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私は、とある平凡な家庭の、末の娘として造られた。

怒ると怖いけれど、私たちを大切に思ってくれていた兄。
しっかりものど、みんなのまとめ役だった一番目の姉。
クールなように見えて、その実誰よりも優しかった二番目の姉。
少し間が抜けていたけれど、いつだって一所懸命だった三番目の姉。
そして、何をするにも一緒だった双子のきょうだい。
他にも沢山の素晴らしい人たちに囲まれて、私たちの家には笑いが絶えなかった。

私は、みんなが好きだった。

みんなも、みんなが好きだった。

私たちは、シアワセだった。





でも、その幸福はいつまでも続かなかった。

突然だった。
ある日いきなり、兄さんの様子がおかしくなって。
一番目の姉や他のみんなと何処かへ消える事が多くなって。
そのことを二番目の姉に尋ねても、彼女は何も話してはくれなくて。
丁度その頃、人気が急上昇した三番目の姉は仕事に追われて家を離れるようになって。
途端に静かになった家には、私たち双子だけが残された。
二人だけじゃ会話も弾まない。
早く元の生活が戻ってきますように――ずっと、それだけを願いながら日々を過ごした。

そんな毎日に私が慣れてしまいそうになった頃。
私たち二人は一番目の姉に呼び出され、簡単な雑用を頼まれた。
詳しい事は何も説明してはくれなかったけれど、みんなが三番目の姉を使って、何かをしようと計画している事だけはわかった。

――邪魔してやろう。

気が付けば、私はそう思っていた。
みんながおかしくなったのは計画のせい。
なら、計画が失敗すれば、もう一度家族みんなで一緒に暮らせるはず。
馬鹿だと思われるかもしれないけれど、その時の私は本気でそう考えていた。



それが全ての間違いだった。



私は、二人の人間に自分の考えを打ち明けた。
私の双子のきょうだいと、二番目の姉に。
三人で、三番目の姉の邪魔をしよう、と。

私は知らなかったんだ。
二人が、三番目の姉を本気で憎んでいたなんて。

私は思ってもいなかったんだ。
二人が、三番目の姉を本当に殺そうとするなんて。

そして、私は二人を止められないまま。
あの吸血鬼に出会い、全てを支配されることになった―――




自己再生。
◆39/WWxs9O1sが施していた機能によって、機械人形は取り合えず人の形を取り戻す。
幸いな事に、人形の首輪は既に爆発している為、禁止事項である変身、変形に該当しても問題は無かった。
もっとも、完全に直ったわけではない。
何せ頭部以外は消失したのだ、この短時間では間に合わせ程度の再生しか出来はしない。
完全に身体を復元させるには、まだまだ時間が必要だろう。
だが、機械人形は立ち上がる。
立ち上がり、残った右眼で敵を求める。

「――殺す――みんな――殺してやる――」

敵を殺す。

それしかもう、人形には残されていなかったから。

人形は去り、病院の廃墟だけが、後に残された。


三日目・2時30分/新惑星・東京都】
【鏡音リン改@ボーカロイド】
【状態】顔の左半分を喪失、全身にダメージ(再生中)
【装備】なし
【道具】なし
【思考】敵を殺す
最終更新:2010年02月16日 00:23