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ハクオロさんが消えるのを見届けると、涙が堰を切って流れ出してきた。
突如現れた女の子は、ハクオロさんの道具を拾って何かをしている。
でも、そんな事はどうでもよかった。
ただ、今は泣いていたかったから。

「彼を殺したのはあなた」
突然女の子はそう言った。
信じられない事を、無表情で言った。
私はただ、その子の言う事を呆然として聞く。
「彼の持っていた支給品を解析した結果、個人の名称を呼ぶことによって
 対象の人物を転倒させる機能がある事が判明した。
 あなたは彼の名前を呼んだ。だから彼は転倒して死んだ」
私が……殺した?
ハクオロさんを?
「そんな……ハクオロさん」
身体中から力が抜ける。
自分の意思でやった事ではないとはいえ、取り返しのつかない事をしてしまった。
彼が死んだらトゥスクルの民は……アルルゥは……なにより、私はどうすればいいの?
私は、私は……。
いっその事私も死んでハクオロさんの所へ行こうかとも思った。
だけど、この子はそれを止めるかのようなタイミングで言った。
「あなたは彼の死を無駄にしないために死んではいけない」
彼女がどういう意図を持ってそう言ったのかは解らない。
でも今ここで死んでしまったら、殺してしまったハクオロさんに申し訳ない。
私は死んではいけない、生き残らなくちゃ。
それにあの男の子は、最後の一人に残れば何でも望みを叶えてくれると言った。
ハクオロさんはこんな事望まないって解ってる。
でも私は、ハクオロさんのためなら!
そうと決まればこの子も殺さなきゃ。
幸いに彼女は乗ってきた乗り物の方へ向かっている。
気付かれないように自分に支給された『拳銃』という支給品を取り出す。
鼓動が早くなる、思えば私は人を殺したことがなかった。
だけどここで一歩踏み出さなきゃ、私はきっと誰も殺せない。
ハクオロさんの為には善良な人でも、無垢な子供でも殺さなくちゃいけない。
迷っちゃ駄目、震えちゃ駄目、落ち着いて、落ち着いて。
彼女は乗り物に乗る寸前だ。
完全に乗り込まれてしまったら私に勝ち目はない。
今だ!
パンッという音が響く。
弾は見当違いの方向へ飛んでいく。
思ったより反動も大きい、音の大きさにも驚いた。
でも大丈夫。
相手も突然の事で動揺しているはずだ。
もう一度、今度は反動も考慮して。
再びパンッという音が響く。
耳障りな金属音を発して乗り物に火花が散る。
当たったようだ。
「撃っても無駄」
彼女が何か強がりを言っている。
「優勝者の特典を期待しているのなら無意味。
 あなたが殺し合いに乗って生き残れる確立は限りなく低い。
 私達と一緒に脱出の可能性を捜索するほうが効率的」
脱出なんて出来るわけがない。
ハクオロさんだって簡単に連れてきてしまうような人達が、そんな事許すはずがない。
彼女は私を惑わす幻影だ。
騙されない、私はハクオロさんと帰るんだから。
無言で銃を彼女の身体に向ける。
「そう」
彼女のその言葉が私の聞いた最後の言葉だった。

エルルゥを轢き殺した長門は何事もなかったかのようにその場を去っていった。

【一日目 0時35分 B-8:遊園地の建物内部】

長門有希@涼宮ハルヒの憂鬱】 
[状態]:健康  
[装備]:ナイフ
[道具]:支給品一式、イーグル号
[思考]基本方針:ゲームからの脱出
1:イーグル号をどこかに隠す
2:涼宮ハルヒの捜索
3:イーグル号を使いこなせる人間を探す

【エルルゥ@うたわれるもの 死亡確認】


最終更新:2007年02月26日 22:35