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橙子が幹也にイナバ製作所の周囲を調べさせて少し経っていた。
「橙子さん、頼まれていたものですが…」
「ああ」
煙草を吸っていた橙子に幹也は一つのファイルを渡した。
「…なるほど。何人かあちらに向かっているのか」
橙子はファイルを見ながら呟く。
今イナバ製作所に向かっている人物は数はそんなに多くなかった。
「…ん、黒桐、この『サーヴァント?』とは何だ?」
「それですか。実はですね、そのサーヴァント、サーヴァントというのはわかるんですけど、詳細がまったくわからないんです」
「お前でもか?」
橙子の問いに黒桐は頷く。
「…これを見る限り、ただあちらに向かっているわけではないな。もしそのサーヴァントと接触するのなら早い内がいいが…」
今主催者はアーチャー達と大規模な戦闘を行っている。
つまり、今なら悟空を動かすことが容易だ。
もしそのサーヴァントと接触するのならば、悟空は連れて行くべきだろう。
「…ちょっとそのファイル貸して」
「ん、ああ」
読んでいる橙子の隣にいた永琳が受け取ったファイルを見た。
「…もしかしたらこのサーヴァント、02が言っていた『バッター』じゃないかしら」
「何か知っているのか?」
「ええ。そのサーヴァントはおそらくバッターで真名はイチロー、マスターは主催者の織田信長よ」
「なに…それは本当か?」
橙子の問いに永琳は頷く。
「それが本当なら…何故奴は製作所に向かっているんだ?」
この聖杯戦争を開いた者が織田信長ならば、監督役とは何かしらの通信手段があるはずだ。
まず考えられることは織田信長が聖杯が必要となったから。
だが、信長は今、ランサー達と大規模な戦闘を行っている。
この状況で自分のサーヴァントを使ってまで聖杯を回収する必要があるとは考えにくい。
次に考えられることは監督役の口封じ。
確かに監督役が奴ならばサーヴァントでもない限り返り討ちにあうだろう。
だが、聖杯戦争はまだ半分以上のサーヴァントが残っている。
この状態でわざわざサーヴァントを使ってまで監督役を殺すとは考えにくい。
そもそも監督役と信長は繋がっているのではないのか?
いくらなんでもサーヴァントと連絡が取れないというわけではないだろう。
では何故バッターが製作所に向かっている?
「…解らんな。だが、どちらにしろ製作所には行った方がいいだろうな」
バッターの狙いが何であろうと、もたもたしているわけにはいかない。
もし奴が監督役を殺したり、安土城に連れて行くのならば阻止しなくてはいけない。
そうしなくては聖杯戦争について調べるのが非常に困難になってしまう。
「あの、橙子さん、青子さん。製作所にいくのなら、その監督役の人のことを教えてくれませんか?」
文はさっきから気になっていたことを橙子と青子に尋ねた。
「そうだな。確かに知っておいて損はあるまい」
橙子はその問いに頷いた。
「全員座れ。今から私達が知る限りの奴のことを話してやる」

「奴は私と同じように魔術師でね。奴は…いや、正確には代々のイナバ製作所社長は魔術師にとっては異端の中の異端なんだ」
「異端…日本で大きく商売をしていることがですか?」
「もちろんそれもあるが、奴等はね、自分の子供を自分の後継者にしないんだ」
「え、じゃあ、後継者がいないんですか?」
「正確には才能のあるものを世界中で探し、その中の一人がイナバ製作所社長になる」
魔術師の目的は主に『根源の渦』に到達することである。
そして魔術師は自分が死ぬ時、自分の子孫に根源の渦への到達の悲願を託す。
それを繰り返し続ける者を世界は魔術師という。
「奴等の魔術は特殊でね。奴等が使う魔術は投影といわれる類のものなんだ。投影のことは今は言わない。ただ、奴等が使う投影は普通の投影じゃない」
「ちょっと待ってください。それじゃあ橙子さんみたいに封印指定されるんじゃないんですか」
封印指定とは、学問では習得の不可能な、一代限りの希有な才能に対し、魔術協会がサンプルとして保護する旨を伝える令状のことを指す。
封印指定された術者は保護の名の下に一生涯幽閉されることになる。
魔術師にとっての最高の誉れであり、同時に最大の災難であり、大半の者は逃亡することを選ぶ。
「もちろんだ。実際に先代の社長は教会の追っ手と戦ったらしい」
結局逃げられたがな、と橙子は言った。
「そこで奴等はある方法を考えた。その方法が魔術師達が奴等を異端と呼ぶ一番の原因だ」
「…なるほど。それが会社の経営ね」
永琳の呟きに橙子はご名答、という。
「魔術師の本質は隠すことだ。それを奴等は逆手にとった。もし自分がなんらかの形で消えた場合、世間が騒ぎ立てるように仕向けた」
会社の社長が行方不明になった時、そのことはまず間違えなくニュースとなり世間に広がる。
もしそれで幹也のような探偵が調べれば、魔術教会の存在が世間に漏れてしまう恐れがある。
「それにより教会は迂闊に奴等に手が出せなくなったのさ。自分達の存在が世間に漏れてまで奴等を捕まえる価値はないからね」
「なるほど…でも、じゃあ何で彼は聖杯戦争なんか開いているんですか?」
「そこまでは解らないよ。それより黒桐、聖杯の一つは物置だと言っていたよな?」
橙子の問いに幹也は頷く。
「それを創ったのは間違いなくやつだろうが…奴一人では聖杯は流石に創れない筈だ。本当にこの聖杯戦争はどうなっているんだ…」
例えイナバ製作所社長が凄腕の魔術師でも聖杯は一人では創らないはずである。
もちろん、彼が今までのイナバ製作所のなかで、もっとも強い力を持っているのかもしれない。
だがこの場合、協力者がいること考えるのが普通である。
「どちらにしても製作所には行くべきでしょうね。少人数で行ったら逆に殺されるかもしれないから全員で」
青子がそういうとそこにいた全員が頷いた。
「じゃあ悟空、瞬間移動で全員連れて行って」
「ああ。じゃあみんな、オラの背中に手をつけてくれ」

どうも語り部のイナバ君(仮)です。
いやぁ十月に入りましたね。
「イナバ君(仮)、九人分のお茶を用意してくれ」
社長、まだ俺いつものをやっている最中何ですが…
「早くお茶を入れようね~」
痛い、痛いです社長!
いつかの時みたいに頭を掴まないでください~
「…まあいい。もう来ているみたいだからな」
え、誰がです?
「この聖杯戦争を破壊しようとしている者たちだ」
つまり敵ですか?
「わからん。敵になるかもしれないし、敵にならないかもしれない」
はっきりしませんね。
「うむ。私も完全にこの戦いについて把握しているわけではないのでな」
で、結局どうするんですか。
「レミリアちゃん達が帰ってくれば一人を除けば互角の戦力になるだろうが、戦う気は無い。丁用のある者達も来ているからな」
一人って誰です?
「この聖杯戦争のイレギュラーの一つだ」

製作所の外には九人の者が立っていた。
ある者は沢山の人間を救う為に。
ある者は主催者を殺す為に。
ある者は聖杯を求める為に。
ある者は大切なモノを守る為に。
ある者は元の世界に帰る為に。
「いらっしゃい。歓迎するよ、聖杯戦争の参加者達。さて…」
その扉には一人の男が立っていた。
「何が聞きたいのかな」
聖杯問答、開始。

二日目・9時/新惑星大田区】

◆02GOODMe2.@書き手】
【状態】健康 直死の魔眼 首輪なし
【装備】ナイフ
【道具】なし
【思考】基本:かがみ達の為に、自分を犠牲にしてでも多くの人を救う(殺し合いに乗っている者には容赦しない。)
1:橙子たちを手伝う
2:監督役から話を聞く
3:永琳達が無事で安心
4:かがみ…みんな…
※平行世界の◆02GOODMe2.と会話しました。
※「ドナルド」の記憶の一部を見ました。 (一部欠損あり)
※ここが地球ではないことを知りました。
※永琳と情報交換をしました。
※体内にわずかに吸血鬼の血が流れていますが、相当薄い為、なんの効果もありません。


【八意永琳@東方project】 (クラス・アーチャー)
【状態】健康 首輪なし
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【宝具】不明
【思考】 基本::マスター(輝夜)に絶対の忠誠
1:聖杯の入手
2:02が生きててひとまず安心
3:監督役から話を聞く、聖杯については必ず吐かせる
4:アーチャー(エミヤ)に助けた理由を聞く
5:キャスター達と協力はするがあくまで目的は聖杯の入手
6:02を殺した奴は必ず殺す
※02と情報交換をしました。よって打者の存在を知りました
※ここが地球ではないことを知りました





【蓬莱山輝夜@東方project】 (マスター)
【状態】健康 、首輪なし
【装備】ジャージ@現実
【道具】支給品一式、不明支給品 漫画たくさん
【思考】
1:聖杯の入手
2:キャスター達と協力はするがあくまで目的は聖杯の入手
3:監督役から話を聞く、聖杯については必ず吐かせる
※ここが地球ではないことを知りました

【蒼崎橙子@空の境界】(マスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】無し
【道具】支給品一式、人形の入ったホイポイカプセル、人形創りの道具、煙草(この二つは支給品ではありません。)
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に青子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:監督役から話を聞く、主催者については必ず吐かせる
2:この聖杯戦争、主催者の意図について調べるがチャンスが来るまで動かない
3:アーチャー達と協力するがあくまで目的は聖杯戦争の破壊
4:協力者を集める。弱者は一応保護
5:この状況を鮮花が見たらどうなることやら
※打者の存在を知りました





【蒼崎青子@月姫】(マスター) (クラス・キャスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】透明マント
【道具】支給品一式
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に橙子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:監督役から話を聞く、主催者については必ず吐かせる
2:この聖杯戦争について調べるがチャンスが来るまで動かない
3:アーチャー達と協力するがあくまで目的は聖杯戦争の破壊
4:とりあえず襲ってき奴は軽く蹴散らす
※橙子の令呪は効きません(意地)。
  孫悟空のマスターです。
  打者の存在を知りました




【孫悟空@ドラゴンボールZ】(クラス・ヒーロー)
【状態】健康、首輪無し
【装備】無し
【道具】無し
【思考】
基本: 主催者を倒し、元の世界に戻る。
1:青子と橙子を手伝う。
2:サーヴァントは腹へらねぇのかぁ。
3:監督役から話を聞く
※主催者に存在を気づかれていないようです。そのため首輪と支給品はありません。
 この世界の人間ではないので宝具は持っておりません。
参戦時期は本編終了後です。
打者の存在を知りました

【射命丸文@東方project】(マスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:監督役から話を聞く
2:この聖杯戦争を生き延びる
3:元の世界に皆で帰る方法を探す
4:式には負けない(何についてかは自覚していない)
5:咲夜さんってあんな人だっけ…
※打者の存在を知りました



【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】健康、首輪無し
【装備】エーテライト
【道具】不明
【宝具】此の者想いし最愛の人(両儀式)
【思考】
1:鮮花やその他の知り合いを捜す
2:文を手伝う
3:橙子達も手伝う
4:式に会えて嬉しい
5:監督役から話を聞く
※打者の存在を知りました




【両儀式@空の境界】
【状態】健康、首輪無し
【装備】不明
【道具】支給品一式。
【思考】
1.幹也を許(はな)さない
2.何があっても幹也を守る
※打者の存在を知りました

(…レミリヤちゃん達は近いな。他の者もいるが…まあいい。あと五分程で着くな。)



【イナバ製作所社長@現実?】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式その他不明
【思考】
1:大・丈・夫!
2:聖杯戦争を静観するつもりだったが……まあいい
3:目の前の参加者達と話す。戦闘は極力避けたい
※実はこの聖杯戦争の監督役です。
※聖杯がどこにあるか知っています。
※聖杯の完成を望んでいます。
※あの時、本当に厠に行っていたかどうかは不明です。


【イナバ君(仮)@語り部】
【状態】健康
【装備】イナバ製作所製パニッシャー(重機関銃残弾残り弾数100%/ロケットランチャー残り弾数100%)
【道具】支給品一式その他不明 コーヒーセット一式
【思考】
1:とりあえず、働く
2:レミリアが若干心配
3:死にたくない
※実はイナバ物置(≠聖杯) でした。
※女性です。

※あと五分ほどでレミリア達がイナバ製作所に到着するようです
最終更新:2009年10月03日 09:56