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彼女は怒り狂っていた。
自分は大量虐殺を行い、禁止行為による首輪爆破で死んだ。
そこまではいい。無責任な夢オチのために死ぬはめになったのだがまあそれもいい。
なぜなら自分は12億人を虐殺した全バトロワ中最多マーダーとして永遠に目立ち続けることができるのだから。
それなら死んでもいいと、そう思っていた。
しかしどうだ。中国人×12億のようにグループになっている参加者は【一人の参加者】として扱われるだと?
じゃあなんで自分は死んだんだ!数の上では一人しか殺していないのに大量虐殺でパンってどういうことだ。
ウィキの殺害数ランキングも相変わらず釣りバカコンビが首位じゃないか。
許さない
絶対に許さない
憎い
憎い
憎い
憎い
殺す
殺す
殺す
殺す

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「まさかここまで目立つなんて……悔しいけど、あなたには勝てませんね」
そう言って、らきすたのデコの目を静かに伏せた。
みくるは驚いていた。
らきすたのデコの死を、必死に夢オチにしたがる存在がいる事に。
それほどまでに彼女は愛されていたのだ。

みくるが無意識のうちにとっていたのは敬礼のポーズだった。
涙は無かった。
無言の歌があった。
女の友情があった。


 (5分後)


「さーて!ウザかった糞デコ女が死んだお祝いにパーッと飲みに行きましょうか!」
「いいですねえ!ビールを飲むならサン○リーを宜しく!」
そこにはこれ以上ないくらい喜びに満ち溢れた朝比奈みくるとアサシンこと笑点のピンクの姿があった。
彼らの後ろにはアーチャー・八意永琳が相変わらずの無表情で控えている。
「正直最初からうざかったんですよねあの女。私とキャラ被ってるし」
「(確かに同じ空気キャラって点では被ってるな)いやぁ、私ももうアイツにはとてもついていけないと思っていたんですよ」
朗らかに笑いあう2人の足元には元の顔の判別がつかないほどボロボロになった人間の生首が落ちていた。
そう、真・空気組はらきすたのデコが死んだ後、今までの鬱憤を晴らすためにデコの頭部をサッカーボール代わりにしてストレス発散していたのである。
体のほうは野生動物に食い荒らされ腐ってハエがたかって蛆が沸いていたのでスルーしてきた。

「そもそもこいつが一人だけ抜け駆けして中国人を皆殺しにしようとしたのが原因なんですよ」
「ホント、仲間まで出し抜こうとするなんて最低人間以下のクソムシですよねー」
そう言ってみくるはボロボロになったらきすたのデコの生首に唾を吐いた。
「まったくです。……こんな汚いものはもう捨ててしまいましょう」

真・空気組が現在根城にしているのは、人里離れた場所にある山林に囲まれた産廃処理場である。
笑点のピンクは廃棄物の中に向けてらきすたのデコの頭を蹴り飛ばした。
「まああんなカスがいなくなっても大丈夫ですよ。お二人のマスターとしての資格はちゃーんと私が受け継いでますから」
満面の笑みで両手を見せるみくる。そこにはデコの死体から奪った2体分の令呪が刻まれていた。
「これで我ら真・空気組も気分良く再スタートが切れますな!ねぇアーチャーさん」
ピンクは何気なく、先ほどから黙ってばかりいる永琳に話をふった。


「皆さんに伝えていないことがあります。らきすたのデコは死んではいません」



みくるもピンクも、永琳が何を言っているのか理解できなかった。らきすたのデコは確実に首輪の爆破で死んだ。
その証拠についさっきまでここにデコの生首があったじゃないか。

「そそそ、そうですよ、こうなっちまえばたとえ神様だって生き返ることが出来るもんですか」
「もー、アーチャーさんったら冗談がお好きなんですねぇ」

そんな二人に向かって永琳は淡々と話す。
「今まで貴方達にこの事を伝えなかったのは、らきすたのデコが令呪を使って私にこのことに関する口止めを行っていたからです」
「ちょっと待ってください!らきすたのデコは確かに令呪を残り六個使わずに持っていたはずです!」
「それは使った分をマジックペンで書いて誤魔化していたのです。新しいマスター、両手の令呪をもう一度よく見てください」
朝比奈みくるは驚いて両手を確認し、悲鳴を上げた。
「片方の令呪が一つしかない!」
「もっと早く気づけよ!しかし何故らきすたのデコは令呪を使ってまで口止めを? しかも一つしかないということは他にも令呪を使っていたということか?」

「まず令呪を使ってまで私を口止めした理由、それは朝比奈さん、らきすたのデコが貴方を警戒していたからです。
 この戦いに勝ち残った暁には、朝比奈みくるは必ず裏切り寝首を掻こうとしてくる。らきすたのデコはそれを見越して
 このバトロワが終わった後も自分だけは永遠に生きられるように、自分一人のために不老不死の薬を作れ、と私に命じられたのです。もう一つの令呪を使って」


アーチャー・八意永琳の真に恐るべき力はその身体能力でも不死性でも弾幕でもない。
サーヴァントとしての彼女の宝具は「あらゆる薬を作る程度の能力」
あらゆる薬……その中には不老不死の妙薬も含まれる。


「不老不死の薬……そういえばあんたの元マスターも不死身だった……」
「不老不死の薬である『蓬莱の薬』を作ったのは確かに私です。
 ですが『蓬莱の薬』は元々、私の元マスターである蓬莱山輝夜の「永遠と須臾を操る程度の能力」によって作られたもの。
 その蓬莱山輝夜が再起不能にされた以上『蓬莱の薬』を作り出すことは不可能でした。
 しかしらきすたのデコは私に命じたのです。『蓬莱の薬を作れ。作れないのならば別の薬でもいい。私を不老不死にする薬を作れ』と。
 私は自分の持てる全ての知識を以って「不老不死の薬」を作り、らきすたのデコに差し上げました」

「じゃあらきすたのデコはどうなったんだ!今どこにいるっていうんだ!」
笑点のピンクは思わず叫んでいた。
その時彼は気づいた。今は自分達3人だけしかいないこの産廃処理場内で、他の何かが活動していることに。
間違いない。その巨大なものが這いずり回るような音は、彼がらきすたのデコの首を捨てた辺りから聞こえてくる。

「……アサシンさん、見てきてください」
「嫌ですよ!なんで私が!」
「やかましい!令呪で命じます!今すぐwせdrtfgyふじこlp」
アサシンは自身の宝具である落語家の言霊によってみくるの令呪発動を防いだ。
そんな仲間の醜い争いも気にかけず、アーチャーは真実を語り続ける。

「彼女が求めたのは、肉体を永遠にこのままの年齢で保ち、肉体が死亡したとしても残っている『精神』によって以前と寸分も変らない肉体が再生する……そんな薬でした」


その時、産廃の山の中からそれは現れた。

笑点のピンクはそれがなんなのかすぐに分かった。こいつはタタリ神だ。あのジブリのもののけ姫に出てきた。
小山のような巨体が胴体で、そこからそれとは不釣合いなほど細くてねじれた足が十何本も生えている。
それで体を引きずるようにしながらこちらに進んでくる怪物の体は何千何万もの紫色をした蛇かミミズのようなものの蠢きでびっしりと覆われていた。
あまりに現実離れしたその姿にみくるもピンクも逃げることを忘れていた。

タタリ神が咆えた。いや、咆えたのはタタリ神の胴体の頂上部についている大きな人間の顔だった。
「らきすたの……デコ」
らきすたのデコは憤怒の形相をしており、その目の部分に瞳はなく、そこからドス黒いタールのような液体を垂れ流し続けていた。
口は歯を剥き出しにして、人間には分からない呪わしい言葉を黒い液体とともに吐き続けていた。


「やはり私一人の力で作った「不老不死の薬」は、本物の『蓬莱の薬』とは似ても似つかぬ粗悪な模造品にすぎませんでした。彼女は死んではいません。
 しかしその肉体はリザレクションに失敗した。それに伴って、彼女の精神も暴走している。さらにこの世に対する怒りでタタリ神にまでなっている
 それがあの姿です。今の彼女は「自分を殺した運命への憎悪、そして人気への執着心と嫉妬」だけで動く怪物です」

「どうすればいいの!どうすれば殺せるの!アーチャーあなた殺しなさいよ!あなたの薬のせいであんな化け物が生まれたんでしょ!責任とって!」
「殺すことは出来ません、不老不死になっていますからね」
相変わらず感情が失われた顔で永琳は言った。
「彼女はもう死ぬことはできない。これから未来永劫、永遠に人気者を憎み、人気者を追いかけ、人気者を殺し続けるでしょう
 タタリ神……というよりノトーリアスDECOとでも名付けるべきかしら」

「なにが……!なにがノトーリアスDECOよ!ふざけやがって!みくるビーム!」
みくるビームはノトーリアスDECOの胴体に命中したが、ズブズブと吸収され無効化された。
「なんで!そんなことがあっていいわけない!みくるビーム!みくるビーム!みくるビーム!」
連発も空しく、ビームはあたった側から無効化されていく。

「アーチャー!アーチャー!助けてアーチャー!!!」
泣き叫びながらみくるは最後の令呪を使って永琳に命じた。
永琳はノトーリアスDECOの周囲を飛び回り、らきすたのデコの顔の部分めがけて精確に弓を連射する。
みくるが逃げるための囮となっているのだ。
地を這うノトーリアスには、常に飛び回りながら遠距離攻撃を仕掛ける永琳を倒す術はないと思われたその時
「デエ゙ェェェェェゴビィィィィィィィム゙ヴゥゥゥゥゥゥ」
地獄の底から響くような声とともに、らきすたのデコの顔部分から発射されたレーザービームが永琳の体を直撃した。
デコビームの直撃によって一瞬で下半身を失った永琳はそのまま近くの山林へと落下した。

永琳が墜落したのを確認すると、ノトーリアスDECOはその巨体からは想像もできないような速度で朝比奈みくるを追いかけはじめた。
(嫌だ!助けて!まだ死にたくない、もっと目立ちたい!わたしは死ねないだってそうわたしは未来からやってきたおしゃまなきゅーぴっとでみんみんみらくる♪みっくるんる
追いついたノトーリアスDECOに潰されて朝比奈みくるは死んだ。そしてその死体を吸収してノトーリアスDECOは一回り大きくなった。


真・空気組を抹殺したノトーリアスDECOは目立っているやつを探すために猛スピートで森林の中を移動していった。
もう彼女に自分自身が目立とうなどという意志はない。
ただ目立つ者を皆殺しにする。それだけのために彼女は存在していた。
最終防衛システム
真竜ニアラ
イナバ製作所の連中
鷹の爪団
聖杯戦争参加者
アーカードナルドとカーネルブロリー
釣りバカコンビ
王と王子軍団
仮面ライダー
カブトムシ
ボーカロイド
主催者
対主催者
織田信長
憎い
憎い
憎い
憎い
殺す
殺す
殺す
殺す


三日目・?時??分/????】

【ノトーリアスDECO@テラカオスバトルロワイアル】
【状態】元らきすらのデコ
    八意永琳の薬で不死身&怪物化
    タタリ神化@もののけ姫
    生物を吸収して巨大化
【装備】触ると死ぬタタリ神の肉体、デコビーム
【道具】無し
【思考】基本:目立っているものを皆殺しにする
※蓬莱人程度に不死身です
※それでも誰かに殺された場合、殺した者にはタタリ神の呪いがかかります

【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡確認】

「助かった……みたいだな……」
森林の中、笑点のピンクはため息をついた。
バケモノとアーチャーの戦いが始まってすぐにこの森の中に避難していたのだが、幸いなことにバケモノには気づかれなかったらしい。
戦いの間中ずっと、彼はアサシンのサーヴァントとして持てる力の全てを注いで空気化していた。
仲間は皆死んだ。
もうマスターもいない。
魔力もほとんど無い。
このままでは遠からずサーヴァントとして消滅する。
しかし彼は諦めてはいなかった。
「私は生き残って、目立ってみせますよ。この聖杯戦争で、このバトルロワイアルで。たとえ裏切りを重ねようとも!」


【三日目・?時??分/????】

【笑点のピンク@現実】 (クラス・アサシン)
【状態】全身打撲 魔力枯渇 マスター不在
【装備】拳銃
【道具】支給品一式、タバコとライター
【宝具】落語家の言霊
【思考】基本:必ず生き残って目立つ
0:新しいマスターを探す

戦いが終わって静寂を取り戻した森の中
木々の間から月明かりが射しこむ場所に八意永琳は横たわっていた。

蓬莱の薬を飲んで不死者となっている彼女は、普通であれば下半身が無くなったとしても死ぬことはない。
だが彼女はこの聖杯戦争にサーヴァントとして参加させられている。
魔力の元であるマスターを失い、自分が持てる魔力も戦いの中で使い果たしてしまっていた。
そしてこれだけのダメージを負えば、サーヴァントとしては消滅するしかない。

月光に照らされながら、アーチャーのサーヴァント・八意永琳は消滅した。

彼女は誰に見取られることもなく消えた。
だから、らきすたのデコに洗脳され続けていた彼女が
消滅する最後の瞬間に「姫様」と呟いて涙を流したことを知るものは誰もいなかった。


【三日目・?時??分/????】

【八意永琳@東方Project】(クラス・アーチャー) 死亡確認


【アーチャー組 脱落】
最終更新:2010年03月08日 00:17