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廃ビルの中の混乱はひとまず落ち着き、幹也はそれぞれに事情を説明した。

「……は、それを信じろとでも言うのか?」
「まあ、無理に信じて欲しいとは言わないけどね……」

そしてそれは士によって一笑に付された。
対して項垂れて溜息を吐きながら幹也は返答した。

「それよりもこのままでは話が進みませんし、早速情報交換しましょう。」
「そ、そうですよ。あんなことの追求よりもそっちが先です!!」

そしてそれを雄介が宥め、文が先を促す。

「そうだな。まあ、とりあえずこっちからだ。知ってるとは思うけど、アイツは倒した。」
「はい、此方も確認しました。ですが、アーカードナルドは未だに健在ですね。」
「何? どう言うことだ?」
「ナズェイキテルンディス!」

文が開示した情報に士と一真が理由を求める。
それに対して、幹也が答えた。

「アーカードナルドは今までに取り込んだ命を使って、ある程度の不死性を持っているんだ。
現状、このテラカオスバトルロワイアルではその能力は制限されていて、心臓を貫けばその命を絶つ事が出来る。
けど、君達は首を刎ねた。その結果、アーカードナルドは通常通りの不死性を発揮して、復活したんだ。
現在、彼はマスターのサーヴァントとして新しいマスター・柊かがみと一緒に行動しているよ。」
「くそ、何てこった。折角倒したと思ったのに……」

説明を受けて肩を落とすユウスケ。
倒すのにかなり苦労したのだから当然である。

「では、次は俺から……」
「あ、待ってください。幹也さん、あれ使った方が早いんじゃないですか?」
「あれ? あ、ああ、あれか。待ってて、今持って来るから。」

そう言うと幹也は席を立ち、奥の部屋に入って行った。

「アルェテナンディスカ!」
「話すよりももっと分かりやすく、手早く情報が得られる道具ですよ。」
「それ、安全なんだろうな?」
「はい、幹也さんが言うには、無理矢理引っこ抜こうとしない限りは大丈夫みたいです。」

そう話していると、幹也が戻ってきた。
手には、ブレスレットからコードが出たようなもの、エーテライトがある。

「お待たせ。それじゃ、始めるよ。」
「俺達はどうすれば良いんだ?」
「何もしなくても良いよ。すぐに終わるからね。」

そう言うと、幹也は次々にエーテライトを挿していく。
最後に士の頭に挿した。
その瞬間、幹也の動きが一瞬止まった。

「……どうした?」
「え? あ、いや、何でもないよ。えっと、あの漫画喫茶の中の人の情報が知りたいんだね。
あの中には、セイバー、ライター、アーチャー、バーサーカー、イーターの5人のサーヴァントと、そのマスターが居る。
そのほかにも、近くにライターのレプリカやボーカロイド、それから物陰に2人居る。
まだこの先どうなるか分からないけど、この様子じゃどうも争いが起きそうだよ。」
「分かりました。ところで、貴方方はこれからどうされますか?」
「僕達は君達とは別行動で色々とあたってみるよ。君達はどうするんだい?」
「俺達は……この戦いを終わらせるために戦います。アーカードナルドも、放っては置けませんし。
それから、他にも協力してくれる人が居ないかどうか探してみようと思います。」
「そうですか……くれぐれもこの先気をつけてください。」
「ああ、情報が欲しくなったらまた頼む。」
「その時はカラスを見つけてください。そのカラスが私達のところへ案内しますから。」
「分かった。それじゃ、またな。」

そう言い残して仮面ライダー4人は去っていった。

幹也は立ち上がると、移動する準備を始めた。

「もう帰るんですか、幹也さん?」
「ううん、まだもう少し他の情報を探すことにするよ。
君の知り合いや、雄介さん達の為に少しでも多く情報を集めないとね。」

そう言うと、幹也は笑顔でビルの階段を降りていった。

「幹也さん……」

残された文は1人思う。

(あんなに綺麗に笑ってたのに、魔力を供給してから笑顔が何だか変わって見えます。
……今の笑顔は見ていて苦しいです、幹也さん……)

文は、幹也の変化に気が付いていた。
屈託の無かったあの笑顔が、文を抱いた直後から何処か暗い影を帯びていた。
それは、普通なら気が付かないような小さな変化。
だが、幹也の笑顔をずっと見ていた文には気付く事が出来た。
文は、複雑な気持ちのまま、準備を始めた。



一足先にビルから出た幹也は、その場に座りこんで空を仰いでいた。

「は、ははは……見てたんだね、式……君にだけは見られたくなかったのに……」

黒桐幹也の心の中を埋めているのは、式への裏切りに対する罪悪感と自己嫌悪、そして謝罪の言葉。
近くに寄ってきたカラスの頭を撫でて、エーテライトを挿し込む。

「今、橙子さんの所に居るんだ……困ったな、君に合わせる顔が見つからないよ……」

幹也の精神はボロボロだ。
さっきも文にかろうじて笑顔を返す事が出来たが、恐らくばれているだろう。
今にも泣き出しそうだった。しかし、幹也は泣かなかった、いや、泣けなかった。
とても悲しいのに、何故か泣く事が出来ない。

「どうしようかな……こんな気持ちじゃ、会いに行けないよ……」

幹也は空を見上げ、独り言のように呟いた。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


【一日目・21時00分/金星・某廃ビル前】


【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【状態】健康
【装備】アークル@仮面ライダークウガ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:この殺し合いを止める
2:他の協力者も探してみる

【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】アークル@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:この殺し合いを止める

【門矢士@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド  ライドブッカー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:全てを破壊し、全てを繋ぐ
※一真のことを剣立カズマ@仮面ライダーディケイドだと勘違いしています


【剣崎一真@仮面ライダー剣】
【状態】オンドゥル
【装備】ブレイバックル@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式
【思考】
基本:平和を取り戻すために戦う


【射命丸文@東方project】(マスター)
【状態】健康 、幹也が心配
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:どうしよう……
2:この聖杯戦争を生き延びる
3:元の世界に皆で帰る方法を探す


【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】健康 、自己嫌悪
【装備】エーテライト
【道具】不明
【宝具】不明
【思考】
1:式やその他の知り合いを捜す
2:文を手伝う
3:橙子達も手伝う
4:しばらくは帰りたくない
最終更新:2009年07月24日 19:26