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彼は夜の街を走っていた。
自分がどこにいるのかなど全く気にせず、ただ大切なものを探すために。
(三人とも、せめて、せめてお前達だけは・・・・・・どうか、無事で・・・・・・)

彼には家族がいた。
何十年も一緒にいた家族だった。
誰とも、言葉を交わしたことはない。他の家族が家の外でどんなことをしているのかもわからない。
ただ彼にとってはその家こそが世界の全てであり、その家族達さえ居てくれれば他には何も要らなかった。
(なのに、なんで・・・・・・なんでどいつもこいつも、勝手に死んじまうんだ!! )
誰を恨めばいいのかなどわからない。直接家族を手にかけた者か、こんな殺し合いを始めた為政者か。
しかし、仇取りのことは今は考えまい。まだ彼の家族は全員死んだわけではない。
さっきの放送の時点で、まだ三人生き残っているはずだ。
(若旦那、兄者、御曹司!! 今行ってやるからな。俺が行くまで死ぬんじゃねえぞ!! )
少しでも足を止めようとすると、今は亡き大旦那、大奥方、奥方、姉者の顔が浮かんでくる。
悲しみに頬を濡らすのも、怒りに震えるのも、後回しでいい。今の自分にはやらねばならないことがある。
「彼ら」が、もう出来なくなってしまったことを、自分がやらなければ。
「止まれ」

彼がその影を前方に確認したのと、その声を聴いたのは同時だった。
目の前の影は彼よりは大柄だが、それでもそう長身ではない。しかし、その声はこの世のものとは思えないような迫力があった。
直感で判断した。こいつは、彼の天敵の一味だ。
彼ら一味全員が危険なわけではない。現に彼も、自分の家の隣に住んでいるこいつの仲間とはそれなりに仲のいい関係である。
しかし、今目の前にいる相手は明らかに殺気立っている。あの男ほど話の通じる相手ではなさそうだ。
「すまないが、先を急ぐ。道を譲ってくれ」
「こちらの質問に答えてくれれば、それでいい」
彼は舌打ちした。なんとも威圧的な態度だ。近くによって見ると、その男の輪郭は入道雲に似ていた。
「何だ。何でもいいが手短にな」
「私はある人物を探している。髪は青、黒いTシャツ、ジーンズのポケットからはいつも人形の顔が見えている。
目つきは悪い。今は拳銃を持ち歩いているはずだ。心当たりは? 」
「すまぬ。そのような人間は見ていない。見たという話も聞かなかった」
「そうか。すまない」
男はそれだけ言うと、そそくさと彼の脇を通り過ぎようとした。その不遜な態度に、彼は苛立ち、もう一声かけないと気がすまなかった。

「その人は・・・・・・お前の、大切な人なのか? 」
男は立ち止まり、しばし考えこむように沈黙した。
「さして互いに思い入れがあるわけではない。出会ったのもごく最近だ。しかし、彼は私の主人の大切な人だった。だから私は彼を探す。
彼を探して守り抜く。私が命を賭す理由など、それで十分だ」
「ならばその主人とやらを守ってやるのが筋ではないのか? 」
彼の疑問に、男は即答した。
「逝かれた」
「・・・・・・そうか。すまなかった」
「いや、いい。全ては私の落ち度だ。私にもっと力があれば、あの方にあんな惨めな死に方はさせなかった。
しかしあの男は、それを自分の咎だと思い込み、殺した男を追っていってしまった。彼が死ぬとすれば私の責任。だから、という理由も無くはない」
その、雲のようなもこもこした頭をした男の横顔を彼は眺めた。
よく見るまで気がつきもしなかった。泣いていた。
「お前も、俺と同じなのか」
「・・・・・・どういうことだ」
「俺も、守るべき人を守れなかった。そして今、守りたい人のためだけに生きたいと思っている。あんたもそうだろう? 」
「ああ。それが我らの性。我らは家族を選べぬ。しかし、故に命を賭すこともできる。宿命か」
そうかもしれない、と彼は声には出さず同意した。
そして両者は、それ以上声を交わさずに互いに逆方向に歩いていった。
願わくば、再び会いたい。そのためにも、御武運を。そう思いながら。

その数秒後だった。
「伏せろ」
後ろから、去っていったはずの男の声がした。
「何事・・・・・・」
振り返った彼にも、その姿が見えた。
小さな影だ。彼よりもはるかに小柄なその影は、しかし何人分もの血の匂いをその身にしみこませていた。
そしてその影は、彼らのほうを見据えて立ち止まっていた。
「逃げろ」
再び男の声がした。彼と男は、それぞれ反対方向へと走った。

次の瞬間。
犬とネコ、それぞれの足元を狙って、二つのクルミが同時に投擲された。
「今度こそ、ぬかりはないのでぃす」



三日目 東京都国立区 23時】
【タマ@サザエさん
[状態]:臨戦態勢
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]
1:シマリスから逃げるか、無理なら戦う
2:マスオ、カツオ、タラを探して守る
3:出きればサザエたちの仇を取る

【ポテト@AIR】
[状態] :臨戦態勢
[装備] :不明
[道具] :支給品一式
[思考]
1:シマリスから逃げるか、無理なら戦う
2:国崎往人を探し出し、守る
3:出きれば佳乃の仇を取る

【シマリス@ぼのぼの】
[状態] :健康
[装備] :尖鋭状暗殺用クルミ×5 ナイフ状首狩り用クルミ
[道具] :クルミ5000個 支給品一式
[思考]
1: タマとポテトを殺し、彼らの武器を奪う
2:関東周辺で、弱そうな人間を探して殺す
基本方針:友人達を守る為に、友人を殺すかもしれない人間達を殺す



最終更新:2007年01月22日 19:27