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「これが桂浜か、ほんにかわっちょらんぜよ」
袴姿に帯刀したその男は、荒波の押し寄せる海岸を見て大声で叫んだ。
真夜中であっても、この故郷の荘厳な景色は相変わらずだ。
ここの美しい景観は、ずっと変わっていない。まあ、周囲は観光地化してすっかり騒がしくなっているようだが。
「しかし、殺し合いとは・・・・・・今のこの国の国主は何を考えちゅうがな」
なぜか銅像から復活した幕末の志士、坂本竜馬は、これまでの放送内容を思い出して顔を曇らせた。
自分はあの頃、こんな国を作るために奔走したわけではないのに。
「しっかし、この時代は勝手もわからんしのう。一体どうしたらええがな」
いかに国の将来のためとは言え、罪も無い人々が次々と命を落としていくのは看過できることではない。
まるで、この国は幕末の混乱期に舞い戻ってしまったようではないか。いや、あの頃よりも状況は悪いかもしれない。
「この国を、今一度洗濯いたしたく候・・・・・・」
しかし、仲間も居なければ武器も無い。彼に手渡された支給品は、「くろうかーどせっと」とかいう面妖なもので、
「西洋のトランプに似とるのう」
とは思ったものの、どうやって使えばいいのか皆目見当がつかなかった。
「まあ、わしが脱藩したときも、似たようなもんじゃったきに。これから、色々と用意したらえいがな」
龍馬は、とにかくまずは京か江戸に向かおうと思い立った。

「ん? 」
桂浜の、青い太平洋と好対照をなす真っ白い砂浜。
今は夜の戸張が降りているが、目を凝らしてみれば、そこに誰かが倒れていた。
「死んじゅうがかえ!? 」
龍馬はあわてて、その人影に駆け寄った。砂浜には、何人かの人間の足跡があった。
倒れていたのは青い髪をした少女だった。息はまだある。しかも「くー」などと呑気ないびきまでかいている。
「なんぞ、脅かすなちや。しっかし、なかなかめんこい女子じゃ」
おりょうが居なかったら声をかけとるところじゃ、と龍馬は一人で笑った。
「・・・・・・で、これは一体なんぜよ? 」
美しい少女以上に龍馬の目を惹いたのは、彼女の傍らに鎮座した電話ボックスだった。
「なんや、扉に紙がはっちゅうが。なになに、『もしもボックス。あなたの願いを叶えます』・・・・・・まっことようわからん」
この時代に復活して以来、よくわからないことばっかりだ。
「どれ、ためしにつこうて見るかえ。あいや、人のものやき、勝手につこうたらいかんか。まあ何が起こるかわからんし、触らぬ神に祟り無しじゃ」
その時、遠くから二人組がこちらに向かって砂浜を走ってくるのが見えた。
「なにをあんなにあわてちゅうがな」
両手一杯に袋に入った荷物を持った男と、彼の後ろからついてきた少年は、龍馬と少女の前に来ると袴姿の龍馬をしげしげと眺めた。
「そう見るなちや。穴が開くがな」
龍馬が笑うと、
「あんたはまさか・・・・・・坂本龍馬!? 」
少年のほうが叫んだ。
「おお、わしをしっちゅうがかえ? こりゃこじゃんと嬉しいがな。ほんで、おんしらは? 」
「私は・・・・・・先生、とでも呼んでください。そこで寝ている生徒の教師です」
「おお、寺子屋の先生かね」
「いえ、学校です」
男は、なぜかムッとしたような顔で反論した。
「あんたは? 」
「俺は相沢祐一。この先生の生徒だ」
龍馬に迫るほどの長身の少年である。この時代の子供は発育がえいんかのう、と龍馬は思った。
そういえば、三人の足元で寝ている少女も顔はまだ幼いようだが、幕末では考えられないほど胸が発育している。

ほんにえい時代になったもんじゃ、国民に殺し合いなんぞ命じるような国主さえおらんかったらえいに・・・・・・
「ところで龍馬さん、あなたも何か食べませんか? 向こうのみやげ物売り場から、色々ともらってきたので」
先生はそう言って、ビニール袋に入っていた菓子折りやら干物やらを砂浜の上に広げた。
「おお、これは先生ごちそうになります」
早速砂浜に胡坐をかいて、饅頭に手を伸ばす龍馬。
「・・・・・・ところで龍馬さん、あんたは一体どうする気なんだ? 」
祐一が、まだ寝続けている少女の肩をゆすって起こそうとしながら訊ねた。
「わしは、この国を今一度洗濯いたしたく候!! 」


この時点で、彼らは誰一人気がついていなかった。
自分たちこそが、この殺し合いを終わらせることが出来るアイテムを手にしていることに。



四日目 高知県桂浜 0時】
【坂本龍馬@歴史】
[状態]:健康
[装備]:クロウカードセット@カードキャプターさくら
[道具]:支給品一式
[思考]
1:空腹を満たす
2:京か江戸に行き、仲間や情報を集める
基本方針:主催者を倒す

【先生@KANON】
[状態]:先生能力完全開放
[装備]:たい焼き
[道具]:支給品一式
[思考]:
1:生徒達全員と合流
2:生徒達を守る

【相沢祐一@KANON】
[状態]:健康
[装備]:?
[道具]:支給品一式
[思考]
1:とりあえず食糧補給
2:先生についていく

【水瀬名雪@KANON】
[状態]:睡眠
[装備]:もしもボックス
[道具]:支給品一式
[思考]
1:睡眠中
2:睡眠中
3:睡眠中

先生は、先生の後をつけている途中で祐一と合流し、名雪が高知にいると知って高知に移動しました。

全員、もしもボックスの効果は現時点では知りません。






最終更新:2007年01月21日 14:47