この抑制となるべきヒューズが、激しくイカれた日本中の光景を見ても、アシュリーは怯まなかった。
壊滅した都市。疫病が蔓延する魔都…その月の光に照らされた街は、常に紅く見えた。
その光景に慣れていたのか、望んでいたのか分からない。誰も彼女の考えなど読もうとしないだろう。
彼女はそれだけ別次元のオーラを周囲に発散させている。
彼女が乗っている鳥の様な乗り物は、凄まじい飛行能力を持っていた。時々地面に降りて、主動力をチャージしなければならないが、十分過ぎる性能だった。
「…あれ…」
アシュリーが見つめる先には、より強大な何か、それを感じさせる、城の様な巨大な建築物。あそこにアシュリーが求める絶大な魔力はあるのか。
「…おもしろそう…」
―彼女は気付いてはいたが、先程からヘリコプターが彼女について来ている。
中には必死の形相の眼鏡をした日本人の女が居る。
「…チッ…」
あの建造物に早く近づきたいのに。彼女はヘリコプターが気に入らない。アシュリーは適当にヘリコプターを撒くことにした。
アシュリーは大きなUターンをすると、巨大な塔を通り抜ける。そのアシュリーの速さに、風はうめき声を上げた。
ヘリコプターはやはりついてきた。
アシュリーはうまくカーブを繰り返す。ヘリコプターは構わずアシュリーに直線的に向かった。
刹那、ヘリコプターの内部が爆発音と共に紅く染まった。
「…」
アシュリーは地に降り、崩れたビルの上で燃え盛るヘリコプター、首輪ごと首の無くなった死体を見つめる。
悟った。ここは主催者側が言っていた禁止エリアなのだと。
周囲にも死体が散乱し、大体先程までの状況は予測できた。
「…ふう」
人は脆く弱い。例え強くても、心臓や頭を撃たれれば終わりだ。アシュリーはそんな弱々しい生き物とは違う。…仮にも魔女なのだ。
アシュリーがよく自分の乗っていたこの乗り物の下を見ると、まだ血が噴き出したばかりの死体が埋まっていた。
その青い髪は満月に照らされて更に美しく光っていた。
デパートメントの上の一つの影は、この東京の惨状をただ見るしか無かった。
幽囚の檻として存在するこの日本では現実に
ゲームが起きている。
いや、青い髪の女、マリアにとっては『擬似空間』と言う名の『現実』に過ぎなかったが。
彼女はこの世界が本来どの様に構築されているか知っている。それ故に自身が遺伝子改造を施された事も―
(こんな強力な敵まで日本に呼び寄せるなんて…ルシファー以外に誰がそんな事を?)
単にマリアにはそれ以上の相手は思い付かなかった。だが、放送時の声があまりに違う。
「マリア、この建物の食べ物を全部確保したクポ!」
屋上への入口から、ぬいぐるみの様な風貌の何かが出てくる。
「ええ、このデイバックが幾つでも入る構造で良かったわ。」
マリア達は立て篭もる事にした。あくまで今回の殺し合いは食べ物の争奪戦。
食べ物さえあれば取るに足らないのだ。まだ、このデパートには僅かながら食料が存在した。
「…カロリーメイト、カロリーメイト、カロリーメイト、カロリーメイト、スーパーミルク、豚挽き肉、…」
そのぬいぐるみ―否、モンブランが持って来たデイバックの中身をマリアは確認する。一応モンブランと二人で一日半は持ちそうだ。
その頃、そのデパートの入口近くでサングラスをしたスーツ姿の男がうろついていた。
屋上に居たマリア達がそれに気付く筈も無かった。
【アシュリー@メイドインワリオ】
〔状態〕良好
〔装備〕ドラグーン@星のカービィ
〔道具〕支給品一式
〔思考〕TDLへ向かう。
【東京都国会議事堂上】
【東京都銀座】
【マリア・トレイター@スターオーシャン3】
〔状態〕良好
〔装備〕???
〔道具〕支給品一式
〔思考〕無意味な殺し合いはしない。
【モンブラン@FFTA】
〔状態〕良好
〔装備〕???
〔道具〕支給品一式 食料
〔思考〕とりあえず生き残りたい
【エージェントスミス@MATRIX】
〔状態〕良好
〔装備〕???
〔道具〕支給品一式
〔思考〕不明
最終更新:2007年01月13日 13:44