「よいしょと……鉄製の体でも鉛弾は結構痛いわね……」
むくりと、射殺されたはずの東京タワーが立ち上がった。
彼女は死んだのではなかったか?
答えは否である。彼女は7期からの参加者であり、当時の彼女の説明文を思い出して貰いたい。
彼女の体はそのまま東京タワー、つまりは鉄である。至近距離から銃撃されても少し凹む軽傷程度なのだ。
「私を柔らかくできるのはダーリンだけなの……
しかし、まさか本当に内部に裏切り者がいるなんて……『真の主催者』の言ったことは正しかった」
呟きながら、彼女は鯛焼き屋の親父の前に辿り着き、こう言った。
「ご苦労様」
「……もういいんですか?」
鯛焼き屋の親父が息を吐く。
彼の周りは一切血に汚れていない。
ただ彼は、無数に転がる鯛焼きを拾っていた。中身は普通の『つぶあん』の鯛焼きを。
「まったく、とにかく大量に鯛焼きを道にばら撒いたら高額報酬とか言ってましたけど……
これ、なんの意味があるんですか? 前に撮った、私がサイモンさんを鯛焼きにするという映画も……」
「……モニターの映像を信じ込ませるためよ。走って逃げる時にも現実に鯛焼きが転がっていなかったら不自然でしょ?
あの映画は、戦っても勝ち目がないと誤認させるために必要だったの……ご協力感謝するわ。
それじゃあさようなら」
「なっ――
悲鳴を発することなく、親父は巨大な東京タワーファンネルに貫かれてしまう。
【鯛焼き屋の親父@KANON】 死亡確認
「悪いわね……」
「どうだい、目当ての人物はみつかったかい?」
ファンネルを引き抜く東京タワーに、声がかかる。
その正体は、サイモン・コーウェル。彼も死んではいなかったのだ。
全ては、茶番劇だったのだ。
カオスロワンアイドルが再起不能になったとわかった時、怪しい人物はどのような対応をするのか?
それを探るために、あらかじめ監視室のモニターの映像は全て用意されていたものを流した。
本当はアイドル候補も、スタッフも、誰も鯛焼きにはされていない。
今頃彼らは、全員共通の学力テストを個室に缶詰で受けさせられていることだろう。
外で何が起こっているのか、何も知らずに。
黒衣マトの死がアンチ連盟が原因だと思い込んだ参加者は、試験を棄権して飛び出しているかもしれないが。
「ええ、やはり睨んだ通り、井口ヒロミは何かを秘密裏に企んでいたみたい。あとで追っ手を。
それと、兵十とごんの二人が、6/をアンチ連盟に引き込もうとしていた」
「ち……やっぱりか。それでこれからどうするんだい?」
「あなたは残ってる参加者への対応をお願い。これからのことをまずあの人と相談しないと……」
【一日目・7時10分/カオスロワンアイドル会場/天候・不明】
【サイモン・コーウェル@アメリカン・アイドル】
【状態】健康 碌でも無い参加者ばっかでうざったい 常任審査員 エージェント
【装備】予選応募者の名簿
【道具】支給品一式多数
【思考】
基本:カオスロワンアイドルをプロデュース
1:スケジュールの調整。
2:???
【東京タワーちゃん@テラカオスバトルロワイアル】
【状態】健康 エージェント 常任審査員 軽傷
【装備】予選応募者の名簿
【道具】支給品一式ほか多数
【思考】
基本:あの人と一緒にカオスロワを盛り上げる。
1:脱衣拳と連絡をとる
※今期世界の東京タワーの役割も果たしているみたいです。
※真の主催者のエージェントの一人だったようです。
※ついでにカオスロワンアイドルの発案者だったそうです。
※どうでもいいと思いますが、脱衣拳とは切っても切れない程の仲になった模様。
※カオスロワンアイドル関係者に犠牲者はいなかったようです
最終更新:2011年02月14日 01:25