飛行機能を備えたタイムマシン・シルバードで東京の空を駆けめぐる藤岡弘、一行。
しかし、彼らの探索はあまりはかどってはいなかった。
なぜなら、合間に何度も休憩を挟んでいたからだ。
何せ本来三人乗りのシルバードに、子ども二人を含むとはいえ六人で乗っているのだ。
はっきり言って、快適とはほど遠い乗り心地である。
そのため彼らは、たびたびシルバードを着地させては休憩を取っていたのだ。
そして事件は、何回目かの休憩中に起きた。
◇ ◇ ◇
南千秋は、夜空を見上げながら物憂げに溜め息をついた。
既にかなりの長時間姉の春香を探しているが、見つかる気配はいっこうにない。
こんなことならあの時別れるのを思いとどまるべきだったか、と考え、千秋の口から再び溜息が漏れる。
その直後、彼女の頭に温かな手が置かれた。反射的に千秋が振り向くと、そこには穏やかな笑みを浮かべる旧知の顔があった。
「藤岡……」
「元気ないね、千秋ちゃん。やっぱり春香さんのことが心配?」
「そんなことは……」
虚勢を張ろうとする千秋だったが、その語尾からは力が失われていく。
途中で超人的な力を身につけたりもしたが、彼女はごく一般的な生活を送ってきた小学生なのだ。
この過酷なバトルロワイアルの中で蓄積された疲労は、肉体的にも精神的にも決して小さくない。
「大丈夫だよ。俺は頼りないかもしれないけど、フォルテさんや弘さんや滝さんが協力してくれてるんだから。
今すぐとはいかなくても、そのうちきっと……」
千秋を慰めようとする藤岡の言葉は、途中で途切れる。彼の背後で、突如として爆発が発生したからだ。
「っ!!」
藤岡には、何が起きたのかわからなかった。だが、自分たちの身に危機が迫っていることだけは理解出来た。
ここで彼が取った行動は、千秋を抱きしめ爆風から守るというものだった。
◇ ◇ ◇
千秋が現状を理解するのにかかった時間は、決して短くはなかった。
藤岡と話している時に突如発生した、莫大な熱、光、音。
それに一瞬意識を奪われ、気が付いた時には藤岡に抱きしめられていることに気づく。
気恥ずかしさからとっさに引きはがそうとするが、そこで彼女の手に付着した血液が千秋に現実を教える。
藤岡の体は、無惨に傷ついていたのだ。
「お、おい! 藤岡!」
藤岡の腕の中からすり抜けた千秋は、目にうっすらと涙を浮かべながら藤岡に呼びかける。
だが、藤岡からの返事はない。
「くそっ、いったい何が起きたんだよ!」
いったん藤岡から視線を外し、千秋は周囲を見渡す。真っ先に目に入ったのは、藤岡と同様に血塗れで倒れているリルムの姿。
そして原形を留めぬほど大破し、炎上するシルバード。
その周囲にはフォルテ、滝、藤岡弘、の姿がある。三人とも流血はしているが、藤岡やリルムよりは軽傷のようだ。
彼らは一様に、シルバードの向こうにある影をにらみつけていた。
「あら、渋いおじさま達! 嫌いじゃないわ!」
黒い頭部に、黄色いボディー。そして異様に長く伸びた腕。
異形の怪物・ルナドーパントと化した須藤元気が、そこにいた。
「てめえ……。よくもやってくれたなあ!」
怒り心頭のフォルテが、銃を乱射する。弾丸は次々と須藤元気に命中するが、一切のダメージを与えることはない。
人類の限界を超越した存在であるドーパントに、一般的な銃など通用するはずがないのだ。
「女には用はないのよ。死になさい」
不機嫌そうにルナドーパントが腕を振るうと、それはムチのようにフォルテの首に巻き付く。
そして次の瞬間には、フォルテの首の骨はへし折られていた。
「……っ!」
断末魔の絶叫をあげることすらかなわず、フォルテはその場に倒れ込む。
「フォルテ!!」
声を張り上げながら、滝はフォルテの元へ駆け寄った。だが既に、彼女は物言わぬ屍と化していた。
「ちくしょう……! よくも……」
悔しさと怒りに顔を歪めながら、滝は銃口を眼前の怪人に向ける。
しかしその行動を、藤岡が制した。
「よせ、滝さん。あいつにただの銃が効かないのは、見てのとおりだ。
こいつとは、僕がやる。あなたは子ども達を頼む。まだ息があるはずだ」
「……わかった。頼んだぜ!」
一瞬ためらいを見せた滝だったが、藤岡の言葉に従い後退する。
残された藤岡は、渾身の気合いを込めてルナドーパントをにらみつけた。
「うーん、その視線、ゾクゾクしちゃう! 嫌いじゃないわ!」
視線を受けて身を悶えさせるルナドーパントだが、そんなことは藤岡にとってどうでもよかった。
彼の心は、怒りに満ちていた。
大切な仲間を、未来のある子ども達を傷つけた怪人が許せなかった。
そして、その凶行を防げなかった自分が許せなかった。
(しょせん本物の半分の力しかない僕では、怪人と戦うのは厳しい……。
だがこの場面、勝たなければならないんだ!)
確固たる決意を胸に、藤岡はポーズを取る。
「ライダー……変身!」
ベルトの中で風車が激しく回転し、藤岡の姿が変わっていく。
瞬く間に、彼はバッタの顔を持つ正義の使者へと変貌していた。
「あら……。あなたも仮面ライダーだったの?」
「ああ、そうだ。僕は正義を守る者……仮面ライダー1号!」
啖呵を切ると、藤岡はルナドーパントに向かって走り出す。
「いくぞ、悪の怪人よ! 仮面ライダーが、貴様を倒す!」
【リルム・アローニィ@FF6】
【状態】重症、気絶
【装備】チョコボの筆、団長の髭
【道具】不明(2人分) 、アンパンマンの顔(1/4)
【思考】
1:ジジイ(ストラゴス)を捜す
【南千秋@みなみけ】
【状態】混乱、疲労
【装備】ゴシック調ワンピ@トモダチコレクション
【道具】基本支給品、緑黄色野菜、アンパンマンの顔(1/4)
【思考】
1:どうすればいいんだ!
2:さすがに姉さまが心配になってきた
3:ラヴ・アンド・ピース!!
【藤岡@みなみけ】
【状態】疲労、重症、気絶
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
1:冬馬やその他の知り合いを探す
2:千秋を守る
【藤岡弘、@現実】
【状態】軽傷、仮面ライダー1号に変身中
【装備】斬鉄剣@ルパン三世、変身ベルト@仮面ライダー
【道具】支給品一式
【思考】
1:目の前の怪人を倒す
2:弱者の保護
3:千秋達の知人を捜す
※仮面ライダーに変身できるようになりました。ただし、戦闘力はオリジナルの半分程度です。
【滝和也@仮面ライダーSPIRITS】
【状態】軽傷
【装備】猟銃
【道具】支給品一式
【思考】
1:殺し合いには乗らない
2:子ども達の傷の手当て
3:千秋達に協力
4:仮面ライダー達と合流
【須藤元気@現実?】
【状態】健康、ルナ・ドーパント
【装備】ルナメモリ@劇場版仮面ライダーW
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:いい男を探す
1:左翔太郎を狙う
2:目の前の仮面ライダーと戦う
【フォルテ・シュトーレン@ギャラクシーエンジェル 死亡】
最終更新:2010年08月25日 00:18