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「はぁ……はいはい、またバトロワね。毎度毎度懲りないねぇ
 で?僕は何?また兄さんを逆恨みしてヘタレマーダーになって犬死すればいいわけ?
 ま、それじゃ適当にやって適当に死のうっと」
「どうしてそこで諦めるんだそこでー!!」

初っ端からやる気を全く見せないのは、ご存知マリオの弟の緑のヒゲ・ルイージ。
そしてもう一人は、暑苦しい炎の妖精こと我らが松岡修造である。

「駄目駄目駄目そこで諦めちゃ!!」
「うるさいな。いつ見ても毎回僕の扱いはこうじゃないかよ。
 兄さん相手に二番手コンプレックス云々で殺意抱いて、適当に火種にされては間引かれる。
 酷い時には女の子襲わされたことまであったんだぞ。何で僕があんな真似しなきゃならないんだよ」
「諦めんなよ!周りのこと思えよ応援してる人達のこと思ってみろって!!」
「そいつらがそうさせてんだよ。応援されてるのは、ヘタレで情けない僕だ。
 誰も僕が覚醒したり、まともに活躍することを許さない。
 フラグも残さないまま、ただ無様に醜態だけ晒して死ねってさ」
「わかるよ……世間は冷てぇよなぁ。みんな君の想いを感じてくれねぇんだよ!
 でも大丈夫、わかってくれる人はいる!!そう、俺について来い!!」
「うるさい。あんたも、死にたくないからとりあえず僕と合流しただけでしょ。
 ま、いいけど。僕の醜態に巻き込まれる前に、適度に見切りつけて離れなよ。
 あんたまでカッコ悪い姿晒しながら死にたくはないだろ?」

一人で盛り上がる修造に対し、ルイージの態度は終始冷ややかだった。
修造の熱い叫びも、ルイージの身を覆うネガティブゾーンの前には無力だったのだ。
やがて、叫び続ける修造にも疲れが見えてくる。

「どうして……どうしてなんだよ」
「こんな環境で真面目にやろうとする奴の気が知れないよ。馬鹿馬鹿しい」

その時、二人の前方に二つの人の影が現れる。
一人は、紫の髪と褐色の肌の美しい女性。
彼女の名はモンバーバラの双子の妹、ミネア。
そして、もう片方はルイージのよく知る兄の姿……

マリオだ。

それを見つけるや否や、ルイージはその手に持つハンマーを殺意を込めて握り締めた。

「あ、兄さんだ。じゃ、さっそく殺しに行かなきゃ」
「いや何自然に殺しにかかろうとしてんだよ!お前の兄ちゃんだろ!?」
「そうだよ。僕の一番憎い兄。あいつのせいで僕は永遠に二番手のままだ。
 僕は兄さんの影じゃない。それを証明するために、兄さんを殺してやるんだ。
 そして僕は主役になる、僕こそが光を浴びるんだ」
「な、何言ってんだよ!!目ぇ覚ませ!!!お米食べろ!!!
 自分の兄貴になんてこと言うんだ!!本気で思ってんのか!!」

「そんなわけないだろう!!!」

修造の声を上回る大きな声で、ルイージは叫んだ。

「誰が好き好んで、自分の兄貴を殺そうとするもんかっ!!!」

ルイージの目には、涙すら浮かんでいた。その光景に、修造は圧倒される。


「ルイージ……お前」
「本気でそんなこと思うわけないだろ。ずっと一緒に戦ってきた、影から支え続けてきた
 たった一人の兄さんだぞ。どうして殺したくなるほどまでに憎まなきゃならない……?」
「……」
「でもね……僕の中でドス黒い感情が、物凄い勢いで膨らんでいくんだ。
 身に覚えのない憎悪が突然生まれ、主役になろうなんてわけのわからない野望が膨らんでいく。
 そしてその黒は僕の心を染め上げ、悪魔に変えていくんだ。
 身の程知らずで分不相応、ただ滑稽なだけのヘタレで無様な悪魔になぁ!!」
「よせ、そんな心に身を委ねちゃ……」
「はは……突然生まれたんじゃない、もしかしたら元々僕にあった馬鹿な心なのかもしれないなぁ。
 兄に嫉妬する陰険な弟……これが僕の醜い本性なのかもね……」
「そんなわけねぇじゃん!!迷ってんじゃねぇよ!!
 君の心はピュアだってこと、今君の涙が教えてくれたじゃねぇかよ!!」


「ルイージィ?」
「あ、あのー……盛り上がってる所悪いんですけど……」

やり取りに夢中のルイージと修造の前に、マリオと褐色肌の女性が声をかけてきた。

「……兄さん」
「あ、すいません。でも大丈夫!俺達殺し合いに乗る気ないから……」

次の瞬間。

一発の銃声が鳴り響き。

その場に鮮血が飛び散った。

「えっ――!?」

赤い帽子が、その場に舞い……
他の全員がすぐに気付いた。その男が撃たれた――どこかから狙撃されたことに。

「兄さん――!?」

撃たれたのは、マリオだった。
頭部を打ち抜かれ――即死だった。

「兄さぁぁぁぁぁん!?」
「ま、マリオさん!?」
「う、嘘だろ!?」

たった一人の大切な兄の死が、弟の運命を動かし始める――

【一日目・0時30分/兵庫県神戸市内/天候・嵐】

【ルイージ@マリオシリーズ】
【状態】健康
【装備】ハンマー
【道具】支給品一式
【思考】
  1:???

【松岡修造@現実】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
  1:ルイージの熱い心を呼び覚ます

【ミネア@ドラゴンクエスト4】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
  1:ショックで呆然

【マリオ@マリオシリーズ 死亡】

ルイージ達のいた場所から離れた場所に、マリオを殺害した下手人の姿があった。

「上手く殺せたようですね。これで二人目ですか」

そう言って、いつもと変わらない愛らしい笑みを浮かべながら……
彼女、朝比奈みくるは普段の姿からは想像もつかない言葉を呟いた。
彼女が抱えるのは一丁の狙撃ライフル。
そして彼女の足元には、一人の散切り頭の男の死体が転がっている。

「この調子でどんどん殺せていければいいですね」
「朝比奈みくる……なんで、どうして……」

長門有希は目の前のよく知る少女の行為に、ただ恐怖するしかなかった。
彼女の姿や性格は眼鏡をかけた【消失】の時の彼女で。
しかし普段のSOS団としての記憶も持ち合わせているようだった。
そんな彼女の目の前で、一人男を殺し、今またその手のライフルでマリオを殺したみくる。

「……残念ですが、その質問の答えは禁則事項ですから答えられません」
「禁則……何を……」
「大丈夫ですよ。あなたは殺すつもりはありませんから。少なくとも、今は」
「あ……ああ……」
「そして、あなたも何もできない。今の貴女は何の力もない、ただの人間でしかないんです。
 歯向かおうと考えないほうがいいですよ?今の私は、あなたではどうにもできませんから」

普段の苦手意識はどこへやら、みくるの長門への態度は終始強気だった。


朝比奈みくる、一体彼女の身に何が起きたのか――禁則事項です。
彼女は一体何を考えているのか――禁則事項です。
彼女のこの自信は一体何を根拠としているのか――禁則事項です。
この嵐の中での狙撃に成功した、彼女の力は――禁則事項です。
長門有希の身に何が起きたのか、何故その力を全て奪われているのか――禁則事項です。
みくるの真の目的は――禁則事項です。

そもそも……彼女は本当に朝比奈みくるなのだろうか?

――禁則事項です。

【一日目・0時30分/兵庫県神戸市内/天候・嵐】

【朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】禁則事項です
【装備】狙撃用ライフル
【道具】支給品一式
【思考】
  1:禁則事項です

【長門有希@涼宮ハルヒの消失】
【状態】恐怖
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
  1:みくるに恐怖
【備考】彼女の能力の全ては使用不可。
    SOS団としての普段の記憶を持ちながら、キャラは消失長門です

【ゴエモン@がんばれゴエモン 死亡】
最終更新:2011年01月27日 19:23