アットウィキロゴ
「ああ、ああ……退屈は罪だ。
 人に与えられた限りある時間を。怠惰に過ごすでも快楽に溺れるでもなく、
 ただそこに存在するだけで潰していく……。こんなことには耐えられない!
 退屈は罪だ! 死ね! 退屈は死ね!」
「そう、だったらそのレンチを頭で受ければ楽に成れるんじゃないの?」

大田区の工場街。
アリス達はここで暇を持て余していた。
アクセル達が帰って来るまで待機するはずなのだが……。
彼らは暇を持て余していた。そこでグラハム(エーカー)は瞑想を始めた。
そして、もう一人のグラハムは車の解体作業を始めた。
無論、この車はそこで拾ったのだ。断じて窃盗ではない。

「悲しい……悲しい話と見せかけて実は不思議なミステリーと見せかけまあやっぱり悲しい話をしよう……」
「長いわ、手短に話せないの?」
「悲しい……とても悲しい話をしよう……。
 俺は今、暇で悲しくて本当にどうしようもない。
 雨が降り続いて空気がジメジメしているのもなんだか悲しい……
 この空気を壊してやろうと思ったが残念ながら空気には形がない……
 形のないものイコール壊す実感が沸かない……俺は壊すという実感が欲しい……
 ああ、ああ、悲しい……そして、そんな空気すら壊せないなんて悲しい……
 これほどまで悲しいことがあるか……! いや、あるかもしれない!
 ああ、悲しい! それを考える度に俺は今の自分が悲しくて悲しくて
 悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて悲しくて――――
 ――――――――――――――――――――――――――――――――
 ―――――――――――――超悲しいよどうしてくれんだよっらぁっ!!」

ガギン、と金属同士が衝突する音がした。
アリスは次の瞬間、目を疑った。グラハムの前にあった車が消えたのだ。
――――否、車がバラバラに成りながらも宙を舞ったのだ。
だが、当然ながら地球には重力というものが存在するわけで……
グラハムの真上に打ち上げた車のパーツが落ちてくる。
しかし、ゴツゴツとした凶器を手に持ったレンチで再び突き上げる。

「ぁあああぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁああ
 ああぁぁぁああああぁああぁああああぁぁあああぁああぁああっ!」

ギチ、ガギッ、ガン、ゴキ、キュイ、ガキッ、ゴッ、ギッ、ギッ……

グラハム(レンチ)の絶叫と共に、リズミカルな金属音が木霊する。
だが、そんな【リフティング】をしているにも関わらず瞑想を続けるグラハム(フラッグ)。
そして、いつの間にかグラハムの手には小型レンチも握られていた。
大小二つのレンチを器用に操って鉄塊を舞わせ続ける。
時々、鉄塊から分離したパーツが落ちるが、綺麗な状態。
再利用すら完全な状態で、パーツ毎に無傷で分解されたものばかりだった。
更に絶叫は続き……

「……あぁ……あ……ああぁぁ…………」

叫び疲れたのか、絶叫が止まるころ、宙を舞っていた鉄塊は、いつしか姿を消していた。

「…………………………………………………………………バラせた」
「気が済んだ?」
「超バラせた。すげぇ……一回も床に落とさないままバラせたよ!
 見た? 見た? うっわ凄いすっきりしたんだけどどうする?
 やっぱり、俺に間違いはなかった! 人生は……人生は楽しい!」
「そう」

叫ぶと同時に、すごく……大きいレンチをまた宙に投げて回転させていく。

「やべぇ、俺、今、すげぇワクワクしてる! もしかしたら爆発するんじゃないのか!?
 でもそれはそれで面白いかもしれないと思っている俺がいるよ、やべぇ、超楽しい!
 アリスの姐さんも楽しい時には笑え! じゃなきゃイザという時に笑顔の代わりに涙が出るぜ?」
「…………そうね」

主催者が嫌悪感を抱く男は今日も絶好調だ。
そして、アリスの憂鬱は続く。

【一日目・6時45分/東京都太田区/天候・雨】

【アリス・マーガトロイド@東方Project】
【状態】健康
【装備】邪鬼銃王
【道具】不明
【思考】基本:生き残る
1:つまり、どういうことなの?
2:首輪を外したい
3:ラミアに親近感

【グラハム・スペクター@バッカーノ】
【状態】ハイテンション
【装備】すごく……大きいレンチ、小型レンチ
【道具】不明
【思考】基本:この世界の神(主催者)を壊す
1:アリスの姐さんについていく
2:神龍ニアラも壊す
3:脱衣拳も壊す

【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダムOO】
【状態】健康、瞑想中
【装備】ビームサーベル
【道具】不明
【思考】基本:殺し合いの破壊
1:アリスからガンダム(邪鬼銃王)をもらう
2:後に二人と合流する
最終更新:2011年02月12日 20:05