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 ハルウララといえば、百戦以上のレースに敗北し続けた、不敗ならぬ不勝の競争馬である。
 その負けっぷりが話題となり、一時期はハルウララブームを巻き起こした彼女、ハルウララ。
 群衆は彼女の馬券を『当たらない』お守りとして求め、数々の関連商品も飛ぶように売れ、ついには映画化まで成し遂げた。
 だが、どんなブームにもいずれ終わりは訪れる。
 人々はいつしかハルウララの存在を忘れ、かつて一世を風靡した負け馬はひっそりと引退、競馬界から姿を消した。
 そして現在、カオスロワの混乱に乗じて馬主の元を離れたハルウララは、街を行く。

 そんな彼女の後ろには、いくつもの屍が転がっていた。

 ハルウララは今年で十四歳。中々の老馬である。
 だが、彼女の意思は競争馬時代と何一つ変わらない。

『――勝ちたい』

 競争馬に生まれたならば、当然の願い。
 しかしかつての彼女は、その願いを叶えることを許されなかった。
 実力的な問題もあるが、それ以上に――観客が誰一人として、彼女の勝利を望んでいなかったから。
 敗北し続ける馬は、一度でも勝利してしまえばただの馬になる。価値を失ってしまう。
 故に彼女は、勝つために走る競争馬でありながら、勝ってはならないという二重拘束に苦しみ続けてきた。
 だが、今は違う。
 テラカオスバトルロワイアルに参加者はいても、観客は存在しない。
 だから、彼女は心置きなく目指せるのだ――最後の一人になるという『勝利』を。

 老いた躯を勝利への執念で動かし、ハルウララは走る。

 彼女にとっての、最終レースを。

【カスケード@みどりのマキバオー 死亡確認】死因:蹴り
【折原臨也@デュラララ!! 死亡確認】死因:人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて地獄に落ちろ

三日目・19時15分/新惑星:東京都】
【ハルウララ@競馬】
[状態表その他いろいろ]:不明
最終更新:2010年06月27日 01:16