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「の、信長さまぁっ!」

安土城が天守閣に、一人の伝令役の忍が飛込む。
その忍は狼狽を隠そうともせず、全身から絶望感をかもしだしていたが、誰もそれを責める事はできないだろう。

「……何じゃ」
「ほ、報告致しますっ! DIOらが遂に本丸に侵入!
 並びに巨大戦艦が有り得ぬ勢いで城に向けて突っ込んできており、このままでは一分後に本丸に突っ込む模様!
 そ、そして……突然城付近に参加者が出現し、恐ろしい程のエネルギーが今にも放たれようとしていますぅっ!!」

……本当に絶望的な状況だったのだから。
安土城とて、何一つ防御手段を有していないわけでは無いが、
ブロリーのエネルギー弾と戦艦ハルバードクーガーSPの同時直撃に耐えしのげるだけの防御力を持ち合わせているかといえば絶対にノゥ!

「……そうか」

しかし、信長は動じなかった。

「このテラカオスバトルロワイアルも、次のステージに進む時がきたようじゃな」
「の、信長様……それは一体……」
「お濃よ、転移装置のスイッチを押すのじゃあっ!」







「はぁ……どいつもこいつも骨がねえ奴ばっかりだ」

秋葉原。
辛うじて崩壊を免れていたコンビニエンスストアの弁当を口に運びながら、長宗我部元親は愚痴を漏らす。

「……あんまうまくねえ。いけ好かない奴ばっかだったが、安土城の飯はうまかったなあ……」

安土城における、大名元親への待遇は中々のものだった。
食事一つとっても、古今東西様々な世界の高級料理が支給されており、元親が懐かしく思うのは無理も無い。

「……ああ、こんなことを考えてるせいか、空に安土城の幻影が見えやがる。
 俺も現金な奴だ、食べ物一つであんな城が恋しくなってくるんだから」

やや自嘲気味に呟く元親。
しかし、すぐに何かがおかしいと元親は気付く。

「……なんか所々爆発してんな、幻覚の安土城。
 ……しかも何かこっちに向かって落ちてきてるよな、アレ。
 ……おいおい、どんどん近付いてきてんぞ。いつになっても消えねえし。
 ……幻覚なのに、何か通行人が指差したり悲鳴上げてるのは何故だろうな。
 …………いや、まさかとは思うが、あの安土城幻覚じゃなかったり―――――」



【安土城 秋葉原に落下確認】

野比玉子ドラえもん 死亡確認】死因:圧死
【タケシ@ポケットモンスター 死亡確認】死因:圧死
ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】死因:圧死

【長宗我部元親@戦国時代 生死不明】





織田信長は、安土城がいずれ破壊されるだろうことを予見していた。
それだけのことが可能な者ならば、バトルロワイアルにゴロゴロ参加している。
だから、いざという時には安土城を捨てて、織田軍驚異の科学力の産物、転移装置で第二の拠点に移るというのが、信長の作戦だった。
なお、転移装置で移動できるのは織田側の人間のみと設定されており、ブロリーもクーガーもDIOも安土城に置き去りである。

しかし、第二の拠点にしても、並の場所に設置するわけにはいかない。
並大抵の場所では、再び参加者らに破壊されて終わりだからである。

「……でも、ここならばその心配はありませんわ。流石です、信長様」
「ふん……誉めたところで何も出んぞ、お濃よ」

信長が選んだ第二の本拠地――――それは、太陽。
太陽が無ければ光は生じず、太陽系の生命は死に絶えるだろう。
故に、対主催といえどこの本拠地を破壊するわけにはいかず、そもそもほとんどの参加者は近付くことすら出来はしない。

「しかし、太陽内部に城を造るとは、流石の貴様も骨が折れたであろう。大義であった、細川殿」
「勿体無きお言葉です、信長様」

織田軍の戦力はまだまだ尽きることは無い。
加えて、新たな居城はいまだ織田軍以外の何者にも知られてはいない。

テラカオスバトルロワイアルは――――まだ、終わらない。




「時に細川殿……何故、安土城を秋葉原に? 確かにもうあの城は用済みではあったが」
「はて、それは私にも……まさか、装置の誤作動でしょうか?」
「ああ、それなら私の仕掛けですわよ。結構な人間が集まっていたので、さぞ楽しいことになるだろうと」
「お濃殿が? ……私の記憶が正しければ、秋葉原には長宗我部元親殿がいたはずですが……」
「ええ、元親殿は強い相手と戦うのが望みのようでしたので、私からのプレゼントですわ。
 さぞかし、今は喜んでいることでしょう……死んでなければ。ふふふふふ」
「………………」
「お濃……恐ろしい奴よ」


※主催の本拠地が太陽内部に移動しました。
※主催陣営以外の安土城付近の面子は、安土城とともに秋葉原に落下した模様です。
最終更新:2009年10月09日 00:17