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市役所の窓ガラスは嵐に揺らされていた。この嵐は主催者の非利益的なものだった。単に彼は人を苦しめたいだけなのだろう。
揺れている窓ガラスの前に一人の老人がいた。白い肌で高い鼻、青い目でしわが顔を侵食している。白人男性の老人とは見てわかった。
彼はレミントンM870をその手に持っていた。それはさも老人の必須道具かのように持っているので大きな違和感が生まれる。
老人はその違和感を周りから見られるのでは、と気にすることはなかった。それ以前に彼はひどく怒っていたからである。
その怒りとは何に対するものか。それは単純かつ狂っていた。そんな考えに同情する者はほとんどいないだろう。
(ああ、なぜなのじゃ。一人で誰にも頼らず、頼られず、戦場のような孤独感と銃撃の音が素晴らしいのではないか。
 だというのにここの主催ときたら無能にもほどがある。二人以上三人以下で組むこと? 生ぬる過ぎるじゃろうが!)
まあこの理論、賛同されることはない。されるとしたら戦闘狂か殺人鬼ほどだ。どちらにしてもろくな考えではない。
かと言っても誰かと徒党を組まねばならない。次の戦いの為、次の殺戮の為にはそれはかかせない重要事項なのだ。
そう思い老人が仲間にした者は、彼の気持ちを非常に逆撫でする、気に食わない男だった。
「やあお爺ちゃん。こちらには誰もいないようだね」
ふわふわ浮いたような声が聞こえる。廊下の角から銀髪の青年が笑みを浮かべながら老人に言った。
青年の名は火野映司、と老人は聞いた。それは大嘘である。彼の名はカザリ。人の欲を食い物にする化物、グリードである。

老人は市役所の入り口で隠れながら、とある少女らを見ていた。もちろんショットガンを構えてである。まるで陸軍だ。
カザリはそれに反して立っている。彼は手持ちのウージーを見ながら、老人を見下していた。
彼に老人をいたわらない心があるわけでない。カザリはこの老人よりも昔から、それも何百年と生きているからだ。
だから先ほどもタメ口だったのである。人は見かけによらないとは、よく言った者だ。
少女らは抱き合った後、お互いになにやら色々と話していた。通常ならヘッドショットなど造作もない。もちろん「通常」の場合だ。
嵐が荒れているこの状況下、彼女らに標準を合わせることは難しいのだ。逆に彼女らがよく立っていられてると感心すらする。
また老眼で合わせにくい。もちろん今までは勘で撃っていたのだが、これじゃ勘も糞もない。くそったれだ、と老人は罵声を吐く。
ショットガンではあるが正確に仕留めたい。うまくいけば少女らは穴ぼこチーズからケチャップが噴出すのだ。たった五発、慎重に持ちたい。
「早くしようよ。そんなに慎重にしたっていいことないよ」
カザリは他人事のように言う。徒党強制式ルールさえなければ口に銃口を突っ込んで脳みそを吹き飛ばしたい、と老人はイラついていた。
「第一、貴様も銃器を持っているではないか。若者なら嵐の中でもある程度は大丈夫じゃろう?」
「雨で銃器が湿気ちゃうよ。見ての通り日本人だからね僕は。銃器の扱いにはなれてないし」
彼は日本人どころか人間じゃないので大嘘だがごもっともである。老人は納得し、再び少女に標準を合わせていた。

少女の声が聞こえた。嵐の中にいる彼女らではない。老人は後ろからかわいらしい少女の声が聞こえたのである。
敵だ。殺せ。こっちはショットガン、至近距離なら一撃必殺。向けろ。銃口を向けミンチにしてやれ。死ねくたばれ死ね滅びろ。
老人はそう呪文のように脳内で唱えると、振り向き後ろのかわいらしい少女に銃口を向けた。

 刹那、少女は爆発した。

黒こげだ。少女は黒こげだった。むききききと小さい声で何かを言っているがその声も小さくなりやがて途絶えた。
老人は驚くと同時に彼女が爆発して炭になる前に、鋭い光が現れたことを思い出した。あまりにも一瞬だが眩しいのでよく覚えていた。
その閃光も後ろから来たような気がする。もちろん見えたわけではない。だが彼は妙な確信を得て、少女らを見た。
一人、手に拳銃を持っていた。嵐のせいでぼやけているが、少なくとも昆布巻きではない。きちんとした銃の形だ。
間違いない。彼女が撃ったのだ。老人はそう思い冷や汗を流す。なんて武器なんだ。あの少女は銀河帝国でダースベイダーの手下なのか?
先ほど老人が後ろを振り向いた理由はてんでたいしたことではなかった。実に簡単な消去法だ。
まず老人やカザリはあんな武器は持ってないこと。前には誰もいないこと。窓ガラスに穴が開いてないこと。それだけだ。
と考えると撃ったのは少女しかない。実際そうなのだから、いちゃもんのつけようがなかった。

先手を打たれた、と老人は危機を感じるとショットガンの引き金を引いた。ドウンと乾いた音が聞こえたが弾は彼女からあっちの方向へと飛んでいく。
「散弾も当たらないなんて、焦ったからよくないね」カザリがまた人事のように言う。撃ち殺したい、と老人は真剣に思った。
それに応戦するように向こうからは光線が飛んでくる。避けようがないそれは市役所の壁を破壊する。
老人は目の前で壁がガレキになるのを見ると、焦ってショットガンを撃った。もう当たったのか当たってないのか嵐でわからない。
カザリもウージーを撃つ。パパパパと銃口から音が鳴る。銃は慣れてないんじゃないのか、と老人は憤慨していた。
やがて銃声が鳴り止むと老人は前を見る。前には誰も見えない。ただ嵐が吹き荒れるだけである。
老人の名を通称、ショットガンおじいちゃんと言った。

【一日目・0時10分/埼玉の市役所/天候・嵐】

【ショットガンおじいちゃん@GTA3カオスモードプレイ】
【状態】健康 カザリに対する怒り
【装備】レミントンM870(3/5)@グランド・セフト・オート3
【道具】予備弾薬 通常支給品
【思考】基本:新たな殺戮を求めて戦う。
    1:カザリ(本人は火野映司と確認している)と手を組む。できれば殺したい。

【カザリ@仮面ライダーオーズ/OOO】
【状態】健康 人間に変身
【装備】IMI マイクロウージー(18/25)@現実
【道具】予備弾薬 通常支給品
【思考】基本:老人と組み殺し合いに乗る。終わりがない場合、生き残ることを優先させる。
    1:老人が必要なくなったら殺す。

「大丈夫だったね~あずにゃん。私死ぬかと思ったよ」
平沢唯は中野梓にちょっとした出来事のように言った。もちろんちょっとはしていないのだが、にしても愚鈍すぎる。
この愚鈍さでは中野梓が平沢唯の腕をひっぱり、光線銃で応戦しながら家へ逃げこまなければ、唯は骸と貸していたであろう。
梓はそのとき隣に人影がいたことを思い出すと、そんなことを気にしている暇はないと思いとっさに光線銃を窓枠に構えた。
「あずにゃーん返してよー。それ私のだよー」唯は緊迫感を一欠けらも見せず梓に抗議した。
「先輩にはこれでもあげます」梓は近くのテーブルにゲーム機を置いた。ワンダースワンとかいう名前らしい。
やったーと唯は能天気に喜びワンダースワンで遊びだした。梓は彼女の能天気さに呆れながらも、図太さに尊敬もしていた。
外は嵐だ。何も見えない。光線銃で的確に当てられるとは限らない。下手な鉄砲数撃ちゃ当たるというが弾にも制限があるのだろう。
誰がなんのためにこの嵐を用意したのだろう。殺し合いをさせるにも頻度が減り、円滑に進まないだろうに。
嵐は一人の骸を吹き飛ばし、ただ荒れるのみ。

【一日目・0時10分/埼玉のどっかの住居/天候・嵐】

【平沢唯@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ワンダースワン@現実
【道具】支給品一式
【思考】基本:まだ考えてない
    1:軽音部や友人達を探す
    2:死んだ女の子は…まあいいか

【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】スーパー光線銃@スクライド漫画版
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いはしたくない。だが防衛はする。
    1:軽音部や友人達を探す
    2:唯先輩は手遅れだから気にしない

【トム・シェイズ@ダメージ 死亡確認】
死因:ショットガンおじいちゃんとカザリの銃撃。
最終更新:2011年01月27日 00:54