さん?」
「うん、しっかりと足も見えるし、消える心配は無さそうだ。」
「良かった……幹也さんに消えられたらどうしようかと思ってたんですよ?」
「ごめん、ごめん。あ、そういえば、僕の呼び方変わってる?」
「あ、気が付きましたか。こういうことって恋人同士ですることですよね?
だから、少しでも恋人っぽくなれたらいいな、と思って変えたんです。」
「そうなんだ。でも、これから先もまた魔力が尽きるかも知れない。その時はどうするんだい?」
「そ、その時はまたその時ということで……でも、それならずっと恋人っぽく呼んでた方が良いですね。
これから先、「幹也さん」って呼ばせてもらっていいですか?」
「うん。良いよ。それじゃ、改めて宜しくね、文さん。」
「ふふふ、此方からもお願いします、幹也さん。」
2人はそう言ってお互いに軽くキスをした。
「この後どうする? 橙子さんを待たせてるし、もう戻る? それとも、今この周りには誰も居ないから、少し休んでく?」
「そうですね……流石に今は動きたくないです……もう少し休んでから行きましょう?」
「うん。分かったよ。それじゃ、少し休憩しよう?」
「はい、幹也さん。あの……その、キスしてくれませんか? どうも癖になっちゃったみたいで……」
「あ……うん、分かった。それじゃあ、軽くだけど……」
その後、何回かキスを繰り返した後、しばらくの間2人の睦言は続いた。
後で我に返った2人がこのときの事を思い出して悶絶したのは正しく余談である。
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【一日目・午前20時20分/金星・某廃ビル内】
【射命丸文@東方project】(マスター)
【状態】やや疲労 、若干の筋肉痛
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:どうしよう……
2:この聖杯戦争を生き延びる
3:元の世界に皆で帰る方法を探す
4:キス……気持ちよかった……
【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】健康 、魔力回復完了
【装備】エーテライト
【道具】不明
【宝具】不明
【思考】
1:式やその他の知り合いを捜す
2:文を手伝う
3:橙子達も手伝う
最終更新:2009年07月20日 00:34