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頭の中では、延々と、延々と、一つの悪夢が繰り返されている。


『皆の者、元気に殺し合っておるか? 織田信長だ。
それではこれより第二回放送を開始する。まずはこれまでに死んだ者の中で特に活躍した者から―――』

また沢山の人が死んだ。なぜこんなことを考えて、実際に実行してしまうのだろうか。
自分にはわからない。わかりたくもない。みんなどうかしている。

『―――野比玉子、倖田來未、HIROKI、YAMATO、NAOTO、野比玉子、RYO、大塚愛、日守剛、
ロック・ハワード、野比玉子、楓、リュカ、旧まとめ、 、野比玉子、愚弟、Q助、
ロナウジーニョ、ファステック360、美緒、長靴をはいた猫、コスモ、カーシャ、デク、
サガ、シュラ、カミュ、野比玉子inイエオン、怪人タンス男、範馬勇次郎アーカード
野比玉子、碇ゲンドウ、フォックス・モルダー、藤本敦士、朝倉純一、クロ、シロ、うたまる、
ドラえもん、ねねこ、猫娘、骨川スネ夫、ホロ、野比玉子、安藤玲一、ゼットン、キリコ、
千石うぐいす、海原雄山、フランシスコ・ザビエル、野比玉子、星、キクラゲ、野比玉子、
野比玉子、世界一有名で愛される鼠とその仲間達、野比玉子、パッション屋良、オシシ仮面、
ライオン仮面、くらやみ団員I~O、くらやみ団員P~Y、サイバイマン、ヤムチャ、小島
渋井丸拓男、野比玉子、星馬列、アリーナ3、アリーナ9、アリーナ17、アリーナ22、アリーナ25、
アリーナ29、アリーナ43、アリーナ51、アリーナ61、アリーナ77、アリーナ80、アリーナ101、
アリーナ115、アリーナ116、アリーナ117、アリーナ118、アリーナ119、アリーナ120、
アリーナ132……はぁ、はぁ、ちょっと失礼』

聞いたことも無いヒトの名前ばかり、ずらずらと読み上げられていく。
自分には何の接点もない、赤の他人でしかないが、それでも友人や家族がいたに決まっている。

『信長様、あと少しです、頑張ってください』
『ふぅ、ふぅ、分かっとるわい……ああ、何でワシがこんなことを……。
作者の気分次第で主催者が変わるパロロワなんて聞いたこともないぞい……』
『信長様!  マイクの電源がつけっぱなしですっ!』
『うほぉっ!!  早く言わんか、この馬鹿者が!』
『いやああぁぁん!!  やめてぇ!!  殺さないでぇっ!!!』
『もういい、黙っとれ!!
…………あーっと、どこまで読んだっけな……ああ、超ムカツク』

何を言っているのかよくわからなかったが、一つだけ理解できた言葉があった。
『何でワシがこんなことを』
そう思うんだったら、さっさと終わらせてしまえばいいのに。
誰も喜んだりはしないんだから。

『……失礼。引き続き死者の名前を。
アリーナ179、アリーナ199、アリーナ222、アリーナ230、アリーナ236、アリーナ240、
アリーナ241、アリーナ247、アリーナ253、アリーナ254、アリーナ255、アリーナ256、
金正男、ワーロック―――』

この先は思い出したくない。
そんなことがあるはずがない。何かの間違いに決まっている。
あの■■■が、死んだりするはずが

『―――エッジ』


「怖いよ……嫌だよ……幻獣界に帰りたいよ……」
リディアは静かに、そして長々と泣いていた、放送も、周囲の騒音も気にならなかった。
故に、気付かなかったのだろう。背後から人影が忍び寄っているのを。
その人影が、音も無くリディアへ腕を伸ばし始めたのにも。
「! む、むぐっ……!!」
伸ばされた何者かの腕は、まるで蛇のように絡みつき、リディアの口を塞いでしまう。
「むーっ! ううーっ!!」
何者かは、近くにある茂みへ、強引にリディアの体を引きずり込もうとする。
必死にリディアは呻きつつ、何者かの腕を振り払おうとするも、少女の細腕ではそれも叶わない。
「…………」
人影は、全くの無言のまま、リディアを羽交い絞めにしつつ、目的を果たそうとする。
「う―――っ! むぐ―――っ!」
抵抗の甲斐なく、少女の体は茂みの中に消え、そして―――

「ドォーーーーピングコンソメスーーーーープ!!!」

森の中に、そんな叫び声と、何かが引きちぎれ、派手に破れ去るような音が続いた。



「む、むぐぐっ!」
(な、何、今の声!?)
けれど、その声を発したのは少女ではない。
何処か遠くから、森の空気をびりびりと振動させ、雄たけびは響いてきたのだ。
「……いいか、絶対に声出すんじゃねーぞ」
そこで初めて、リディアを捕らえていた何者かが言葉を発する。
ぼそっとした一言であり、注意しなければ性別も判断できないような警告。
しかし、その声は、酷くリディアの聞きなれたものだった。
(え……嘘。だって、■■■は死んだって、そう放送で言ってたのに)
頭の中を、ぐるぐるぐるぐると疑問、混乱、想像、悪夢が交錯する。
何が本当で、何が嘘なのか―――リディアには、判断がつかなくなっていた。
「むぐ……」
声を出すな、と言った癖に、そいつは腕の力を緩めない。
よくよく見れば、腕にじっとりと汗を掻いている―――どうやら、危険が迫っているようだった。
(一体何が起こるっていうの……?)
リディアがそう疑問を浮かべた時―――それは、はっきりと目に見える形で現れた。
ガサガサ、と茂みを掻き分けて、五人の男女が歩いて来たのだ。
「「……!!」」
草葉の陰からその姿を見た瞬間、二人の体は、あまりの異様さに否応なく凍りついた。
―――第一印象は、筋肉。ただただひたすらに筋肉。
溢れんばかりに、はち切れんかと思う程の過密な筋肉組織。
上半身の服を等しく弾けさせ、しかしそれにより生じるはずの色気を、圧倒的な筋肉がゼロまで相殺している。
リディアは、これと似たようなモノを見たことがあった。バブイルの塔で戦った機械人間『バルナバ』である。
筋肉の発達具合を比べるなら、あれと似たようなものだろうか。
違いとして、こちらは一切機械の補助がなさそうだ、という点があったが。
「……」「……」「……」「……」「……」
その筋肉モリモリの五人は、ギョロギョロ何か探るように、血走った目つきで辺りを見回している。
まるで、うっかり獲物を逃してしまった狩人の如く。
「「…………」」
こんな状況で声が出せるだろうか? いや、出せない。出してしまったら最後、取り返しのつかない事態になってしまうのは明らかだ。
「……」「……」「……」「……」「……」
捜索を続けていた五人だが、やがて『まあ、いいか』と言わんばかりに踵を返し、森の緑に消えていった。
恐るべき五人組が立ち去った後も、暫くの間二人は動くことができなかった。


「―――もう声出してもいいぞ」
同時に、今の今までリディアの口を押さえていた手が開放される。
「ったく、危なっかしくて見てられねぇな。俺がこのゲームとやらに乗っていたり、もしくは
俺がいなくてあいつらに見つかったりしたらどうするんだよ……まったく、世話が焼けるぜ」
自由に動けるようになったリディアは、先ほどまで自分を束縛していた人物へ振り向いて、
「……ありがとう。でも……説明ぐらいしてくれてもよかったじゃない! もう訳が判らなかったんだから!」
「だってしょうがねーだろ、状況が状況だったんだからよ」
激しく言葉をぶつけられた当人は、さほど気にした様子もなく、それを飄々と受け流していた。
「それもあるけど、一番混乱したのはあんたがいきなり現れたことよ―――エッジ!
織田信長の放送で『死んだ』って言われたのに、生きて目の前に現れるんだから!」
「あー、確かにそりゃあ誤解を招くな……けどお前、ひとつ勘違いしてることがあるぜ」
「何をよ?」
「『エッジ』ってのは愛称で、俺の本名は『エドワード・ジェラルダイン』って言うんだが。
……言ってなかったっけか?」
「言ってない!!!!」
ははははは、と乾いた笑みを浮かべて誤魔化すエッジ。
リディアは歯をむき出しにしてエッジを睨み付けていたが、やがて下を向き、ポツンと呟く。
「……本当に」
「?」
「本当に、本当に心配したんだから……! あんたが死んだって聞いた時、どうすればいいか、判らなかった、んだから……ッ!」
俯いた顔を見ることは叶わなかったが、何か、リディアの頬を伝い、水滴がポタポタと垂れ落ちているのだけは、嫌でもわかった。
「……………………、悪ぃ」
バツが悪そうに―――それでいて、ほんの少しだけ頬を赤らめながら、エッジは素直に謝罪した。


閑話休題。
「それで、あの筋肉お化け達は一体何なの?」
リディアは、残った不理解を消化すべく、エッジに説明を求める。
「詳しいことはわからねーけど、さっきの五人の中にに、髪の長げーおばさんがいたろ?
俺は偶然見ちまったんだ……あのおばさんが『アレ』を飲まされて、化物になる直前の出来事を」
語りながらも、余程恐ろしいものを目撃したのか、エッジは自分の肩を抱え、ブルリと体を震わせた。

 『HAHAHAHAHA!!!!! そこのご婦人、喉は渇いていませんか?!!!!!! コンソメスープなどいかがです!?!!!!』
 『あら、美味しそう……けど、今はいいわ。早くしんのすけを探s―――』
 『『『『そんなひどい!!!!!!!!!!』』』』
 『え、ちょっと、何よ、離しなさいよ! やめ……』

「『アレ』を飲まされた直後に、そのおばさんは気絶した。暫くは死んだみたいにピクリともしなかった。けど何となく判ったんだよ。
筋肉塗れの奴らが揃いも揃って、あのスープを執拗に飲ませようとしていたっつーことは……『そういうこと』なんじゃないかってさ。
お前も聞いたよな、大声で叫んでるのを」
「うん……ってことは、その『アレ』って」
「『ドーピングコンソメスープ』……ウチの丸薬でも、あそこまでイカレた効果はねぇぞ? どうかしてやがる」
ケッ、と地面に唾を吐き捨てるエッジ。
「見た感じ、飲んだ奴は完っ全に理性がトんでるな、ありゃあ。しかし筋肉はマジモンだから、下手すりゃ『あの』ルビカンテより
ヤバイかもしれねぇ。何せ人間の限界を120%どころじゃなく、おおよそ255%ぐらいは引き出してるからな」
少なくとも、今は俺達二人だけじゃどうしようもない、とエッジは言った。
「一応聞いておくけどよ、あの化物共に『バハムート』を召喚したとして、倒せると思うか?
化物五人がかりの攻撃じゃあ、逆に召喚したバハムートの方がやられかねないぜ」
「……馬鹿馬鹿しいけど、本当にやっちゃいそうだね」
「無防備な所を捕まえられて『アレ』を無理矢理飲まされて仲間入り、ってのが最悪のパターンだな。
奴らの手が届きそうにない空中戦ができるカインのヤローや、セシルの剣技なら何とかなりそうな感じはするけどよ……」
「とりあえずは、打つ手なし?」
「ああ。出合ったら、うまく誤魔化して逃げるしかねぇ。尤もそれができたら苦労しねーけどな」
「そう……だね」
どちらにせよ、そこらにモンスターやら何やらがうろついているこの状況。早くに合流するに越したことはない。
と、そこまで考えた所で、リディアは一つの疑問に思い当たる。
(あの筋肉お化け……何かを探してる様子だったけど、何を探していたんだろう?)
ふと涌いた問いへの答えは、誰にともなく、エッジが語りだした失敗談から得ることができた。
「しかし最大の誤算だったのは、逃げる時おばさんが持ってた剣をこっそり持ち出そうとしたら、バレちまったって所だな。
いやいやキレイで使えそうな、それこそ殺してでも奪い取りたくなるような剣だったからさ、気が付いたら手に持ってたわ。
俺もまだまだ精進が足りな……ん、どうした? 鍋なんか取り出して。しかもなんか凄い顔してるぞお前。一体何があ」
「結局あんたが全ての元凶かこの大バカ野朗――――――!!」

ごいん、という鈍くて結構痛そうな音が、一回だけ森の何処かで聞こえた。
以後の森は、とても静かな状態を保っていたという。


【熊本県 森林地帯 三日目 20時】

【リディア@FF4】
[状態]:良好
[装備]:支給品一式
[道具]:中華鍋
[思考]:
1.仲間と合流を目指す
2.DCS、及び広め隊の危険性を他の人に伝える

【エッジ(エドワード・ジェラルダイン)@FF4】
[状態]:良好 額にコブ
[装備]:クリムゾン@デスクリムゾン
[道具]:支給品一式 アイスソード+1@ミンサガ
[思考]:
1.仲間と合流を目指す
2.DCS、及び広め隊の危険性を他の人に伝える


【DCS広め隊】
【バッシュ@FF12】
〔状態〕ドーピング
〔装備〕なし
〔道具〕支給品一式

【ローラ@DQ】
〔状態〕ドーピング
〔装備〕ドーピングコンソメスープの素
〔道具〕なし

【アモス@DQⅥ】
〔状態〕ドーピング
〔装備〕なし
〔道具〕支給品一式

【鈴子・ジェラード@うえきの法則】
〔状態〕ドーピング
〔装備〕なし
〔道具〕支給品一式

【野原みさえ@クレヨンしんちゃん】
〔状態〕ドーピング
〔装備〕なし
〔道具〕支給品一式

〔共通思考〕
1:日本中にドーピングコンソメスープを広める


最終更新:2007年01月18日 17:36