横浜中華街、言葉を連呼しながら同じ動作を繰り返している、
ハイレグレオタードの集団がいた。
巨乳で黒髪の女子高生アツコ、謎のおっさん鳴滝、ついでに
野比玉子とタケシ。
彼ら以外にも、男女を問わず多くの人々が糞寒い中わざわざ薄着で外に出ている。
「「「「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」」」」
ハイグレ。
彼らは確かにそう言い放った。
皆、蟹股で、両の手を肘が斜め上に突き出すほど曲げた後に股でVの字を刻むように下ろしている。
知る人はこう呼ぶだろう、コマネチと。
「「「「「「「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」」」」」」」
だがそれは違う。
一般の世界ではコマネチと呼ぶだろうが、彼らにとってはそうではない。
「おーほっほっほっほ! 物騒な世界に呼ばれたと思ったけどちゃんとハイグレ光線は聞くじゃない」
高台から彼らを見下ろした人物は、女性の仕草で腕を顎に当てて笑っている。
彼らと同じようにハイレグレオタードを纏っているが決定的に違うのはその肌だ。
モヒカンヘアーに頬の☆マークも目立つだろうが、何より一角を成すのは青い色をした肌である。
手に持ったハイグレ光線銃により、人々をハイグレ人間という下僕に変えていっているのだ。
「「「「「「「「ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ! ハイグレ!」」」」」」」」
それは彼を称えるポーズであり、言葉である。
ハイグレ魔王。 自らをそう呼ぶ異星人は、洗脳した人々を見て鼻を鳴らした。
「ふふふふ、この調子で奴隷を増やして『邪ッッ!!』
街全体を奮わせる程の怒声で空気が振動する。
目を丸くしたハイグレ魔王の視界が黒に埋め尽くされると同時に、
彼の肉体は既に大地を離れていた。
「いきなり何よ!」
空中で回転して姿勢を整え、着地する。
並の地球人でなら肉体ならず魂までもあの世に行っていたことだが、
彼は異星人なので大・丈・夫!
「エフッ エフッ エフッ エフッ」
「な・・・・・・」
ハイグレ魔王は絶句した。
肌は地球人が呼ぶ肌色と呼べる域である。
両手両足ともに地球人と同じように生えている。
耳だってある。 目もちゃんと二つしかない。
地球人と呼ばれる種族の特徴には分類されているだろう。
(何よこいつ、無茶苦茶じゃない!)
規格外。
ボディビルダーよりも膨張した筋肉は、本来の身長よりも彼の存在を巨大に見せる。
長年によって掘り込まれた顔に出てくるものは、貫禄よりも怒り狂った野獣の面。
そう、彼は怒っている。 そしてその矛先全てがハイグレ魔王本人に向けられている。
「貴様、覚悟はできているな」
「ひぃ!」
眼光がハイグレ魔王を捉えた。
彼は、言い返そうとしても、出てくる言葉は悲鳴へと変換される。
思わず腰を落としてしまうが、ハイグレ魔王は、手のひらに感じる物体を確認して、口元を緩ませた。
(そうよ、これさえあれば)
玩具のような光線銃に託すのは一筋の希望。
殺気立つ猛獣に銃を向ける。
「貴方も奴隷になりなさい!」
未来を切り開いてくれると信じて、隷属の光を放った。
☆ ☆ ☆
「効かねえなぁ」
「う、嘘・・・・・・」
結論から言おう。
ハイグレ光線はこの男、
範馬勇次郎には効かなかった。
姿こそはハイレグレオタードになったものの、発される殺意は依然と変わらない。
変わるわけがない。 ハイグレ魔王が知るよしも無いが、
勇次郎は人ではない。 人の規格を超えた獣だ。
ハイグレ光線など、怒る猛獣を縛る鎖には成りえないのだ。
後ずさりするハイグレ魔王に、獣の咆哮が響く。
「このような冷える季節において、ハイレグレオタード一張羅にするということは
露出した多くの肌を外気に晒すということ! ということは体が冷えるのは確実ッッ!!
体が冷えると言うことは豚インフルエンザに対しての抵抗力がなくなるということと同義ッッ!!
まさに馳走に蜂蜜をぶちまけるが如き行為!!
大多数の人々を病魔に蝕む貴様はこの俺が地獄に送ってやる!!
光栄と思えッッッッ!!!」
「ちょっと私はそんなつもりじゃ(ry」
「邪ッッ!!」
【今日の
ディアボロ@糞寒い中、2時間ハイグレし続けて凍死】
【野比玉子@
ドラえもん】
死因:2時間ハイグレし続けてインフルエンザのワクチン貰ったけど、その時には既に凍死
【タケシ@ポケモンシリーズ】
死因:殴り飛ばされたハイグレ魔王に巻き込まれた
【
二日目・14時10分/新惑星・横浜】
【範馬勇次郎@範馬刃牙】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品、インフルエンザのワクチン(大量)
【思考】
1:新型インフルエンザの恐ろしさを世間に伝える(聞こうとしない者、真面目に聞いていないとみなした者には拳で教える【殺す】)
2:撲滅運動参加者を募る
かくして、ハイグレ魔王が倒されたことによって、アツコと鳴滝は元に戻った。
他にも元に戻った人々も、勇次郎によってワクチンを投与されてどっかに逃げた。
今ここにいるのは勇次郎にワクチンを貰ったアツコと鳴滝だけだ。
「そうだアツコ、これを」
「なんですかこの手帳?」
鳴滝がアツコに手渡したのはピンク色の電子手帳だ。
アツコ自身、幼い頃に同じような物を手にしたことがある。
「プリキュアの変身アイテムだ。 試しに使ってみるといい」
「・・・・・・どうするんですかこれ?」
「『チェインジ・プリキュア・ビートアップ!』 と叫ぶんだ」
「え!?」
流石にアツコも高校2年生。
女児用玩具からはとっくに足を洗っている年頃の彼女にとっては、
衣装を着るどころか手にするのすら恥ずかしい。
「さあ早く!」
鳴滝の期待の視線が痛い。
てゆーかこんなこと勧めてくるおっさん自体痛すぎる。
「でも・・・・・・」
「wkwktktk」
とは言え、アツコは引っ込み思案な性格であり、よくいるNoと言えない日本人である。
仕方なく、派手なデザインの携帯手帳にクローバー型の鍵を差し込んで開いてみる。
(やっぱり恥ずかしい・・・・・・)
このボタンを押し、先ほど言われた台詞を叫べば変身できるらしい。
そもそも何故変身台詞なんて言わなければならないのだろうか。
開かれた手帳の右下にあるボタンのところで指が止まる。
「うう・・・・・・」
「何をしている!? 早くビートアップするんだ。 ビ・-・ト・ア・ッ・プ!」
「チェインジ・プリキュア・ビートアァァァァァァァップ!!!!!」
掛け声とともにアツコの身体が光に包まれる。
そして腕、足、胴体と光が弾けるとともにプリキュアの衣装(色は灰と黒色)が纏われ、
絶対領域や腕に素肌が現れる。
「おお・・・・・・」
鳴滝はアツコの姿に感嘆した。
日曜朝8時半、毎週テレビだけでしか見れなかったプリキュアの変身が今、目の前で行われているのだ。
流石にプリキュアというには年が少し行き過ぎているが、ぶっちゃけキュアミントやアクアやパッションも高校生ぐらいに見えるからなんの問題もない。
後、プリキュア年長組みの彼女らに婆婆言っているやつら、自分より年下の娘にそんなこと言ってナンナンダアンタイッタイ。
「やっぱり・・・・・・恥ずかしいです」
やたらフリフリしたミニスカコスチュームの自分の姿を見て、
アツコは頬を染める。
変身ヒロインがそんな態度取ることは極めて珍しいことであるのだが、
それも一種の萌えポイントとして取れるから全然問題ない。
「君の名前は今日からキュアキャット(仮)だ」
「なんですか(仮)って。 それになんでこんな色なんですか?」
そう、今のアツコが纏っているプリキュアの衣装は灰と黒。
仮面ライダーで言えば龍騎がドラグレッダーと契約する前の色だ。
それもそのはず、アツコに渡された変身アイテム『リンクルン』は、
『ピックルン』と呼ばれる鍵型妖精の力が源なのだ。
「え、でもこの鍵は・・・・・・」
「それはただの模造品のようだ」
ぶっちゃけ言うと本家プリキュアと比較できないくらい弱い。
気合入れてでかい敵に殴りかかると腕が折れるレベル。
まあそれでもそこらの人間よりよっぽど強いけどね。
「だが萌えるから問題ない」
「無いわけ無いじゃないですか・・・・・・」
ノリノリの鳴滝にアツコはつっこむ。
正直彼女はいらついていた。
変なおっさんに故意ではないとは言え空き缶を当てられ、
自分の胸を枕代わりにされ、あまつさえ嫌々着ることになったコスプレにだらしない笑みを浮かべているのだ。
「うむ。 そう言われれば何かが足りないな」
そんな彼女の意図を無視して、鳴滝は手を顎に当て考えはじめる。
そして鳴滝に対し、ついにアツコの我慢が限界を迎えた。
「マスコットでも探せばいいんじゃないかなぁ!」
「それだ!
というわけでアツコ、いやキュアキャット(仮)
契約モンス(ry・・・・・・マスコットを探しに行こう!」
ああ、悲しきお節介かな。
怒りをあらわにした一言でも、いつのまにか彼に対するアドバイスとなっていた。
こうしてアツコと鳴滝の契約モンスごふんごふんごふん・・・・・・マスコットを探す旅が始まったのだった。
「YESプリキュアGO!GO!」
「こんなところ、春香達に見せられないよ・・・・・・」
【二日目・14時10分/新惑星・横浜中華街】
【アツコ@みなみけ】
【状態】健康、キュアキャット(仮)ブランク体
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:知り合い(南春香、マキ、保坂、速水優先)を探す
0:マスコットでも探せばいいんじゃないかなぁ!
1:鳴滝と行動する
2:マスコットを探す
※プリキュアになりましたが、マスコットがいないので本家ほどではありません。
【鳴滝@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:ディケイド(門矢士)を倒す
0:おのれディケイド!
1:アツコと行動する
2:Wの枠をプリキュアの枠にする
3:マスコットを探す
※次元を操作できる能力は制限されているみたいです(少なくとも遠距離移動は不可能)
「アツコ・・・・・・まさかあんたがそんな格好をするなんて・・・・・・」
一部始終を物陰から見ていたアツコの親友、マキは、驚きながらも彼女の姿を写真に収めていた。
【二日目・14時10分/新惑星・横浜中華街路地裏】
【マキ@みなみけ】
【状態】健康
【装備】カメラ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:とりあえず生き残る
0:アツコにあんな趣味があったなんて・・・・・・
☆ ☆ ☆
「ここは・・・・・・」
ビルが立て並ぶ東京都の繁華街、新宿で、ハイグレ魔王は目を覚ます。
「っ痛!」
腰を上げてみると、彼の身体を激痛が走った。
元のスペックが高速ビル登りができる以上のため、幸い勇次郎の一撃を受けても死には至らなかったのだ。
「仕方ないわね、今回は悔しいけどこれを使いましょ」
そういって彼が取り出すのはアクションストーンという宿敵の力の源だ。
アクションストーンを持つものはアクションビームが使えると聞く。
もしそれが本当だとしたら、この殺し合いにおいて一つの切り札となりえる。
「ん?」
ハイグレ魔王は困惑の表情を浮かべた。
手を離したわけでもないのにアクションストーンが手元を離れていくのだ。
いや、正確には手元ではないだろう。
『大切断』
無機質な声とともに、何者かによって彼の腕が胴体ごと切り離されたのだ。
拳による骨折とは違う、肉体そのものを欠損した衝撃がハイグレ魔王を襲う。
そして彼は、薄れ行く意識の最後に、光輝く杖を持った仮面の怪人の姿をみた。
『リボルケイン』
発光、爆散、粉塵。
最後には、彼の存在が最初から無かったかのように、錯乱したコンクリートの床の破片だけが残った。
こうして、ハイグレ魔王は終焉という形でまた、仮面の戦士に敗れた。
【二日目・14時10分/新惑星・東京都新宿】
【ライダーキラー@ガイアセイバー】
【状態】完成度100%・ダメージ小・洗脳
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:仮面ライダーの抹殺
※各仮面ライダーの技が使えます
【ハイグレ魔王@クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王 死亡確認】
☆ ☆ ☆
「やはり駄目だな」
モニターに映るライダーキラーの戦果を見て、死神博士は嘆く。
大切断にリボルケイン。 それぞれ、仮面ライダーアマゾンとBlackRXの技だ。
見た目は彼らの技そのものである。
「クリムゾンスマッシュやクロックアップと違い、エネルギーが足りん。
これでは見てくれだけだ」
ファイズとカブトの技を使えるように、
ライダーキラーにはフォトンブラッドとタキオン粒子を制御する機械を取り付けてある。
他にも、そこらの鬼戦士から拝借した音撃武器や、盗んだ設計図から作り出した
超電子ダイナモやマーキュリー回路も取り付けてある。
これほどの改造をしたのだから、最早ライダーキラーの生命は残念なことにそれほど持たないだろう。
「それはバトルロワイアルを生き抜くには十分にあるから問題ない」
彼はあくまで主催と仮面ライダーを蹴散らし、ショッカーが世界に君臨するための礎に過ぎない。
その頃には怪人を大量生産できるだけの能力も戻っているだろう。
「だが足りない。 このままでは仮面ライダーを超えることなぞできん!」
大切断を放つアマゾンのパワーの源はギギとガガの腕輪が生み出す古代インカのパワー。
RXのリボルケインから放たれる無限のエネルギーは、キングストーンと太陽の力。
そして霊石アマダムによって起こされる、クウガのフォームチェンジ。
ついでにアンデッドの力を使っているブレイドの技も、実は他のパワーで代用していたりする。
「かと言え、それらを手に入れることは厳しいな。
どうにかならぬものか・・・・・・」
【2日目14時10分/ショッカー基地】
【死神博士@仮面ライダー】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:ショッカーによる世界征服
1:仮面ライダー、
織田信長の抹殺
2:そのために、ギギガガの腕輪とかの代わりになるものを探す
最終更新:2009年11月05日 01:01