「またこんなことに巻き込まれるなんて……
飛ばされる直前合体したから二人まとめて飛ばされたのは不幸中の幸いだったけど」
「人様の剣の中でギシギシやった報いなんでしょうか?」
富士の樹海入り口、大木の下で一組の男女がぼやいていた。
7期において純粋なサッカー少年を誤った道に引きずり込んだ夫婦である。
「報いか……仕方が無い。緊急時以外は合体を控えよう。
それよりも、まずは今後の行動方針だね。主催者は倒すのは当然だけど……前よりたちが悪いな」
「忌々しい参加者……あの発言から察すると、今回の主催者は前回の犠牲者の誰かということでしょうか?」
「アッコさんの願いで蘇生して、自分を殺した人へ復讐を誓ったと? 生き返らせて貰っただけでも十分だろうに。
また倒しても復活されるかもしれないから、封印の方がいいかもね」
「そうですね。放送で6番目の制限が解除されたら、対主催の方を探しましょう」
「それまでは……困っている人を助けようか。回復薬程度ならその辺の草でも調合できるからね」
二人が行動方針を決め、とりあえずは移動しようとしたその時。
ガササササッ!
「「!?」」
ガササササササササッ!
「誰だ!」
『何か』が超高速で森を這いずり回る音が辺りに響く。
ラグナが支給されていた刀をいつでも抜けるよう身構えている最中もその音は断続的に響き続ける。
ガサガサ、ガサガサ、ジィィィィィ……
「鳴き声……? 野生のモンスターか……?」
ガサササ、ガァァァァ、ガサガサ、ルゥゥゥゥ、ガサガサ……
正体不明の存在の鳴き声は統一されておらず、それが恐怖をあおる。
音の方向から、おそらく正面奥にいるのは確か。
この嵐の中をあれだけの速度で移動できるとなると中々の強敵の可能性もある。
飛び出して来た瞬間、一太刀で切り伏せたほうがいいかもしれない。
迎撃の意思をかためたその瞬間
バッ!
『ソレ』は飛び出した。
「出たなモンス――――」
「 あ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ 我 が あ る じ い い い ぃ ぃ ぃ ぃ あ !
ぶ わ っ と る あ す わ あ あ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ん ん ん ! !
ど ぅ ぅ ぉ お く お ぉ お ど ぅ ぅ え す く わ あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」
モンスターではない。
もっとおぞましい何かだった。
rァ全力逃走
迎撃をあきらめ、二人は迷わずにそのコマンドを選んだ。
モンスターならまだよかった。
現れたのは
両手にガムテープを握り締め、何故かスク水を着込み、さらに何故か四つん這いで高速移動する少女だったのだから。
さらに天候が嵐なのもあり、振り乱し張り付くツインテールももはや別のものに見えてしまうような……
奇声をあげるソレは、辛うじて人間と言える存在だった。
「 あ あ あ あ あ あ……? あ、待ってください! そこのお二方!」
おぞましい化物が、突如人間の言葉を話すが、待てと言われた二人は止まらない。
毒蜘蛛にどことなく似ていると内心思っていたため、止まる気が起きないのだ。
「ぼ、僕たち急いでいるんで!」
「シ、シーユーアゲイン、ハバナイスデイです!」
「待って、待ってください! 誰も私に近寄らないんです! あと1分で禁止行為に触れちゃうんですぅぅぅぅ!」
毒蜘蛛(仮称)は凄まじい勢いで二人の前に回りこむと懇願してきた。
どうやら主催者の定めた2人以上での行動が達成できない様子だ。
(そりゃ誰も好き好んで近寄ろうとは思わない……!)
(ど、どうします? バリア展開して短距離ワープを使えば首輪の巻き添えはありませんけど……)
(い、いや流石に見殺すのは……)
(そ……そうですが……正直怖いです!)
直前まで困っている人は助けようと決めたはずだが、手が伸びない。
第一印象があまりにも強烈過ぎだ。
しかし一応、このカオスロワに巻き込まれたであろう人間なのは確かなわけで……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「えーと……つまり、その格好は正装であって……
仕事のミスをしたらご主人に罰として最悪に酷いカケラの世界、つまりここに飛ばされた名探偵のヱリカさん
……でいいのかな?」
「グッドです! 本当に助かりました。本当に何故か誰も近寄らなくて……
我が主も恐ろしい方です。殺人事件は好きですが、こんな世界では犯人も動機もあったもんじゃありません。
こうなったら主催者の正体と本当の目的を暴くことでこの灰色の脳細胞を死滅させないようにしましょう」」
「はあ……」
結局、毒蜘蛛……自称名探偵、古戸ヱリカは首輪爆破の難から逃れていた。
残り5秒ギリギリまで悩んでの決断だった。流石に目の前で死なれるのも目覚めが悪いという理由で。
「しかしこの私としたことが、開始5分でここまで醜態を晒すなんて……これは罰が必要です! ええ必要です!
本来我が主の役目ですが、不在ですのでとりあえずお二人、お願いします!
この哀れで惨めなゲロカスをこのガムテープで縛ってなじってください!」
「「…………」」
「ハアハア……さあ早く! 罰がないと私は探偵を続けられないんです!」
オ ゥ イ エ ェ ェ ェ ベ リ ー ギ ュ ゥ ウ ゥ ゥ ッ ド ォ ゥ ゥ ! ! !
ビクン! ビクン! ビターン! ビターン! ビビタターン!
(・・・・すごい変態だ)
(・・・・すごい変態ですね)
(……変態を相手にする苦労を少しは知れということか)
(……これが、真の報い……)
(これほどの変態……世界は広いな……)
【一日目・0時10分/富士の樹海入り口/天候・嵐】
【古戸ヱリカ@うみねこのなく頃に】
【状態】健康、ガムテープ巻き、変態という名の探偵
【装備】スク水、ガムテープ
【道具】支給品一式、お箸、その他不明
【思考】
基本:我が主ぃぃぃぃぃぃぃぃ!
1:主催者の正体を暴く
2:この世界からの脱出
【ラグナ@ルーンファクトリー】
【状態】健康、精神大疲労
【装備】覇邪聖皇剣
【道具】支給品一式、回復薬
【思考】
基本:主催者の討伐或いは封印
1:困っている人は助ける
【エリス@ルーンファクトリー】
【状態】健康、精神大疲労
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:主催者の討伐或いは封印
1:困っている人は助ける
※両者7期から参戦です
最終更新:2011年01月26日 01:10