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突如少女の姿となった二体目の聖杯だが、それはまだ聖杯の完成品には程遠いものだった。
今までに脱落したサーヴァントの魂は、すべてもう一つの聖杯に取り込まれている。
一つもサーヴァントの魂を吸収していない彼女はいわばただの物置と大差なく、このままでは何の力も発揮できない存在に過ぎないのだ。

それも当然、彼女はイナバ製作所社長により、本来の聖杯に万一のことがあった場合に備えて用意されたスペアでしか無いからだ。

彼女がただの物置のままであればそれでも良かっただろう。
しかし、偶然の結果か、誰かの姦計か、彼女はヒトの姿を得てしまった。
それでも彼女が目覚めることが無ければ、彼女はこのまま誰にも知られず、出来損ないの聖杯として朽ちていくだけだったに違いない。

だが、運命は彼女にそれを許さなかった。

「いつまで寝ているんだい? もう起きなよ」

彼女の目を覚まさせたのは一人の女性の声。

「そう、君だよ。君は本当にそれでいいのかい? このままスペアとして切り捨てられるだけの存在で?」

本来なら彼女にその声が聞こえるはずは無かった。だが、結果的に彼女に女性の声が届いたのは、その女性がある意味で
彼女と似通った存在だったからだろうか。

(私は……私は……)

確かに彼女に願いは無い。ゆえに意思も無く、感情も無い。
だが、聖杯の器としての本能だけはあった。スペアとして生まれたものは誰もが抱く、

(―――私が本物になりたい)

という本能が。

しかしすでにもう片方の聖杯は、着実にサーヴァントの魂を吸収して完成体に近づいている。
おそらく今後脱落するサーヴァントも、間違いなくもう片方の物置のほうに取り込まれるだろう。
ゆえに彼女が本物に成り代わることなど不可能なはずだった。

そう、「自らの手でサーヴァントを始末し、その魂を取り込む」という、聖杯戦争において反則中の反則とも言えるアイディアを
思いつくことさえ無ければ。


自分の足で立ち上がり、自分の意思で動き始めた聖杯が最初に出会ったのは、幸運にもサーヴァントだった。
それも二体。まあ片方は野比玉子症候群になっているから殺しても魂は吸収できまいが、もう片方は正規のサーヴァントだ。
(こいつらを殺せば、私にだって完成した聖杯になるチャンスが―――)
そして彼女は音も無く、そのサイエンティストとコーパレーターを擁する集団に襲い掛かった。

【一日目・午後8時30分/金星・東京上野】

【彼女@カオスロワ】(聖杯・二杯目)
【状態】健康 銀髪+白い翼
【装備】?
【道具】?
【思考】自分が先に聖杯になる。そのために自分の手でサーヴァントを殺す。


平沢唯@けいおん】(マスター)
【状態】疑似野比玉子症候群
【装備】ホロウの仮面(さわ子VER)
【道具】支給品一式、黒いカスタネット、ギター
【思考】
1:なにこの子?
※ホロウ化の持続時間は数分です

【獅子堂桜@宇宙をかける少女】(クラス:サイエンティスト)
【状態】疑似野比玉子症候群
【装備】ゆぴたん(宇宙をかける少女)
【道具】支給品一式、ドライバー一本
【宝具】不明
【思考】
1:なにこの子?
※疑似野比玉子症候群の効力は三時間くらいです
その間は無条件で復活します

【福路美穂子@咲】(マスター)
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】
1:なにこの子?

【サーナイト@ポケモン】(クラス:コーパレーター)
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、雀蜂雷公鞭
【宝具】不明
【思考】
1:なにこの子?

【鶴屋さん@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】にょろ~ん
【装備】不明
【道具】スコップ
【思考】
1:にょろ~ん

火星にある安土城。
リンを捕らえたという報告を今か今かと待っていた信長の元に戻ってきたのは、さっき再び出て行ったばかりの女性だった。
「相変わらず仕事が速いのう。して、手筈は?」
「はい。相変わらず本命の聖杯の場所は特定できませんが、何とかスペアの聖杯のありかを探り当て、覚醒させてきました。
狙い通り、スペアの聖杯を聖杯戦争に参戦させることに成功。聖杯戦争参加者を混乱させることは可能かと」
「ふむ。本命とスペア、どちらが先に聖杯として完成するか、見ものじゃのう。
しかしお主の働きにはほとほと感心するのう――テト殿」

【一日目・午後8時40分/火星・安土城】

織田信長@戦国時代】
【状態】不明
【装備】不明
【道具】不明
【思考】1:鏡音リンから、ボーカロイドたちのことについて聞き出す

※テトがリンたちボーカロイドの知り合いであることに気づいていません

【重音テト@UTAU】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本:???
1:今は信長に協力する

※彼女は主催者の1人です。6/レプリカを作ったのは彼女です。
※自分がボーカロイドたちの知り合いであることは、他の主催陣営には秘密にしています
最終更新:2009年07月24日 09:33