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「ちっ……ダラズがあ……こんな時に小市民同士で殺し合いなんぞして……
今はあの放送をやっとるクズ野郎どもを、力を合わせてぶっつぶさなあかんやろが」
第二回放送の流れた直後、それを聞いた一人の男が怒りに震えていた。
金髪・パンチパーマ・強面・アロハシャツと、どっからどうみてもその世界の人であり、事実そうだった。
「まあ、チンピラのわしなんぞが言っても説得力っちゅうもんは無いかもしれんけどなあ……
やけど、いくらこんな時でもやっていいこと悪いことあるやろが」
吐き捨てるように言い、舌打ちをする北条鉄平。
こんな馬鹿なことが許されて良いのか
何よりも心配なのは、両親を亡くして以来うちで面倒を見ている姪っ子のことだ。
沙都子。命よりも大切な、自分にとってはたった一人の家族。
あの子を助けるためなら何だってできる。それに、あの子が大切にしている友人たちも守りたい。
みんな実の親や兄を亡くした沙都子を支えてくれている、自分にとってもかけがえの無い人たちだ。
その中でも前原圭一という子には、不幸な誤解が積み重なった結果、襲撃されたこともあった。
しかしそれも彼なりに沙都子を守るため、沙都子のことを思った末での凶行だった。恨みなんか無い。
「とにかく一刻も早く、連中のうちの誰か一人でも見つけれればえいけんどね……」
姪っ子とその友人たちの無事を祈りながら歩いていた鉄平は、いつしかとある大型イベントホールの前に来ていた。
ホールの前に張っていた張り紙によれば、今ここではカオスロワンアイドルとかいうイベントの最中らしい。
イベントの中身には微塵も興味は無かったが、こういう場所には多くの人が集まるだろう。
何か重要な手がかりが得られるかもしれない。
「まあ、他にアテがあるわけでも無いけんなあ」
鉄平はイベントホールのほうに足を向けた。


それはかなり大きなイベントのようで、大勢の見学者でにぎわっていた。
さらにホールの周囲にはいくつか屋台も出ていた。まあイベントの規模を考えれば当然だろう。
その中には鯛焼きを打っている店もあった。香ばしい匂いが鉄平の鼻をくすぐる。
そういえばお腹も減っているし、と鉄平は腹ごしらえをすることにした。
「おい、悪いけんどつぶあんのとこしあんのを一つずつな。頼むきんね」
そう告げると、鯛焼き屋の店主は爽やかな笑顔で了承して鯛焼きを準備し始めた。
香ばしい香りがさらに立ち込め、これは味のほうも期待できそうだななどと思っていたとき、屋台の前を一人の中学生くらいの少女が通り過ぎた。
その途端、穏やかだった鯛焼き屋の顔つきが変わった。
鯛焼き屋は俊足でその少女の腕を掴んで捕まえた。

「貴様、うちの鯛焼きを食い逃げした女……じゃ、無いようだな。
おい、うちの鯛焼きを食い逃げした女と知り合いか!? そういう奴を知ってはいないか!?」

すさまじい剣幕で迫る鯛焼き屋に、少女はただただ泣いて
「ち、ち、ち、違います、知りません!」
などと言うのみ。これはどう考えても本当に知らないのだろう。
鯛焼き屋は
「そうか……ではお前に一つ、栄誉を授けよう。うちの鯛焼きの具になれるって栄誉をなあ!!」
そう言うが早いか、鯛焼き屋は少女を屋台の屋根の下に引きずりこんでいった。
「や、やめえやダラズ!!」
鉄平の叫びも空しく、あっという間に少女は鯛焼き屋の手によってミキサーに生きたまま入れられてミキシングされてひき肉にされ、
さらに鯛焼きの生地に挟まれて焼かれ、数十個分の鯛焼きになってしまった。

「てめえ……なんでそんなことが平気でできるんや……頭おかしいと違うか?」
鉄平がそう問うと、鯛焼き屋は平然と答えた。
「ああ、理由ですか? それはですねえ、私が前に持っていた鯛焼きの屋台が、一人の女の子の食い逃げによる被害のせいで潰れてしまったからですよ。
私はその食い逃げ犯を見つけて復讐する……鯛焼きの具にしてやるために、固定型の鯛焼き屋屋台から移動型の鯛焼き屋屋台に転職したわけですよ。
そして、その犯人を探す合間に、そいつと同年代くらいの女の子を拷問して、鯛焼きの具にしているわけです。
復讐のためですよ、全てはね」
「な……なんじゃあ、そりゃあ……」
鉄平の口の中が急激に乾いていく。
犯罪行為によって職を失った男の恨みが深いことは理解できる。
しかしこんな奴を放置していれば、沙都子の友人にだって危害が及びかねない。
「……表に出んね。ちょっと立ち話でもしようやないか」
「やれやれ、困ったお客様ですねえ」

カオスロワンアイドルという前代未聞の企画と、その中で起こった殺害事件に揺れるイベントホールの外で、
男たちのそれぞれの大切なものをかけての戦いもまた、始まろうとしていた。

【一日目・4時45分/東京・カオスロワンアイドルセカンドステージ会場/天候・雨】

【北条鉄平@ひぐらしのなく頃に】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:沙都子とその友人たちを守る
1:鯛焼き屋を止める。


【鯛焼き屋の親父@KANON】
【状態】健康
【装備】鯛焼き作成のための道具一式
【道具】不明
【思考】基本:自分の店を潰した食い逃げ犯(月宮あゆ)を見つけて殺害する
1:鉄平に対処

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ  死亡確認】
最終更新:2011年02月10日 22:16