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先ほど自分の生んだキャラを殺した石原はため息をつく。

(危なかった)

神戸に、かつて自分が生んでしまった過ちを消し去ることを気づかれてしまったため、
慌てて彼に口止めを科したのだ。

(彼が有能な人間で助かった。 もしそうでなかったら・・・・・・)

実のところ、石原も神戸に死なれては困るのだ。
もし殺したら彼自身、制限の影響で死んでしまう。
そして近くに同行してくれる人がいるとも限らないし、いても変態と組むのは嫌だ。


(だが待てよ?)

車内で胸を撫で下ろしたのも束の間、
今度は一つの疑問が湧きあがる。

(しかしいつのまに私はあんな小説を書いたんだ?)

なんと彼は、自身の代表作である『太陽の季節』に関する記憶を失っていたのである。
戦車の運転を片手に石原は頭に手を置いて考える。

(あの小説に書いてあった内容は・・・・・・ダメだ、思い出せない。 精々変態がいたということしか・・・・・・
いや、確か他にも小説を書いていた覚えがあったはずだ!)

自分が変態を書いたということしか思い出せない。
だから他にも自身が書いた小説を振り返ってみることにした。

(『変態の部屋』、『狂った変態』・・・・・・変態だらけじゃないか!)

問題があった作品ばっかり浮かんできたためか、
それらのタイトルが自動的に脳内変換されてしまった。

(やっぱりあのときの私は間違っていた! 当事はあんな変態メディアはなかった!)

かつての自分の黒歴史を否定し、今の自分を省みる。
確かに若手の小説家として活動していた時代は、今のようなR18方面のサブカルチャーは存在しなかったかも知れない。
だが、彼の書いた数々の小説はそれに匹敵する程、(変態的な意味では)酷い内容のものだったのだ。
ようするにそんな小説書いた石原も、彼の言葉で言ってしまえばDNAが狂っている気の毒な人なのである。

誤解の無いように言っておくが、彼の書いた小説が決して害悪というわけではない。
何せそれらはほとんど賞を取り、ベストセラーとなったぐらいだ。
変態性もだが、単純にストーリーが世間に評価されるだけ良いものだったということである。


「考えるのはやめだ、次の変態を探すか」

そのようなことも考えずに、思考を放棄した石原は自分の本来の目的に戻る。
そして(一応)自分の同行者に声をかけようとする。

「おい、こう・・・・・・こう・・・・・・こう・・・・・・」



名前が出てこない。
確かに今まで同行している人物だったはずだ。
しかし、石原の頭には既に彼の名前は消えうせていた。

「なんですか石原さん?」
「ああこう・・・・・・こう・・・・・・」

嫌々ながらも、同行者である神戸が彼に問いを返す。
石原は神戸に指示をしようとするのだが、中々彼への言葉が出てこない。
そしていつまで経っても返事が無いため、痺れを切らした神戸は彼に再び問い質す。

「神戸です。 石原さん、何か御用でしょうか?」
「あ、ああそうだこう・・・・・・神戸、そろそろ東京を離れてみようではないか」
「都知事であるあなたがどうしてそのようなことを?」

神戸の名前を思い出した石原は早速彼に言った。

「東京でこれだけ変態がいるのなら、他の県にも変態はいるはずだ!
これまでは他の県知事に任せてきた(つもり)がもう我慢できん!
私自らが裁きを加えなければ!」
「あー、確かに右京さんが東京にいるとも限りませんね」
「というわけでいくぞ神田」
「神戸です」

かつて石原はこう言った。

『前頭葉の退化した60、70の老人に政治を任せる時代は終わったんじゃないですか?』



【一日目・午前0時40分/東京都/天候・嵐】

【神戸尊@相棒】
[状態]健康
[装備]ニューナンブ@現実
[道具]警察手帳@現実、スカイラインGTR@現実、支給品不明
[思考]1:石原慎〇郎を杉下右京に近づかぬよう監視する
2:杉下右京を捜す
3:主催者を逮捕する

【石原慎〇郎@現実】
[状態]健康、チック症、ボケ発症
[装備]レオパルド2@サガ2秘宝伝説
[道具]支給品一式その他不明
[思考]1:杉下右京を抹殺する
2:日本の漫画とアニメを抹殺する
3:変態やロリコンを抹殺する
4:他の県に向かい、杉下右京と変態を抹殺する。
最終更新:2011年01月30日 01:44