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 阿良々木暦、戦場ヶ原ひたぎ、千石撫子。
 三人の人間……いや、一人の吸血鬼もどきと二人の仮面ライダーを殺害した少年、桐山和雄。
 彼は一人、他の参加者を探して夜明け前の街を歩んでいた。
 無論、探しているのは発見次第殺害するために、だ。
 どれだけの人間をその手で殺そうと、桐山に罪悪感は無い。
 今更、そんなセンチメンタルな感情が生まれるはずが無い。
 彼は遠い昔に、全ての感情を失っているのだから。
 故に、彼は決して情に流されず、生き残るための行動を取り続ける。
 殺さなければ、自分が死ぬ。だから先に相手を殺す。
 テラカオスバトルロワイアルが始まる前から、彼はそうやって生きてきた。

「………………」

 やがて、桐山は足を止める。
 前方数十メートル。桐山の行く手を阻むように、一人の青年が立っていた。
 無言で桐山は自身の支給品、ゾルダのカードデッキを取り出す。
 ただの雑魚が相手なら、変身せずとも十分だろうが……どうやらそうもいかないようだ。
 腰に巻かれたベルト――桐山の知るものと少し形は違うが、機能はさして変わらないだろう――が、相手の力量を桐山に感じさせていた。
 近くに乗り捨てられていた車のサイドミラーにデッキをかざすと、桐山の体にベルト――Vバックルが装着される。
 相手もまた動く。動作こそ違えど、それの意味するところは桐山と同じ。
 両者が同時に叫ぶ。

「「変身!」」

 桐山の身体を、緑の装甲が纏う。
 相手も、同様に姿を変えていく。
 ゾルダのバイザー越しに見えるその姿は――ピンク、いやマゼンタか。

「…………」

 僅かに早く、桐山がゾルダへの変身を完了する。
 ほんの一瞬の差だが、その一瞬さえあれば桐山には十分過ぎた。
 ゾルダはデッキから一枚のカードを引き抜くと、手にした銃・マグナバイザーに装填する。
 桐山には手加減する気も無ければ手加減する理由も無い。よって最初からクライマックスだ。
 全力全開の攻撃で――敵を仕留める。

『FINAL VENT』

 ゾルダの隣に契約モンスター・マグナギガが召喚される。
 間髪入れずその背にマグナバイザーを差し込むと、一切の躊躇無く引き金を引く。
 相手も変身を終えたのが確認できるが、今から何をしたところでもう間に合うはずも無い。
 鋼鉄の巨人の全身の砲門が開いていき――そして。


 世界の終わり。


 誇張でもなんでもなく、そんな形容すら真っ当に感じられるほどの砲撃が相手を襲った。









 はず、だった。

『ATTACK RIDE CLOCK UP』

「……!」

 突如として桐山の腹部を襲う衝撃。
 最初、何が起きたのか、桐山には理解できなかった。
 ゾルダの身体が宙を舞い、地面に落下してようやく、自分が蹴り飛ばされたことに気付く。
 まるで対応できなかった。
 相手はいつの間に、こんな至近距離まで距離を詰めたのか。
 何故エンドオブワールドを喰らってなお、相手は無傷のままなのか。
 あれだけの砲撃を、全て避けきったとでもいうのか?
 そんなことはありえない、そう思いたかったが――立ち上がった桐山を待っていたのは、さらに目を疑いたくなる光景だった。

『ATTACK RIDE ILLUSION』

 分身、とでも言うのか。
 敵が三人に分裂し、ゾルダを取り囲んでいた。

「三対一か……」

 蹴りのダメージ自体は大したことは無い。まだ十分に戦えるレベルだ。
 しかし、まずいのは蹴り飛ばされたせいでマグナギガとの距離が開いてしまったこと。
 しかも、マグナバイザーはマグナギガに差し込まれたままだ。アドベントカードが使えない。

 ゾルダが包囲されているこの状況、マグナギガは戦えない。
 マグナギガの火器は強力だ。今それが火を吹けば、ゾルダにも被害が及ぶことはまず間違いない。
 格闘戦に持ち込むにししても、マグナギガの動きは鈍い。戦力として数えることはできない。
 ならば、どうやって切り抜けるか……思考する桐山に対し、三人は一糸乱れぬ動きで各々のカードを取り出しベルトに装填する。

『ATTACK RIDE GIGANT』

 ベルトから響く音声に合わせて、四連装ミサイルランチャー・ギガントがそれぞれ出現する。
 四連装ミサイルが三つ……全部で十二発のミサイルが、桐山に向けられていた。
 対して今の桐山には、銃の一丁すらありはしない。
 彼我の戦力差は圧倒的、生き残るには逃げるしかない――しかし、何処へ逃げる?
 完全に囲まれている現状で、何処へ逃げればあのミサイルの射程圏内から逃れられる?
 考える、考えるが――なまじ感情を持たないがために状況を冷静に分析した桐山は一つの結論に達してしまう。

 逃げられない。

「ここで死ぬ……か」

 桐山が呟くと同時に、全てのミサイルが発射される。
 一つあれば複数のアンノウンを殲滅できるギガントが、三つ。一発でも当たれば終わる。
 それでも桐山は回避を試みるが、避けようとして避けられるものでは無く。

 完全に死を覚悟した、その時。


『タカ! トラ! チーター!』


 奇妙な叫び声を、桐山は聞いた。


「ふう、草薙さんの支給品がチーターメダルじゃ無かったら危なかったですね」
「そう(無関心)」
「君も、無事でよかった。怪我は無い?
 道具が無いから応急措置くらいしかできないけど、どこか痛むところとかがあれば言ってね」
「……どうして、俺を助けた?」

 ギリギリのところで、桐山は火野映司と草薙ケンの手で助けられていた。
 ケンが注意を引いている隙に、オーズに変身した映司がタカトラーターのスピードでゾルダを抱えて逃げ去ったのだ。

「さっきの人がどうして君を殺そうとしてたのかは知らないけど、目の前に殺されそうな人がいたら俺は助けるよ。
 話なら、助けてから聞けばいいんだから。それにさ、ライダーは助け合いでしょ?」
「……そうか」


【一日目・5時30分/埼玉/天候・雨】

【火野映司@仮面ライダーオーズ/OOO】
【状態】健康、パンツ一丁
【装備】オーズドライバー@仮面ライダーオーズ/OOO
【道具】タカメダル、トラメダル、バッタメダル、チーターメダル、セルメダル×5
【思考】
1:この戦いを止める
2:アンクを探す
3:後藤さんや伊達さんも出来れば探す
4:比奈ちゃん、参加してないといいけど…

【草薙ケン@超人サイバーZ】
【状態】健康
【装備】ひのきのぼう
【道具】支給品一式
【思考】
1:世界を平和にする

【桐山和雄@バトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】カードデッキ(ゾルダ)@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1.このバトルロワイアルで優勝する
2.仮面ライダーのデッキを持っている者から優先的に殺す





「ゾルダを倒し損ねたな。……あの二人、俺の知らない仮面ライダーか。
 いずれ、奴らも俺が破壊する……」

【一日目・5時30分/埼玉/天候・雨】

【門矢士@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康、激情態
【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1.全ての仮面ライダーを破壊する

※サイバーZを仮面ライダーだと思っています
最終更新:2011年02月10日 00:45