新惑星の、とある海辺。ここで、一人の少年が釣りをしていた。
彼の名は向島拓朗。チート能力もスタンドも壮絶な過去も前世の因縁も特にない、単なる釣り好きの高校生である。
彼はバトルロワイアルという非常事態の中においても、いつも通り釣りをしていた。
どうせ真面目に殺し合いなんてやったところで自分が優勝できるわけがないのだから、いつも通りに暮らそうと考えた結果である。
「おっ、きた! 大物だ!」
釣り竿にずっしりとかかる重さに興奮を煽られつつ、拓朗は糸を巻き上げる。
しかし糸にかかった獲物が海面から姿を現すと、彼の表情にはあからさまな落胆の色が浮かんだ。
顔を見せたのが、普段から頻繁に顔を合わせている人魚だったからである。
「むろみさん、今日は何の用……って、ええ!?」
いつものようにあしらおうとした拓朗だったが、その言葉が途中で途切れる。
むろみの様子が、普段と違うことに気づいたからだ。
彼女の体には、淡い青色の触手が絡みついていたのである。
「逃がさないでゲソ!」
むろみに続いて、触手の持ち主も海中から出現する。それは、白い帽子とワンピースを身にまとった少女であった。
「なに、またむろみさんの友達?」
「うんにゃ、こいつとあたしとは決闘の真っ最中」
また珍獣仲間を連れてきたのかと冷めた反応を見せる拓朗だったが、むろみは彼の言葉を否定する。
「決闘? 穏やかじゃないね。何かあったの?」
「あたしとこいつ……イカ娘と、どっちが海の萌えキャラ代表にふさわしいか決めてるの」
「しょーもねー理由だなおい!」
決闘の理由に呆れる拓朗だが、当事者二人はいたって真剣である。
「止めんといて、たっくん! これはマガジンとチャンピオンの代理戦争でもあるのよ!」
「勝手に雑誌背負うな! というかメタネタ自重しろ! 俺ら、そういう作風の漫画じゃねー!」
「そこはまあ、カオスロワやし。多少のキャラ崩壊は、ねえ」
「身も蓋もないなあ、おい!」
「二人とも! 私を無視するんじゃないでゲソ!」
いつものようにボケとツッコミを繰り広げる拓朗とむろみだったが、そこに放置されっぱなしだったイカ娘が耐えきれず割り込む。
「おーっと!
ごめんごめん。それじゃあ、続きといこうか?」
「ねえ、どうしても戦わなくちゃいけないの? 仲良くすればいいじゃん。マガジンとサンデーだって仲良くしたんだからさあ」
「はあ、わかっとらんねえ。マガジンやサンデーとチャンピオンの間には、越えられない壁があるんよ。
コンビニで2軒に1軒ぐらいしか置いてないチャンピオンと仲良くするなんて無理~」
「ひ、ひどいじゃなイカ! 私だけならともかく、チャンピオンを侮辱するなんて!」
むろみの挑発とも取れる発言に対し、イカ娘は全身で怒りを表現する。
「だいたい、そっちはまだ単行本も出てないじゃなイカ! 漫画キャラとしては、私の方がずっと先輩でゲソ!」
「ぐっ、痛いところを……。やはり、ここは拳で決着をつけるしかなさそうやね……」
「こっちは最初からそのつもりでゲソ!」
「はいはい、あんまり大事にならない程度にねー」
取っ組み合いを始める二体の海洋生物をよそに、釣りを再開する拓朗であった。
【向島拓朗@波打ち際のむろみさん】
【状態】健康
【装備】釣り竿
【道具】基本支給品、釣り道具一式
【思考】
1:どうせ真面目にロワやっても生き残れないので、釣りを楽しむ。
2:あの二人は頃合いを見て止めるか。
【むろみ@波打ち際のむろみさん】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品、不明支給品
【思考】
1:イカ娘に勝ち、海の萌えキャラ代表の称号を手に入れる
【イカ娘@侵略!イカ娘】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品、不明支給品
【思考】
1:むろみに勝ち、海の萌えキャラ代表の称号を手に入れる
最終更新:2009年11月06日 00:39