「殺し合い、となあ」
織田信長は、神社の境内で座り込んで情報を分析しようと試みていた。
これは一体誰の差し金だろうか? 対立している朝廷や幕府、あるいは武田や一向宗の残党の仕業か。
否、おそらくそうではないだろう。連中にはこんな大掛かりなことをやってのけるような力はあるまい。
今この国で一番力を持っている自分にさえも出来ないことなのだから、それは確実だった。
ならば南蛮の命を受けた宣教師達の仕業か、とも思ったのだが先ほど見た名簿の中には明らかに南蛮人のものと思しき名前も数多くあった。
ガチャピンやゴジラ、アンパンマンなどは間違いなくそうだろう。
ドラえもんなどという、日本人か南蛮人か微妙に怪しい名前もある。
しかしそれ以上に気になる名前がいくつかあった。まずは豊臣秀吉。
秀吉といえばあの猿のことだが、「豊臣」という嫌に偉そうな姓には聞き覚えは無い。同名の他人だろうか。
しかしこの名前が自分の名前「織田信長」のすぐ下にあること、そしてそのそばにあった「黒田官兵衛」という名前が気にかかる。
この名前には心当たりがあった。猿がその配下としている軍師だ。
ならばやはりこの「豊臣秀吉」というのも猿のことなのだろうか。
「まあ、考えていても埒が明かん。とにかくどうやってでもここから逃げ出すのが先決か」
信長は名簿をたたんでナップザックに入れなおした。
夢にまで見た天下がようやく目の前にまで見えてきたのだ。こんな時に、こんなわけのわからない戦で死ぬわけには行かない。
「さて、余に支給された武器とは如何に」
ナップザックから出てきたのは、南蛮のあらゆる文化に精通している信長も始めてみる奇妙なものだった。
一見すると、黒い鉄の塊。奇妙な形をしているが、武器かどうかもわからない。
実はこれは信長がいち早くその有用性を見抜いた「種子島」の子孫に当たる武器なのだが、さすがの信長にもそこまでは見通せなかった。
どうやって使うものだろうかとあれこれ弄り回していると、突然耳を劈くような音がしてその銃口が火を噴いた。
「何事か? 」
幸い、怪我はしなかったもののどうやらうかつに触るわけには行かないものらしい。
「ふむ。しかし手にしていれば後々使えそうじゃ。是非もなし」
信長は満足して、その武器を懐に入れた。そして地図を見て、自分がいる場所は神社のうちのどれからしいことを見て取った。
思えば、一人きりで行動することなど久しぶりだ。ここから先は、いかに自分であっても油断をすれば命を落とすだろう。
「さて、まずは猿を探しに行くとするか」
信長は熟慮の末、動き出すことを決めた。
一方、暴発した信長のコルトガバメントから発射された一発の銃弾によって、
少し離れたところにいた一人の主婦が命を落としたことは言うまでも無い。
【一日目 スタート直後】
【織田信長@歴史】
[状態]:健康
[装備]:コルトガバメント
[道具]:支給品一式
[思考]
1:秀吉・官兵衛と会い自分の知っている者かどうか確かめる
2:ここから脱出するのに役立ちそうな協力者を探す
基本方針:早く
ゲームから抜け出し、もとの世界に戻る
*織田信長は本能寺の変直前から呼ばれました
最終更新:2007年02月22日 21:49