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「お兄ちゃんおきて、朝だよ、学校に遅刻しちゃうよー」
まどろみに包まれた俺の脳に妹の声が響く。
「新学期の初めから遅刻するつもりなの!」
ゆさゆさと揺さぶられる俺の体。後五分だけ……

ち よ っ と 待 て 

俺に妹なんているわけがない。
せいぜい居候の人外ロリ、アル・アジフがいるぐらいだが
間違ってもアルがこんな萌える台詞を吐くわけじゃない。
なら俺を呼び覚ます声の持ち主はダレナンダ……
ゆっくりと、恐る恐る瞼を開く俺。
「やっとおきた~、お兄ちゃん、おはよう」
俺の眼に映ったのは爽やかな笑顔を浮かべたマスターテリオンだった。

「うっ……うぁぁぁぁぁああ゛あ゛あ あ゛ ぁ あああぁあーーーー」
清々しい朝を切り裂く俺の絶叫が森に木霊した。

「朝から騒々しいぞ大十字九朗、余自ら起こしに来てやったのだぞ」
「どうした九朗、昨日食べた物があたったのか?」
騒ぎを聞きつけたアルが俺を見つめるが当の俺はと言うと……
「グリリバ声の妹なんて俺にはいない……いないんだ……」
現実逃避していた。


「んで、ここはどこなんだよ?」
あたりを見回すが一面の森、森、森。
どこだよここ!俺はついさっきまで街中にいたんじゃないのかよッ。
「九朗が寝てる間に移動したのだ。街中でデモンベインは目立ちすぎるからな」
「貴公は日本人なのにここがどこかも解らぬほど愚かだとは……」
「うるせーよ」
「ここは富士山の麓の樹海だ。ここなら人も来ぬからな」
「でもよ、こんな深い森じゃあ俺達も迷っちまうぞ」
「それなら大丈夫だ。ここから百メートルほど進めば国道に出る」
「なんだよそりゃ……まあいいや、とりあえず森を出ようぜ」
俺達はデモンベインを樹海に隠し、外に出ることにした。


「ふう……ようやく国道に出られたぞ」
確かに国道まで百メートルほどしか距離は無かったのだが、樹海はあちこちが隆起や陥没しており歩きにくいことこの上なかった。
たかが百メートルを移動するのに三十分以上かかってしまったのだ。
「そういえばマスターテリオン、お前がいつも連れてるやつはどうしたんだ」
「エセルドレーダのことかね大十字九朗?それは余も知らぬ」
「あんたの魔導書だろ……」
「大方他の者の装備品として支給されてるのであろう、余と同じようにな」
まあリベル・レギスが無くてもデモンベインとタイマン張れる奴だからなコイツは。
味方でいてくれて大助かりだぜ、性格はアレだが。

国道を歩いていた俺達はいつのまにかにテーマパークのような場所に辿り着いていた。
「富士急ハイランド……だってさアル」
「そのようだな」
「わーい遊園地だよお兄ちゃん!私初めてだよこんな所~。いっぱいいっぱい遊ぼうねっ」
「黙れマスターテリオン。……はあ、とりあえずあそこで休憩するか」
こうして富士急ハイランドの入場ゲートにやって来たのだが……

「ちょっとそこの貴方、頼みがあるの。いいかしら」
突然、俺の近くで声がした。
「何か言ったかアル」
「何も言ってはおらぬぞ」
「またお前かマスターテリオン」
「これだから貴公と言う人間は……貴公の目は節穴か?貴公の足元に何とも美しい人形がいることに気がつかぬのか?」
「あら、私の美しさを理解できるなんて人間としては大した者ね」
マスターテリオンに促され足元に視線を移すと、一体の人形が立っていた。
いわゆるロリータファッションに身を包んだ人形とでも言うのだろうか
マスターテリオンの言うとおり気品を感じさせるその人形は、まるで生きてるように動き、言葉を発していた。
で、その姿を見つけたアルの反応なのだが……
「何だこれは?小汚い人形よのう」
「レディに向かって小汚いとは失礼な小娘ね」
いきなりケンカを売っていた。
「なっ……世界最強の魔導書、アル・アジフたる妾に向かって小娘だとぉ!」
「あら失礼、ならば古本娘とお呼びいたしますわ」

これが俺、大十字九朗とローゼンメイデン第五ドール、真紅との出会いだった。
はあ……俺ってどうしてこう偉そうな女と縁があるんだろう……
悩む俺をよそにマスターテリオンは「ああ……美しい」とトリップしていた。

【山梨県富士急ハイランド 三日目 8:00】
【大十字九朗@デモンベイン】
[状態]:健康
[装備]:デモンベイン(初期装備)、アル・アジフ(初期装備)、マスターテリオン
[道具]:支給品一式
[思考]
1:殺し合いには乗らない
2:散ったページを集める
3:また厄介なことが……

【真紅@ローゼンメイデンシリーズ】
[状態]:不明
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考]
1:そこの人間、頼みがあるの
2:なんて失礼な小娘なのかしら




最終更新:2007年01月13日 13:50