「5分経過、か……とりあえずファーストステップはクリアできたようだな」
「そうみたいね」
とある小学校の体育館で、嵐を凌ぐ二人組。
例によって例のごとくバトロワに巻き込まれた
柊かがみは、目の前にいるおかしな男と
チームを組むことで、最初の関門を生き延びることに成功していた。
かがみの出会った男は、黒いロングコートにテンガロンハットが特徴的なカッコつけ。
チャラチャラした、という印象を強く抱く男――ハーケン・ブロウニングである。
「オーケイ、それじゃそろそろ出発しようか。ツンデレガール」
「誰がツンデレだ……わけわからん渾名じゃなくて、ちゃんと本名呼びなさいよ」
この男は終始この調子だ。意味不明の渾名を連呼し、ひたすらキザっぽく振舞う。
本人はクールぶってカッコいいつもりかもしれないが、見事に滑っていた。
「胡散臭い」という言葉があまりにも似合う彼を前に、かがみは頭を抱えるしかなかった。
「で、これからどうすんのよ。お互いの仲間を探すって方針でいいわけ?」
「!!……静かに、方針検討ガール」
「いやいやいや、どういうセンスで……!?」
突っ込もうとした矢先、かがみはハーケンの目に鋭さが灯ったことを確認する。
ハーケンの視線は、体育館の講堂の高台に向けられていた。
そこには、一人の女性の姿があった。
その顔に浮かぶ不敵な笑みは、殺し合いに乗ったことをひと目でわからせる表情だった。
(あ、あの人いつの間に……)
「へぇ……気配は殺してたつもりだけど、なかなかいい勘してるじゃない」
「そんな魅力的な姿されちゃ男の注目を集めちまうぜ、セクシーレディ。
ましてや、殺意全開の目でこちらを見初められてるとあってはね」
「それはどうも、色男さん」
かがみとハーケンの前に現れた新たな女。
紫の髪と褐色の肌……そして、女性であるかがみすらも魅了させるほどの、妖艶な姿。
踊り子だろうか、露出度の高い衣装は彼女の美しさをさらに引き立たせていた。
そんな彼女に、かがみが抱いた最初の印象。
「ふんどし!」
かがみは、支給された一本の大根で女の下半身を指しながら、一言言った。
「は……?」
その場の空気が固まり……やがて女が激しく突っ込みを入れ、ハーケンが笑い出した。
「こっ……これはふんどしじゃないっっ!!由緒正しいモンバーバラの踊り子の衣装よっ!!」
「フ……ハハッ、なかなかいいセンスしてるじゃないか命名レディ」
「いやいやいや、またわけのわからん渾名を……」
「そういうわけだ。で、どうするふんどしレディ?俺と一戦交えるかい?」
「あんたまでふんどし言うなっ!!私には、ミネアって名前があるのよ!!」
「オーケイ、ふんどしクイーン。そうカッカしちゃ、美人が台無しだぜ」
「やめろっつってんだろがァァァァァ!!!」
ミネアと名乗った女は、その右手に魔力を集中させる。
「来るか……ずらかるぞ、ツンデレプリンセス!」
「プリンセスって……うわ、ちょっ!?」
感じ取った危険を察知し、ハーケンはかがみをお姫様抱っこして、そのままミネアに背を向け逃げ出した。
「メラゾーマ!!」
次の瞬間、ミネアの放った呪文が二人のいた場所を炎で包み込む。
直撃していれば、二人は跡形なく消しとんでいただろう。
(なんだ今の術は……とんでもない炎を放つ!あのふんどし女、かなりの使い手のようだな)
「ちょ、ちょっと、何よあれ!?ハーケンさん、ねぇってば!」
(だとしたら……俺だけならともかく、今のこの素人プリンセスを伴った状態では危険か)
逃げる二人に、ミネアは追撃の手を緩めない。ベギラマとイオの嵐を二人に向けて撃ち放つ。
その呪文の嵐を回避しながら、ハーケンは出口に向けて疾走した。
(あのふんどし女は一人だった……だが、6番目のルールが適用されることを考えるなら……
このやり取りの一部始終を見守る、あの女の仲間がいるはずだ。
あの女のマーダー化を容認する仲間が……ここでやり合うのは無策にも程がある)
「何ぶつぶつ言って……うひゃああぁぁぁッ!?」
二人のすぐ後ろをイオの爆発が襲う。
その爆発に半ば吹っ飛ばされる形で、二人は体育館を飛び出した。
「ハロ、ハロ。追ワナイノカ、マーニャ」
「別に。こんな序盤から無理してまで殺さなくてもね。
それに目的の一つは果たしたわ……あいつら、これで私をミネアだと認識したはずよ」
ミネア……いや、双子の妹の名を騙る姉、マーニャは言った。
彼女の周りを飛び回る丸い物体……どうやら、このおかしな機械も参加者のようである。
このハロと遭遇することで、マーニャは最初の関門を切り抜けたのだった。
「これで、ミネアに誤解フラグを植えつける第一歩が成功したわけね。
よく顔を見ない限り、知らない人はすぐに私とミネアの区別はつかないだろうし。
せいぜい、ミネアの危険性を振りまいて頂戴、お二人さん」
「ホントニダイジョウブカ?ナンカ、フンドシ女トシテシカ認識シテナカッタヨウナ……」
「お前までふんどし言うなぁぁぁぁっ!!!」
マーニャの渾身の蹴りがクリーンヒットし、ハロはその場を激しく跳ね回った。
【一日目・0時30分/和歌山県・小学校体育館/天候・嵐】
【マーニャ@ドラゴンクエスト4】
【状態】健康、MP消費小
【装備】ふんd……踊り子の服
【道具】支給品一式
【思考】
基本:どんな手段を使ってでも生還する
1:妹のミネアが殺し合いに乗っていることを振りまく
【ハロ@スパロボキャラバトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
1:マーニャと一緒に行動
2:ヴィンデルかアクセル、あるいはユウキを探してまた弄り倒したい
「ふぅ……偉い目にあったな。大丈夫か、お姫様」
「誰が姫様だ!とりあえず降ろしなさいよ!」
「それだけ減らず口を叩けるなら、まだまだ平気なようだな」
ハーケンは周囲の安全を確認した上で、抱きかかえていたかがみを降ろす。
「だが、まだまだこの殺人ゲームはスタートしたばかりだ。気を抜くなよ、ツッコミガール」
「うるさいわね……ったく、何なのよあのふんどし女」
「ああ、あのふんどしマーダーには気をつけたほうがいいな。名前は……何だったか」
ハロが危惧したとおり、二人とも襲撃者のことは「ふんどし女」としか認識していないようだった。
加えて、ハーケンは必要以上の危険性をふんどし女に感じていた。
(それにしても、奴には他にも仲間がいると思ってたんだが……
少なくとも、連れがいないはずがない。でなければ、最初の5分を凌ぐことはできないはずだ。
そのルールを免れることができるとすれば……)
ハーケンは思案する。
(……読めた。あのふんどし女、主催側のジョーカーだ。
そうとなれば……仲間と合流して体勢を整えたら、まずはあのふんどしジョーカーを追い詰めるとするか。
打倒主催の切り口、こうも早く見つけられるとはな)
それが的外れであると指摘する者はいなかった。
【一日目・0時30分/和歌山県・小学校近辺を離脱中/天候・嵐】
【ハーケン・ブロウニング@無限のフロンティア】
【状態】健康
【装備】ナイトファウル、ロングトゥーム・スペシャル
【道具】支給品一式
【思考】
基本:
ゲーム破壊・打倒主催
1:かがみと行動し、仲間を探す
2:ふんどし女には警戒。ジョーカーの可能性を考えています
3:仲間と合流後、ふんどし女を追う
【柊かがみ@らき☆すた】
【状態】健康
【装備】大根
【道具】支給品一式
【思考】
基本:生き延びる
1:ハーケンと行動し、仲間を探す
2:ふんどし女には警戒
最終更新:2011年01月27日 19:28