「なんや桑原、死なんかッたンか。なんでお前が生き残ッて俺が生き残らへンのや」
「日ごろの行いッてやつやろ。なぁ岡、そう思わへンか?」
「……知らン」
「なんや。さッきからそればッかやないけ。死んだくせに」
異様な格好をした者達が異常なことを話していた。それぞれ格好は違うが黒という共通点がある。彼らは横並びなので、一本の黒い線に見えた。
一人の格好は強そうだった。顔部は覆いかぶさるようなマスク、腕は成人男性の身の丈ほどの大きさだ。肘には長い刃があり、後頭部にはケーブルがある。
一人の格好は上記の男に比べると軽装だった。黒いスーツに手には銃器のようなもの。腰には刀。ワイルドミディアムで髭を生やした、色男である。
一人の格好は上記の男に比べると重装だった。違うところは彼はU型の巨大な物を持っていることだ。引き金があるので銃器なのだろう。スキンヘッドで強面だ。
それぞれの名は上から順に岡八郎、桑原和男、室谷信雄。彼らは殺し合いとは違うが、生死を行き来する
ゲーム、ガンツの参加者である。
彼らは嵐の風や雨をまったく気にすることなく歩いていた。この程度、彼らにとっては星人との戦いより生温いものだからである。
まるで晴れの穏やかな日に男共が世間話をしているようだ。もちろん、そんな平和な状況ではないのだが。
「あッ! 女や!」桑原は喜々として言った。彼の目線の先には確かに女が二人いたが一人は男である。そして女は少女である。
いくら彼がセックス依存症と言われようとも年端もいかない少女には手を出さないだろうと二人は思っていたが、どうも怪しい。
しかし桑原が彼女らの元へ行く前に室谷が「うおおお」と叫びながら走っていった。ガソリンスタンドへ向かう彼に桑原は言う。
「あいつ殺し合いに乗る気かいな。殺して何になるッちゅーねんなぁ、岡」今度の岡は答えなかったので桑原は不機嫌になった。
室谷の武器であるZガンは上から圧力を発生させて相手を圧殺するという凶悪なものである。殺される訳でもないので、桑原は心配しなかった。
爆発音が轟いた。いきなりだった。ガソリンスタンドはいきなり爆発し爆ぜた。先ほどの三人の肉片が飛び散る。焼肉の香ばしい臭いがした。
死の臭いとは美味なのだろう。だがその臭いを脳から追い払った男がいた。室谷だ。彼は爆風で吹っ飛び、そこらの住居にぶつかった。
重力に従いアスファルトに落ちる。彼のスーツの円状の穴からドロドロとゲル状の物体が出始めた。室谷はそれを見ると顔が青くなった。
「だ、誰やッ出て来いッ!」対象者がわからないが室谷は叫んだ。その叫びは嵐の轟音に負けず、深刻なのだろうと素人でも判断できた。
「あーあ終わッたな」桑原は遠まわしに諦めろと室谷に言った。彼は「うるせえッ」と言い返すがどうにもならないのだ。スーツは効力を失っているのだ。
Zガンを振り回し、室谷は叫ぶ。あれは銃器であり鈍器ではないのだが。パニック状態に陥っていた。他の参加者に比べればマシなのに。
室谷は撃たれた。散弾銃により狩りの対象のように撃たれた。ガンツでは星人を狩っている彼がここでは狩られたのだ。
多くの鉛玉が彼の体を突き抜ける。ぶしゃあと血を噴出すと彼は下に倒れ、ビクビク痙攣させるとやがておさまり動かなくなった。
それと同時に岡は手の平を市役所に向ける。彼の仮面にはレントゲンのように物を透かして見る装置がある。それで誰が撃ったのか確認したのだろう。
「意外と仲間思いなんやなお前」桑原は岡に関心したように言う。だがその予想は外れだった。岡はただ、闘いたかっただけなのだ。
手の平から光線が飛ぶ。それは市役所に撃ち込まれると壁を削り取った。なんと凶悪な代物だろうか。岡は連射する。破壊は進む。
市役所はガラガラと崩れガレキの山と化した。それで攻撃されず一安心、とはいかない。その山から二つ、影が飛び出した。
一つの影はショットガンを持った老人。この老人が室谷を撃ったのだろうと桑原は確信した。それに対し怒ることはなかったが。
もう一つの影は化物。ライオンのような牙と鬣、鋭い爪、そして二足歩行と異様な化物だった。手にはサブマシンガンを持っている。
「岡、あの化物、ガンツやと何点やろなぁ」桑原はかつて戦った星人を思い出しながら言った。岡は答えず構えていた。
「闘うンかい。じゃあ俺はあのじじいや」桑原もXガンを構える。狩りだ。狩りの時間がはじまったのだ。
怪物・カザリは引き金を引く。銃口から弾が出る。何発も何発もと連射されるのだ。銃声が聞こえた。パパパパと乾いた音だ。
桑原と岡は地面を強く蹴り、二人とも反対に横っ飛びした。ガンツスーツは銃弾を跳ね返すが制限がある。避けておいて損はないのだ。
銃声が進んでいたが、いきなり止まった。撃っていたカザリも驚いたのだろうか、銃の周りをあれやこれやと見ている。湿気により誤作動を起こしたのだろう。
岡は動きを止めた彼を見逃すことなく、手の平を向ける。光線が飛び出すがカザリは避けた。まるで小動物のように素早く飛ぶ。目では捉えきれない。
もちろん光線は光速だ。秒速三十万キロのそれを避けれる訳がない。だが彼はまるで光線を撃つ前に避けているようだ。なんとまあ、すごいものだ。
バシィッとカザリは跳び上がった。速い。陸上競技での走り幅跳びのような速さだ。岡の目の前に立つとマシンガンを後ろに投げ捨てた。
岡の前に突き上げられた手をカザリは蹴り上げる。光線があっちの方向に飛び雨を消し去る。それを補うかのように雨がまた降ると岡は腕を振りかぶった。
岡の肘についている刃がカザリを襲う。しかしそれをカザリは爪で守る。ガキィと金属同士がぶつかる音が、次々と刻々と淡々と続く。
まるで曲だ。嵐の轟音とマッチしているように聞こえるその音は、どちらかの命を競う白兵戦から生み出されたものだ。戦争は発明の母である。
「なめんなや、俺はこう見えて高校ン時、ピンポンやっとんたんやッ!」
岡が啖呵をきると同時に、カザリを強引に吹っ飛ばす。新手の鍔迫り合いだ。いや競り合ってすらない。まあそんなことはどうでもいいだろう。
「へえ、やるね」感心したように化物は言う。意外にも浮いた声だ。カザリは「じゃあこれならどうかな」と言うと、手を突き出す。
竜巻だ。大渦が岡を襲った。彼は手をクロスさせるが、体は浮く。後方へ跳び上がり、やがて地面に付く。ダメージは無かった。
岡は前を見る。モニターの前には誰もいない。嵐が吹き荒れる。つまりカザリを逃がしてしまったということだ。
岡は周りを見渡し不意打ちの可能性が無いことに気づくと、ふぅと仮面の裏でため息をついた。あの好戦的なものはなんだったのだろう。
「なんや爺さん。弾切れかい」桑原はショットガンを構える老人に言う。彼がそう言ってるということは狙撃手の残弾はもうないのだろう。
「なんじゃお前は。三回は少なからず当たったはずじゃ。なぜ、なぜ死なぬ!」老人は叫ぶ。
「このスーツはぎょーさん丈夫やからな。ンじゃ殺すからな」桑原は無慈悲にもXガンを構える。その目は見下していた。
ギョーンと間抜けた音が聞こえた。老人もきょとんとしたがやがて頭が膨らみ「ひへっ」と断末魔を残し爆発した。まるで北斗の拳だ。
こうして狩りは終わる。桑原はZガンを拾い、岡と共に歩く。目指すは彼らの故郷大阪。何が待ち受けるかはわからない。
【一日目・1時30分/埼玉県/天候・嵐】
【桑原和男@GANTZ】
【状態】健康
【装備】ガンツスーツ@GANTZ Xガン@GANTZ Zガン@GANTZ ガンツソード@GANTZ
【道具】コントローラー@GANTZ 通常支給品
【思考】基本:とりあえず大阪に行く。
1:女とヤりたい。
【岡八郎@GANTZ】
【状態】健康
【装備】強化型ガンツスーツ@GANTZ ガンツスーツ@GANTZ ガンツソード@GANTZ
【道具】コントローラー@GANTZ 通常支給品
【思考】基本:大阪に行く。闘いたい。
【室谷信雄@GANTZ 死亡確認】
死因:ショットガンおじいちゃんからの狙撃。
【ショットガンおじいちゃん@GTA3カオスモードプレイ 死亡確認】
死因:Xガンによる頭の破裂。
「なんですか、あなたは一体」中野梓は気丈に答える。気丈、というからには恐ろしいことが起きているのだろう。
それもそのはずだ。彼女の目の前でサブマシンガンを持った怪物が、人間へと変身したのだから。
「いやね。僕を君らの仲間にならせてくれないかな。損は無いはずだよ」書き遅れたが梓は光線銃を構えている。よくこんなに余裕なものだ。
「嫌です! 他をあたってください」梓は断った。当然だ、化物など信じる信じない以前の問題だからだ。
「別に構わないけど君を殺すかもよ。あ、光線銃だよねそれ。さっきみたよ。すごい威力だ。でもその程度で勝てると思ってるわけ?
君はただの一般人なんだ。引き金を引く前に殺すなんて造作もない。第一、僕が殺す理由がないじゃないか。メリットなんてないからね。
それでも断るなら、残念だけど君はもちろん、君の友人も監禁するからね。あ殺しはしないよ、だって僕が死んじゃうもん」
カザリはかなりハッタリを聞かせた。だがこのハッタリは成功した。梓らの仲間になることに成功した彼は、ソファの上でくつろぐ。
(さーて、そろそろ欲をもらおうかな)カザリはひそかにほくそ笑んだ。
【一日目・1時30分/埼玉県・ガソリンスタンド跡地の住居/天候・嵐】
【カザリ@仮面ライダーオーズ/OOO】
【状態】健康 人間に変身
【装備】IMI マイクロウージー(25/25)@現実
【道具】予備弾薬 通常支給品
【思考】基本:梓らと組む。終わりがない場合、生き残ることを優先させる。
1:梓らが必要なくなったら殺す。
2:セルメダルが欲しい。
※マイクロウージーの調子が悪いです。一応、装弾はしました。
【
平沢唯@けいおん!】
【状態】健康
【装備】ワンダースワン@現実
【道具】支給品一式
【思考】基本:まだ考えてない
1:軽音部や友人達を探す
2:死んだ人たちは…まあいいか
3:この銀髪の人だれー?
【中野梓@けいおん!】
【状態】健康
【装備】スーパー光線銃@スクライド漫画版
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いはしたくない。だが防衛はする。
1:軽音部や友人達を探す
2:唯に対する恐怖
3:カザリを一旦、仲間に入れる。できれば追い出したい。
最終更新:2011年01月30日 01:51