「んーん、よく寝れたわ」
久しぶりによく眠った。おかげで体の調子がいい。絶好調である。
「咲夜ー。紅茶ー」
自分の従者の名前を呼ぶ。しかし、返事がない。
「咲夜ー? さーくやー?」
何度も呼びかけてみるが一向に気配は見せず。
ベットから体を起こし、部屋を一通り見回す。
「んっ!?ここはどこなの?」
ベットで寝ていたが、ここは自分の館の自分の部屋ではないことに気付いた。
そもそもここは幻想郷ですらない……
「落ち着け私、こんな時は深呼吸よ、すーはーうーうーれみりあうー…」
何とか平常心を取り戻そうとするが、深呼吸する度にカリスマがどんどん下がっていく。
カリスマ指数急降下中である。
「れみりあうーうーれみりあうー…よし!落ち着いた!」
完全に落ち着いて部屋を出ようとした。その時である。
「誰だ、お前は?」
「ひゃいっ!!」
☆ ☆ ☆ ☆
どうも、語り部のイナバ君(仮)です。
ああ、俺は女ですよ。一人称が俺の女がいてもいいじゃないですか!
まあ、それは置いといて俺は今、製作所内の見回りをしています。
先程、社長には『特に異常なしです』と言ったんですが、コーヒーを飲んでいてすっかり忘れてました。
だから、今こうやって製作所内を見回りをしています。一応、パニッシャーを担いでいます。
護身用ですよ護身用、でも製作所内でこんなものをぶっ放したら死にますよ、俺が。
製作所内はどんなことが起こっても大・丈・夫!らしいんですけど、パニッシャーの発射の衝撃で俺が死ぬから。
余談ですが製作所を作ったのは先代の社長らしいんですよ。一体どんな人だったかというと、
社長が言うには、
『身長100m以上、体重2兆tで、弱パンチ一発でグレートゼオライマーが死んで、
「小学生が一時間掛けて考えた絶対無敵ロボ」を足の小指でなぎ倒し、食べることができ、スティールボールラン優勝できて、
口から吐くエネルギー弾で天元突破グレンラガンが超ヒモ状態にまで分解することが出来る“人間”』
らしいんですよ。……勿論『社長の冗談』なんですけどあの人が言うと本当のような気がしてならない。
さて、製作所内の見回りも後は仮眠室だけです。んっ、中から誰かの声がする。
「れみりあうーうーれみりあうー…よし!落ち着いた!」
声を聞くには10歳ぐらいの小さい女の子ですね。とりあえず……
「誰だ、お前は?」
「ひゃいっ!!」
声を掛けてみた。うむ、可愛らしいリアクションだ。
おっと、俺はロリコンじゃないぜ。ロリコンがいるとすればそれは人の心だ。
「あんた誰?」
「イナバ君(仮)とでも言っておこうか、お嬢さんは?」
「吸血鬼レミリア・スカーレット、それで一体、ここはどこなの?」
「ここはイナバ製作所だ。それと面白いこと言うね、お嬢さん」
ははっ、吸血鬼だってよ。そんなものいる訳ないじゃないですか。
それにさ今、俺は十字架(パニッシャー)を背負ってるんですよ。
吸血鬼だったら、十字架を恐れるのは当たり前ですよね。レミリアちゃんは全く恐れていません。
―脚注―
レミリアは吸血鬼である。なので日光に弱い、流れ水を渡れない、にんにくは苦手、
鰯の頭も苦手と吸血鬼ならではの弱点を持っているが、十字架には強い。(東方永夜抄マニュアルより)
大体、この世の中にいるのは人間かもの凄い人間の二種類しかいないんですよ。
それに吸血鬼ってのはカリスマがあるって聞きますけど、レミリアちゃんにはそんなものが全く感じません。
そうか、レミリアちゃんはちょっと頭が残念な……いや、電波な娘なのかな。羽とかついてるし。
「とりあえず、紅茶を淹れて頂戴」
「ははっ、なんでやねん」
しかも、もの凄くおませさんのようだ。
「いいかしら、私は吸血鬼レミリア・スカーレット、そしてここは今から私の城」
「いや、ここの所有者は社長ですよ、しかも城じゃないし」
「だったら、その社長に会わせなさい!」
「そんなこと、俺に言われても……」
「呼んだか?」
げっ、この声は……
☆ ☆ ☆ ☆
「
様子見で戻ってきたら、見回りもせずに遊んでいるとはな……まあいい。
減給処分だけで勘弁してやろう」
「そ、そんな~」
「ならば、早く持ち場に戻りなさい。解雇処分にするよ」
「それだけは勘弁」
そそくさとこの場を立ち去るイナバ君(仮)と名乗った女性。
その代わりに現れたのは出鱈目にして無茶苦茶なほどの存在感を持つ人間。
いや、人間なのかどうかすらも怪しい男だった。
「……まあいい、それで私に何か用かい、お嬢さん?」
私に話しかけてきた。あれ、おかしい、声が背後から聞こえた。
さっきまで、私の後ろには誰もいなかったはずなのに、それにこの部屋には私と彼女しかいなかった。
「あなたが
イナバ製作所社長ね。一目見ただけでわかったわ」
「そういう、お嬢さんは吸血鬼のようだね」
いきなり、種族がばれている。魔眼使いかなにかなの?
それに纏ってる空気が異質すぎる。
「私は……「レミリア・スカーレット」えっ!?」
名前まで知られている。
「さしずめ、私を倒して、ここの主になろうとでもしているのか……まあいい」
私の思考まで読まれている。エスパーそれともさとり……
「いや、ただの“人間”だ」
やっぱりだ。この男に私の全てが見透かされているようだ。
……待てよ。ただの人間だったら……
☆ ☆ ☆ ☆
「勝負よ、
イナバ物置製作所社長!」
「私の名前はイナバ製作所社長なのだが……まあいい。
で勝負って何をするんだい?」
「スペルカードルールによる弾幕ごっこよ」
レミリアはただの人間だったら普通に勝てると思い弾幕勝負を仕掛けた。
「ルールはスペルカードルールだけど、ハンデをあげるわ。
私はあなたを五回被弾させたら勝ち。あなたは私を一回でも被弾させたら勝ち。
私が勝ったら、ここの主は私になり、今日からここが私の城よ」
「随分と余裕だな……まあいい。
じゃあ私が勝ったら、レミリアちゃんは今日からここの社員だ」
BGM 亡き王女の為のセプテット
「あなたは今まで食べてきたパンの枚数を覚えてる?」
「7,404,612枚、生憎覚えてるんでね」
「そ、そうなの……(なんなの、この人?)」
そして戦いが始まった。
空中に赤い粒子が漂い、レミリアの右手に収束する。そして放たれる。
「行くわよ!『神槍「スピア・ザ・グングニル」』!」
レミリアの持つスペルカードの一つである。かなりの速さの槍がイナバ製作所社長に向かって迫り来る。
しかし、イナバ製作所社長は余裕綽々といった感じで避ける。そして、
「……“イナバの巣”」
“無限の物置(アンリミテッド・イナバ・ワークス)”とは違う固有結界を展開し、世界を塗りつぶす。
「こ、これは一体なんなの!?」
(空間を操る能力それとも幻覚を見せる能力、いや、そのどちらでもない)
幻想郷でも体験したことのない感覚がレミリアを襲う。
「お答えしよう、お嬢さん。“イナバの巣”、私の持つ固有結界の一つだ」
「固有結界ですって!?」
レミリアは固有結界のことを知っていた。
(確かパチェもそんな魔術のことを研究していたけど結局、パチェには出来なかった。
魔術の到達点のひとつとも言われる禁呪をどうしてこの人間が?)
「さて、一気に決めさせてもらうよ」
現れたのは椅子や机、書庫やカウンターなどのイナバ製製品である。
そう、“イナバの巣”で具現化される世界はイナバグループのショールームである。
「さあ、ゆっくり休んでいけ!!」
「この椅子は……もの凄く座りやすい」
「イナバ製作所はな…物置を作っているばかりじゃないんだぞ…!!」
「仰るとおりです。社長さん」
完全にイナバ製作所社長のペースに嵌まってしまったレミリア。
さらに社長の攻撃(?)が続く。
「あっちの机なんかは勉強をするのには持って来いですよ」
「そうね今度、フランにプレゼントしようかしら」
レミリアが机がある方向に移動しようとした。その時、
「隙あり、喰らいなさい!」
「し、しまった!?」
ピチューン!!
一瞬の隙を突き、イナバ製作所社長は手に持っていた超小型イナバ物置をレミリアに命中させた。
勝負は決した。レミリアの敗因はたった一つ。非常に単純(シンプル)なものだった。
『イナバ製作所社長という、とんでもない人外を相手にしてしまった』ということであった。
☆ ☆ ☆ ☆
「私の勝ちのようだね」
「そんな……ウソ……(運命を操って絶対に勝てるように仕組んだはずなのに……何で?)」
運命を操ろうが関係ない。なぜならば、レミリア・スカーレットが紅魔館でそうであるように、
ここではイナバ製作所社長が絶対的存在であるのだから。
「あなたは本当に人間なの?」
「私に出会ったものは皆、その質問をする……まあいい
私は魔術を習ったことがある“人間”だよ」
……何度でも言いましょう。
貴 方 の よ う な 人 間 が い る か !
「まあいい、それでは入社の手続きを始めようか」
「ちょっと、入社の手続きってなによ!」
「君は私に負けた。しかも、自身から仕掛けた戦いで、
私が勝ったら我がイナバ製作所の社員になるという約束をしていたのではなかったのか?」
「うっ、それは……」
「それとも何か、誇り高き吸血鬼は約束を破るのか?」
「(断ったら何だが嫌な予感しかしない。……もうどうにでもなーれ)わかりました。入社します」
こうして、レミリア・スカーレットは生まれて初めて手に職を付けることとなった。
「そうか、じゃあこっちの書類に名前とかを書いてね」
【
二日目・4時/新惑星大田区】
【イナバ製作所社長@現実?】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式その他不明
【思考】
1:大・丈・夫!
2:聖杯戦争を静観するつもりだったが……まあいい
3:???
※実はこの聖杯戦争の監督役です。
※聖杯がどこにあるか知っています。
※聖杯の完成を望んでいます。
【レミリア・スカーレット@東方Project】
【状態】若干の疲労、カリスマブレイク、やけっぱち
【装備】なし
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】 基本:イナバ製作所で働く
1:私はニートをやめるぞ! 咲夜ーーっ!!
2:イナバ製作所社長に従う
※若干二次創作色が強いです。
※イナバ製作所に就職しました。
【イナバ君(仮)@語り部】
【状態】健康
【装備】イナバ製作所製パニッシャー(重機関銃残弾残り弾数100%/ロケットランチャー残り弾数100%)
【道具】支給品一式その他不明
【思考】
1:とりあえず、働く
2:死にたくない
※レミリアのことを頭が残念な娘だと思っています。
※女性です。
最終更新:2009年09月08日 07:31